紅葉の季節に訪れたい!西宮の『甲山大師 神呪寺』で絶景と出会うひととき 西宮市
西宮市のシンボル的な存在『甲山(かぶとやま)』の中腹に位置する『甲山大師 神呪寺(かぶとやまだいし かんのうじ)』では、紅葉とともに西宮市街や大阪方面までを望む絶景が広がると聞き、訪れてみました。
訪問したのは11月上旬。紅葉の見ごろにはやや早い印象でしたが、平日にもかかわらず境内には多くの参拝者の姿があり、静かな時間を楽しむ雰囲気が漂っていました。これから紅葉シーズン本番を迎えると混雑も予想されますが、甲山のなだらかなフォルムを背景に石段を登る途中から、すでに力強いエネルギーが感じられました。
境内の中心にある本堂へは、約100段の石段を登って向かいます。眼下には市街地が広がり、登るほどに視界が開けていく感覚が心地よく、体を動かしながら自然の気配を五感で感じられるのが魅力です。
階段の脇にひっそりと佇む池があり、紅葉が水面に映り込む様子がとても印象的でした。この池は、夏になると蓮の花が咲くことでも有名で、季節ごとの表情を楽しみに参拝される方も多いようです。
さりげない場所ながら、写真を撮る方の姿も見られ、ちょっとした撮影スポットにもなっていました。
階段を登りきった正面に現れるのが、堂々とした佇まいの「大師堂」。甲山大師 神呪寺の中心となるお堂で、参拝者がまず手を合わせる場所でもあります。甲山を背景に建つその姿は、自然と調和しながらも力強さを感じさせます。
大師堂の中には、弘法大師(こうぼうだいし)の像が安置されています。地域では「甲山大師(かぶとやまだいし)」として親しまれ、長く信仰を集めてきました。像は平安時代に造られたと伝えられており、国の重要文化財にも指定されています。
本堂から少し奥に進むと、展望スペースがあります。ここからの眺めがすばらしいことで有名です!
画像では伝えにくいですが、壮大なパノラマビューに包まれるこの場所では、紅葉と街並みのコントラストが見事で、大阪を一望し、あべのハルカスや南港のビル群まで見渡せます。
深呼吸をするだけでも心が軽くなったように感じ、静けさの中に絶景が広がる、まさに“穴場”と呼びたい場所です。
絶景を見た後、振り返ると、ちょうど雲の切れ間から太陽の光が差し込み、鐘の背後からまばゆい光が注がれていました。その瞬間、自然と光が折り重なり合うような情景が生まれ、言葉にしがたい「パワー」を感じました。
境内には清潔なトイレが整備されていて、女性や年配の方でも安心して参拝ができる環境が整っています。細やかな配慮が随所に感じられ、訪れる人への思いやりを感じました。
『神呪寺(かんのうじ)』という名前に、少し驚いた方もいるかもしれません。「神の呪(まじない)」と書いて「かんのうじ」と読むこのお寺の名前には、“神さまの言葉”や“仏さまの真言(しんごん)”をあらわす意味があるといわれています。
長い年月の中で「じんしゅ」から現在の読み方に変わったとも伝えられ、名前には“祈り”や“守りたい気持ち”が込められているようにも感じられます。
紅葉に彩られる秋の境内で、自然と歴史、そして静けさに包まれる『甲山大師 神呪寺』。心が整えられ、穏やかなひとときを過ごせる、そんな場所でした。
場所
甲山大師 神呪寺
(西宮市甲山町25-1)
駐車場
あり(無料)