ソフトバンク有原航平が不調の原因は?二軍落ちの最多勝右腕をデータ分析
みずほPayPayドームでは4戦3敗、防御率8.10
ソフトバンクの有原航平が17日に登録抹消された。昨季の最多勝右腕は今季の開幕投手を任されたものの、ここまで8試合で2勝4敗、防御率4.50。5月16日の楽天戦も6回5失点で負け投手となり、小久保裕紀監督が断を下した。
特に本拠地みずほPayPayドームでは4戦3敗、防御率8.10と散々な内容。8勝2敗、防御率1.71と相性抜群だった昨季とは別人のような内容だ。
一体、昨季と何が違うのか。データから検証してみよう。球種別の投球割合と空振り率は下の通りとなっている。
ツーシームの割合が倍増
まず球種別の投球割合を見ると、ツーシームが昨季の11.6%から22.6%と倍近くに増えている。カットボールとチェンジアップも増加、ストレートとフォークは減少している。
昨季のストレートは全球種の中でカットボールに次いで2番目に多い18.9%だったが、今季は15.8%で4番目。カットボール、ツーシーム、チェンジアップより少ない。
空振り率はカットボールが14.2%から19.1%に上昇しているが、フォークは24.2%から19.2%に低下。空振りを取れないからフォークを減らしているのか、捕手のサイン通りなのか定かではないが、キレが落ちていたり、他球団に読まれていたり、何らかの原因はあるだろう。
ストレートのスピードやや低下
続いて球種別の球速は下の通りとなっている。
大きくは変わらないものの、ストレートは昨季の平均147.3キロ、最高155キロから今季は平均146.8キロ、最高151キロに低下。ストレートは走っていないのかもしれない。
被打率高い変化球の割合が増加、捕手のリードも問題?
最後に球種別の被打率、被本塁打は下の通りとなっている。
ストレートは走っていないと思いきや、被打率は昨季の.296から.265に改善されている。逆に投球割合が倍増しているツーシームは被打率.195、被本塁打なしから被打率.286、被本塁打2に悪化している。
さらにチェンジアップも被打率.203から.289に、カットボールも被打率.237から.314に悪化。フォーク、カーブ、スライダーも同様だ。
今季の有原は昨季に比べ、変化球のキレが悪いのではないだろうか。それにもかかわらず、ストレートの割合が減り、カットボール、ツーシーム、チェンジアップの割合が増えているということは配球に問題がある可能性も否定できない。
14勝を挙げた昨季、有原の登板した全26試合でスタメンマスクをかぶった甲斐拓也は巨人にFA移籍。今季は最初の2試合が谷川原健太、その後の6試合は海野隆司がリードしている。
首位・日本ハム追撃には有原の力が不可欠。変化球のキレを取り戻して一軍に復帰した際は、11日のオリックス戦で2打席連続本塁打を放った嶺井博希や、育成出身の7年目・渡邉陸らとバッテリーを組ませるのも一考かもしれない。
※成績は2025年5月16日終了時点
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記事:SPAIA編集部