【厳寒期でも楽しめる】陸っぱりの釣り2選 「釣れなかったら無理しない！」が重要？
日中の気温が一桁台になってくると、海釣りは相当厳しくなってくる。海水温が12℃を下回る「低水温期」はアングラーにとって、そろそろお休みの時間だ。4月下旬から5月まで、少し休憩したほうがいい。「いや、どんな寒さや渋さにも耐えて釣るんだ」という方は、次のような釣り物を狙ってみよう。
低水温期でも陸から狙える魚種
地域によって魚のストックは異なるのでこれと言い切ることはできないが、最寄りの海水温情報発信源を見て、12℃以下になっていると釣りは難しいと考えよう。冬になると魚は代謝が低くなり、体力維持のために必要な餌の量も少なくなって、少しでも暖かくて泳ぎやすい環境を求めて深場に潜ってしまう。オカッパリでは安定した釣果を上げることは、かなり厳しい。船の沖釣りでも回遊の有無に大きく左右されるので、絶対に釣れる、とは思わないほうがいい。
しかし低水温期でも活動する魚はいる。代表的な魚種が、カレイだ。
12月から2月までぎりぎり釣れる魚で、海底が砂地の、水質がよい場所につく。餌釣りが主で、餌は青イソメやマムシを使い、天秤仕掛けを遠投して、ゆっくりと餌をさびくように動かしながら待つ。この釣りをしているとカサゴもヒットしやすいので、冬の釣りの標準的なスタイルとしてもいいだろう。
ルアーフィッシングのターゲットならば、メバルとカサゴが狙える。メバルは表層の魚だが、厳冬期は底近くまで潜るので、カサゴと釣り分けようと意識せずにボトムにワームを通してやろう。活性の高いものから釣っていくほうがいいので、あえて大き目のワームでアピールさせてやったほうがいい。
穴釣りでボウズ逃れしよう
真冬の穴釣りもオツなものである。夏や秋と比べると明らかに反応は悪くなるが、冬はアイナメやクジメなどの強烈な引きの根魚が狙える。また毎度変わらずフグもイソベラも食ってくるので、何でもいいから釣ってボウズ逃れしたいなら、確実にやっておきたい釣りだ。
この時期の根魚は大型化する。さらに穴釣りは根擦れブレイクしやすい釣りなので、PEラインは最低でも0.6号、リーダーは2号以上をとりたい。フロロカーボンラインを使うなら、1.5号～2号が基準となる。
好機はやはりマヅメ
真冬の釣りは「忍耐」だ。一切アタリが出ない時間が2時間も3時間も続く。その日一日まったく反応がないこともある。そもそも安定した釣果を望んではいけない。1尾釣れただけでもラッキーなのだ。
凍える寒さの中、限られた体力と忍耐力の中で釣るなら、好機を知ってその時間帯を重点的に釣らなければならない。やはり朝夕のマヅメがチャンスだ。筆者としては、よく晴れて海水が温まっていそうな日の、夕マヅメの釣りをおすすめしたい。餌釣りがダメでも、夜の部でメバリング・カサゴゲームで挽回できる可能性があるかだ。日没から、粘っても2時間程度が目安だろう。
引き時は21時がめど
多くのアングラーが経験しているはずだが、どんな魚種の盛期にも一切反応がなくなる時間がある。潮の動きとも連動しているが、大体、22時でぷっつりと魚は食わなくなるものだ。魚影の濃い居着きのアジが終夜釣れ続けることもあるが、そんなことは奇跡に近いし、それも真冬では絶対にありえない。
筆者は22時頃になると、「そろそろ魚は就寝時間だ」と考えて、それ以上は粘らないことにしている。1時間前行動で、21時くらいに上がるのが潔い。何より、体感気温が0℃を下回り、アタリも一切出ない状況では、釣り人の心が折られる。そうなると、次に釣りに出かけるのがおっくうになる。早めに納竿して、家で温まったほうがいい。「何も釣れない、楽しくない」と釣りを嫌いにならないためにも、厳冬期の釣りは引き際を弁えて行動することが大事だ。
＜井上海生／TSURINEWSライター＞