【小田原市】栢山第一公園 子ども目線でルール策定 桜井小、城北中生が考案
栢山第一公園(小田原市栢山)で遊ぶ際のルールや標語を、近隣の桜井小学校と城北中学校の児童・生徒が考案して公園内に掲示した。マナーや美観維持に対する意識を高めようと、公園の利用者側である子どもたちが自らルールを策定するケースは珍しい。取り組みの背景には、地域に愛される公園づくりを願う自治会長の思いがある。
同公園の約束事を子どもたちに考えてもらおうと思い立ったのは、東栢山道上自治会の宮内宏人会長(70)。自治会では月に1度の清掃活動を行うなど公園の管理に努めているが、自転車が雑然と置かれていたり、植栽の中にごみが捨てられていたりするのを目にすることも多かった。園児が散歩で公園に立ち寄ることも多い中、利用者のマナー向上について考えを巡らせていたという。
今年に入ると、近隣住民からの要望を受けて市が「ボール遊び禁止」を呼び掛ける看板を設置。宮内会長は「大人側がルールを押し付けるのではなく、子ども達が自らルールを作ってみたらどうか」と思い立ち、桜井小・城北中に協力を呼び掛けたという。
提案を受けた桜井小では、5年生が中心となって公園で遊ぶ際に注意すべき事柄について話し合った。「自転車はきちんと並べて置こう」「ボール遊びは公園の外に出さない工夫をしよう」「遊具はゆずり合って気持ちよく使おう」など、9項目のルールが決まり、朝会で全校児童が公園を利用する際に守ることを約束したという。
城北中はポイ捨てや大声で騒ぐ、車道に飛び出すといった公園利用時の問題点を踏まえ、全校生徒から標語を募集。400以上の作品が集まり、「『ポイ捨てしちゃえ』そんな心を『ポイ』しちゃえ」「危ないよまわりをよく見て遊ぼうね」など5作品を選んだ。
ルールと標語は公園内に掲示されている。子どもたちが自ら公園での決まり事を考えたことを尊重し、ボール遊び禁止の看板は市に掛け合い撤去したという。
宮内会長は「子どもたちが自分なりに正しく安全な公園の利用方法を考えてくれてうれしい」といい、「ルールは作って終わりではなく、守ることが大切。検証をしながら見直しを進め、より良い公園を地域全体で作っていきたい」と期待を寄せた。