空族最新作『潜行一千里 ILHA FORMOSA』が2026年公開に!
『サウダーヂ』(2011)、『バンコクナイツ』(2016)など、常に独自の表現と実地取材で映画界の“裏街道”を走り続けてきた映像制作集団・空族。
彼らが2026年に撮影を予定している新作映画のリサーチ過程を記録したドキュメンタリー『潜行一千里 ILHA FORMOSA』がついに公開されます。
本作は、「映画は土地と人との対話から生まれる」という空族の信念を体現したリサーチ映画であり、舞台は“麗しの島”台湾。2020年以降、パンデミックの只中でも何度も台湾を訪れ、山を越え、村を歩き、人と出会い、言葉を聴いた――。
『FRUSATO 2009』『映画 潜行一千里』に続く、“制作過程のドキュメント”としての最新作です。
空族最新作『潜行一千里 ILHA FORMOSA』作品概要
本作『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は、空族の新作映画(タイトル未発表)へと繋がる壮大なリサーチ記録です。
監督を務めるのは、富田克也。『サウダーヂ』以来、土地・移民・言葉・労働・音楽といったテーマを一貫して描いてきた富田監督が、今回は台湾という多層的な文化圏に潜り込み、カメラを通して“語られる声”を聴き取ります。
このたび公開された予告編では、台湾各地での取材・交流の一端が映し出されています。前半では、きらびやかな衣装に身を包んだ男女が、三日三晩踊り続けるアミ族の豊年祭に向けて準備を進める姿を追います。
映像からは、儀式や舞踊の背後にある“土地の記憶”と“生き続ける祈り”が鮮やかに伝わってきます。後半では、監督の富田がセデック族の人々にインタビューを行い、「子どもたちがセデック語を話さなくなったことをどう思うか」と問いかける場面が登場。
そこから浮かび上がるのは、植民地支配の歴史の中で混ざり合い、変容し、そして失われつつある文化と言葉の実相です。
インタビューには、原住民の血を引く若いミュージシャンも登場。彼らは民族の言葉を使いラップし、自身のルーツを現代の音楽に昇華させています。“音楽と言葉が抵抗であり、祈りである”――そんな力強いメッセージが画面から響きます。
予告編のラストを飾るのは、パイワン族とアミ族のハーフであり、Instagram上でのみ活動を続けるミュージシャンラナウによるラップパフォーマンス。
島の記憶を刻むようなリズムと、未来へ向けた詩のような言葉が映像とともに響き渡ります。さらに本編では、台湾のグラミー賞とも称される金曲賞を2020年に受賞した人気歌手アバオ(Abao/阿爆)が出演。台湾原住民の音楽と文化を世界に発信してきたアバオの存在が、作品にさらなる深みを与えます。
監督は『サウダーヂ』の富田克也
『サウダーヂ』『バンコクナイツ』などで知られる空族の中心人物。現地での長期滞在リサーチを通して土地と人の関係を記録する映画作家。
映画『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は2026年公開
映画『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は、知っているようで知らない“台湾”の今を、空族ならではの眼差しで記録するリサーチドキュメンタリーです。
失われゆく言葉と、語り続けようとする人々。土地と文化、そして音楽が織りなす“生きた記憶”の記録が、スクリーンに刻まれます。
“歩くこと、聴くこと、語ること”――。空族が再び潜行の旅へと出る。映画『潜行一千里 ILHA FORMOSA』は、2026年全国公開予定。