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絵師の「二代目」に焦点 浮世絵館で企画展

タウンニュース

二代歌川国貞『東海道 戸塚』(浮世絵館提供)

辻堂神台の藤澤浮世絵館で9月14日(土)から企画展「二代目集合襲名絵師たちの物語二代歌麿・二代豊国・二代広重・二代国貞」が開催される。11月4日(月)まで。

今回は江戸時代を代表する浮世絵師4人の名前を継いだ「二代目」の絵師たちの作品や人生を、初代との関わりや対比などを行いながら紹介する展示となっている。

東海道コーナーでは、二代目歌川広重が紹介される。世界的に知られる絵師・初代広重の弟子として影響を強く受けた『東海道五拾三駅』シリーズなどを、初代の風景画と並べて展示する。担当した同館学芸員の中川淑子さんは、「富士山や人物の配置など、構図がとても似ている点が見どころ」と語る。

江の島コーナーでは、二代目喜多川歌麿の作品を展示。江の島の風景や人物を描いたもののほか、他の初代歌麿門下の絵師たち歌政や月麿などの作品が紹介されている。企画展コーナーでは、二代広重の『江戸名所四十八景』や、二代歌川国貞が、京都へ向かう江戸幕府十四代将軍・徳川家茂を非公認で描いたシリーズなどが並ぶ。

藤沢宿コーナーでは二代歌川豊国を紹介する。美人画や役者絵で知られた初代豊国に養子入りし、跡を継いだ。展示では『名所八景』などの風景画が楽しめる。

中川さんは「『二代豊国』を称した絵師は2人いた」と説明する。もう一人の二代豊国とは、初代の弟子で幕末に妖怪絵などで人気を博した初代歌川国貞。前の二代がいなくなった後、国貞が二代豊国を名乗ったのだという。「絵師の人間関係もパネル等で解説され、より楽しめる企画となっている」とした上で「二代目たちが受け継いだ技術や名声を体感してほしい」と来場を呼び掛けた。

午前10時から午後7時。月曜休館(祝日・振替休日の場合は翌平日)。学芸員による解説は21日(土)と10月13日(日)に開催。参加無料。定員各30人(当日先着順)。

また、國學院大學文学部の藤澤紫教授による講演会「われら二代目!―浮世絵を支えた次世代の絵師たち―」も10月19日(土)午後2時から明治公民館で開催。定員80人先着順。受付開始9月21日(土)午前10時から。参加無料。(問)同館【電話】0466・33・0111。

二代喜多川歌麿『題名不詳(江の島弁財天開帳)』(同)

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