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 JAXAミッション支援 高校生たちが観測チャレンジ

赤穂民報

JAXA惑星探査ミッションに伴う恒星食観測にチャレンジした高校生たち

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)の惑星探査ミッションを支援しようと、高校生たちによる天体観測が17日、尾崎の赤穂海浜公園オートキャンプ場であり、愛知や宮崎など県内外の4校から天文部や科学部の生徒ら約35人が来穂。恒星食の観測にチャレンジした。

 JAXAは千葉工業大学と合同で、ふたご座流星群の母天体となる小惑星「ファエトン」(フェートンとも呼ばれる)を探査機で調べるプロジェクトを推進中。関係者によれば、最新の計画では2028年にH3ロケットで探査機を打ち上げ、2年後にファエトンに最接近して小惑星を撮影するプランだという。

 より鮮明な画像を撮影するのに重要となる露出時間を割り出すには目標小惑星の大きさや形状をなるべく正確にとらえて「反射率」を割り出しておく必要がある。地球と恒星の間にファエトンが重なる恒星食のタイミングでシルエットを撮影することによって、天体の大きさや形状を明らかにするのが今回の観測目的だ。

 この日は国内で2年ぶりにファエトンによる恒星食が出現するチャンス。できるだけ多くの地点で観測してデータの精度を上げようと、東アジア地域の天体観測グループで共同代表を務める吉田二美(ふみ)・理学博士(千葉工業大学惑星探査研究センター)が全国の天文台や大学などに協力を呼び掛けた。観測できる可能性がある三重から島根にかけて幅5キロメートルほどの帯状の範囲に赤穂市が含まれ、視界が広がる平地で比較的交通アクセスが良いことから、吉田氏の観測チームをはじめ少なくとも8つのグループが赤穂市内での観測を計画したという。

 高校生たちもその一つで、あいにくの雨の中、前日に拠点とするキャンプ場に集合。天気の好転を期待しながら反射望遠鏡やカメラ、データを保存するパソコンなどを準備した。夜には雨が上がり、晴れ間から月や木星が見えて期待が高まったが、恒星食が起きたであろう17日午前4時前には厚い雲が空を覆い、残念ながら狙った画像を撮影することは叶わなかった。

 生徒たちは今年7月からオンラインで情報共有したり、各校で観測練習をして本番に備えてきたという。今後も1、2年に一度はファエトンによる恒星食を国内で観測できる機会があるといい、小野高校天文部2年の五百蔵啓(いおろい・けい)さん(17)は「またチャンスがあれば挑戦したい」と前向き。天文系の職業に憧れるという宮崎北高校の科学部2年の一政志道(いちまさ・しどう)さん(16)は「高校生でもプロジェクトに参加でき、やりがいを感じた」とより興味を深めた様子だった。

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