【中学受験伴走】「学校説明会」「文化祭」で見るチェックポイントはココ!
「中学受験伴走(サポート)」について、教育ジャーナリスト・佐野倫子さんが伴走方法を伝授。今回は志望校選びの大切な指標となる「学校説明会&文化祭でチェックすべきポイント」について。(全1回)
発達障害の特性のある子どもを持つ親や家族への支援【精神的負担】編 〔言語聴覚士/社会福祉士〕が解説こんにちは、教育ジャーナリストの佐野倫子です。データ上や、偏差値表を基準にしてしまいがちな志望校選びにおいて、学校説明会や文化祭は、生きた情報を得られるまたとないチャンス。だからこそ、見るべきポイントがたくさんあります。
そこで今回は、限られた時間のなかで、各校のチェックすべきポイントを伝授します!
(全1回)
学校説明会は何年生から行くべき?
我が家のお話をしますと、塾が主催するオンライン学校別説明会で10校。実際に親だけで説明会に訪れたのが10校。息子も一緒に行ったのが6校(文化祭含む)。
ちなみに、受験本番まで本人が学校に行ったことがなく、親のみが行って受験を決めた学校は3校。親も子も一度も説明会や文化祭に行ったことがなく、受験したという学校はありませんでした。
説明会は基本的に2時間程度で、校長先生や広報、入試担当の先生方が学校について趣向を凝らして話してくださいます。質疑応答などもあるとはいえ、ただ行ってメモを取るだけだと得られる情報は限られます。
そこで、訪れた際に「ここは見るべき!」というポイントをお伝えします。
最近は、受験・入試をサポートするサービスサイト「ミライコンパス」から、説明会の予約などができます。 写真:cake_and_steak/イメージマート
ポイント①誰が話すか またその話の主題は?
分かりやすく学校のテーマが反映されるのが、「メインで誰がどんな話をするのか」です。
多くは校長先生ですが、場合によってはメインで話すのは生活指導、教科担任、進路指導、広報、中1担任などバリエーションがあります。校長先生が説明会1時間のなかで、45分話す学校では、トップダウン型、リーダーシップ型の運営であることが多いでしょう。比較的若い先生の登壇が続くのであれば、一体型の運営かもしれません。
さらに進路指導担当であれば、進学実績に力を入れているでしょうし、数学の先生が出てくれば理系教育に特色があることが多いです。
学校が大切にしているもの、打ち出したいものや、経営体質も透けて見えますので、ぜひそういう視点でも注目してください。
ポイント②生徒の様子と先生との距離感
写真:アフロ
文化祭や、平日で校内見学ができる場合は、生徒と先生がどのように関わっているのか見るチャンスです。
我が家の場合、聖光学院中学に見学に行った際には職員室まで見せていただき、休み時間にたくさんの生徒が勉強を教わるために職員室にきている様子を確認することもできました。
また麻布学園中学の文化祭では、ほとんど前に立つ先生の姿は見られず、生徒の自主性に任されたイベントなのだと肌で感じることができました。チャンスがあればぜひ、先生と生徒の関係に注目してみてくださいね。
ポイント③校内の掲示物
校舎に入る機会があるならば、教室や廊下に何が張り出されているかもぜひ注目しましょう。
広尾学園中学の説明会に行った際には、海外大学のパンフレットが並び、海外大学進学時の奨学金募集告知がずらりと掲示されていました。普段これらを目にしていれば、少なくとも海外大学が無関係なものだとは生徒も思わないでしょう。掲示物にも学校のカラーや特色が出ているなと思った出来事です。
また、廊下の掲示板によくある、部活の告知にも注目してみましょう。生徒が主体的なのか、先生主導か、活発に多頻度で活動しているか、なども透けて見えてくるかもしれません。
ポイント④教室・学食・トイレなどの校内設備と学習環境
写真:アフロ
教室や学食、トイレ、校庭や体育館、自習室などは、入学後の生活をイメージできるので、ぜひチェックしてください。
我が家の例ですが、建て替える前の早稲田中学の説明会に行ったときに、1クラスの机が多く、いい意味で男子校らしい気取らない雰囲気を感じました。また、そのときは建て替え後のCG資料を見せていただいたのですが、期待感がぐっと具体的になったことも覚えています。
早大学院中学部の説明会では、緑が多く、都内なのにどこかのどかな雰囲気を感じました。運動部がそこここで声を出していること、洗練された図書館が印象的でした。
前者は早稲田大学系属でありながら東大合格者を多数出す進学校としての側面が大きく、後者は直系の附属校として早稲田大学一貫教育の特色を感じました。
受験ガイドなどで両者の違いはよく知っていましたが、実際に空気を肌で感じると、まったく違う学校であることがわかります。それは学校の施設や雰囲気にも表れているように思いました。ぜひ校舎の隅々まで見学して、その学校のイデオロギーを感じとってみてください。
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最後に志望校の選定は、とても大切なこと。でも日々塾に通って、勉強を頑張っていると、偏差値に拘りすぎてしまったり、やみくもに難関校を目指すべきという雰囲気になりがちです。
しかし本来志望校というのは、もっと多角的に検討しながら決定するべきものだと思います。そのために、各学校を訪れて一次情報に触れることはとても有意義です。
6年生になると模試が増えて忙しくなりますので、中学受験を考えたらぜひ早いタイミングでどんどん足を運んでくださいね。
取材・文/佐野倫子