犬が『飼い主の帰宅』に敏感なのはなぜ?4つの理由と飼い主の帰宅を察知している方法とは
留守中の犬の過ごし方
単頭飼育の場合、留守中の犬は暇を持て余して寝ていることが多いようです。室内で自由に過ごせる場合は家の中を探索している時間もありますが、よほどの大邸宅ではない限り、どうしても退屈してしまうようです。
またひとりぼっちで過ごす寂しさや、大好きな飼い主さんが帰ってくるかどうかが心配で、不安な気持ちになる子もいるでしょう。いずれにしろ多くの犬たちは、飼い主さんの帰宅を待ち侘びていたように出迎えて歓迎してくれます。
今回は留守番の寂しさや不安、退屈さに耐えた犬たちが、飼い主さんの帰宅に敏感になり積極的に出迎えてくれる心理や、玄関を開ける前から飼い主さんの帰宅を察知できる能力についてご紹介します。
犬が飼い主の帰宅に敏感な理由
1.寂しさや心細さから解放されて安心したい
嬉しそうに、また時には興奮気味に出迎えてくれる愛犬を見て、私たちは「寂しかったんだね」とか「心細かったんだね」と思います。
確かに群れで生活する習性の犬にとって、ひとりでいるのは寂しく不安な時間でしょう。また縄張り内に不審者が侵入してこないようにと、警戒心も働くでしょう。
たとえ寝て過ごしていたとしても、犬にとって留守番中は緊張感を解けないストレスフルな時間のはずです。信頼する飼い主さんに早く帰ってきてもらい、安心してリラックスしながら過ごしたいと思っても、不思議なことではありません。
2.ご飯をもらいたい
帰宅して身支度を整えたら、まず愛犬にご飯を出すというのが習慣化されている飼い主さんが多いのではないでしょうか。その場合、飼い主さんの帰宅は「ご飯がもらえる」という意味を持っています。
もちろん大好きな飼い主さんの帰宅が嬉しいこともあるでしょうが、何よりも「ご飯が食べられる!」と期待に胸を膨らませ、飼い主さんの帰宅を待ち望んでいる犬も多いに違いありません。
3.散歩に行きたい
帰宅したらまず愛犬と一緒に散歩をし、その後に食事をあげるのが習慣の方もおられるでしょう。その場合も、「お散歩に行きたい!」と期待に胸を膨らませて飼い主さんの帰宅を待ち望んでいる犬も多いことでしょう。
4.退屈な時間から解放されたい
留守番の時間が長くなればなるほど、愛犬にとっては退屈な時間が続きます。しかし飼い主さんが帰宅すれば退屈な時間が終わり、遊んだりご飯をもらったりと楽しいことがたくさん起こるはずです。それを期待して飼い主さんの帰宅を待ち侘びている犬も、多いことでしょう。
犬が飼い主の帰宅を察知する方法
犬が家に居ながら帰宅する飼い主さんの気配を察知できるのは、優れた聴覚によると考えられています。犬は、人に聞き取れないほどの高音域の音や小さな音も聞き取れるからです。では、犬は一体なんの音で飼い主さんだと判断しているのでしょうか。
1.足音
同じように歩いているように見えて、実は人によって歩き方には癖があります。足の運び方、速度、左右のバランスなどの違いは、そのまま足音に現れます。犬はその違いを聞き分け、飼い主さんの足音に反応して玄関まで出迎えにくるのだと考えられています。
マンションなどの集合住宅に住んでいる場合、廊下を歩く飼い主さんの足音は、愛犬にとってとても重要な情報源になっていることでしょう。
2.エンジン音や自転車を止める音
車やバイク、自転車などの乗り物を利用している場合は、エンジン音や自転車を止める音などが鍵になっているかもしれません。
エンジン音は、車種や運転の癖などによって異なります。また自転車を止めてスタンドで固定する際にも、特有の音や飼い主さんの癖が反映されます。
ご自宅の駐車場でいつものエンジン音やスタンドを立てる音を耳にして、飼い主さんの帰宅を察知している可能性はとても高いと考えられます。
3.身につけている物が出す音
飼い主さんによっては、いつもベルトから鍵束をぶら下げている、たくさんのアクセサリーを身につけているといった習慣があり、その音を聞き分けている可能性があります。
その場合は、家の中から飼い主さんのアクセサリーが擦れ合う音などを聞きつけて、帰宅を察知しているのかもしれません。
4.鍵を開ける音
玄関に鍵を刺し、解錠できるのは飼い主さんだけです。エンジン音や足音、アクセサリー類などが発する音の最後に鍵を差し込んで解錠する音が聞こえたら、それは飼い主さんが帰宅したという合図です。
中には、玄関の近くでウトウトしながら留守番をし、鍵を開ける音で目を覚まして飼い主さんを出迎えるという犬もいるかもしれません。
まとめ
愛犬が飼い主さんを歓迎してくれる理由の中には、飼い主さんが帰ってきたことに対する喜びの他に、ご飯をもらえる、散歩に行ける、退屈な時間から解放されるといった、ちょっと現実的な理由もあることが分かりました。
しかしよく考えてみると、「ご飯」「散歩」といった現実的な理由で喜んでいる犬の方が、幸せなのかもしれません。
なぜならそういう犬は、飼い主さんの留守中に「帰ってこないかも!」などと不安にならないほど飼い主さんを信頼しているとか、夢中になれるひとり遊びがあるということだからです。
私たち飼い主が目指すべきは、愛犬を不安にさせず、ひとり遊びに夢中になれるような留守番環境を整えることなのかもしれません。