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割り勘は「男女平等でしょ」33歳男の主張に違和感。“ケチ”と“平等”の違いはどこにある?

コクハク

「男女平等でしょ?」(写真:iStock)

“男女平等”を盾に、愛情まで割り勘にする人がいる。カナ(仮名・29歳)がその男と出会ったのは、会社の同僚に誘われたBBQイベントだった。

 数十人規模の野外交流会で、グループに分かれて肉を焼きながら他愛ない会話をする。そこで同じテーブルになったのが、トモヤ(仮名・33歳・IT系営業職)だった。今回は“割り勘”にまつわる男女のエピソードをお送りする。

1円単位の「きっちり割り勘」に違和感

スマホの電卓で、即計算(写真:iStock)

 清潔感のある服装に爽やかな笑顔。人当たりもよく、話も面白い。第一印象は悪くなかった。LINEを交換し、翌週末には二人で食事に行くことになった。

 1回目のデートは駅近の居酒屋。カナがビール2杯、トモヤがハイボール3杯と料理を数品頼んだ。会計時、彼がサッと伝票を取ったかと思えば、スマホの電卓を叩き始めた。

「カナちゃん、2,843円ね」

 ——1円単位? と心の中でつぶやく。端数くらい切ってくれるかと思ったが、当然のように割り勘額を提示され、しかも小銭までピッタリ支払うことを求められた。

 初対面のデートで「きっちり割り勘」自体は珍しくないが、その正確さに小さな違和感が残った。

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平等ではなく損したくないだけでは?

「男女平等でしょ?」(写真:iStock)

 2回目のデートも同じだった。カフェでケーキとコーヒーを頼み、合計2,060円。すると彼はすぐさま「1,030円ちょうだい」と言う。笑いながら「細かいですね」と返すと、「男女平等でしょ?」と真顔で返された。

 3回目、4回目と会うたびに割り勘の精度は落ちるどころか上がっていった。

 お通し代や席料も、飲んでいないアルコールの分も、完全に個別計算。少しでも多く払っていると「そこは訂正するね」と即時修正。

「これが彼の信念なのかも」と最初は思っていたが、だんだん“平等”というより“損したくない”が透けて見えるようになった。

記念日サプライズはコンビニのプリン

おいしいけれども…(写真:iStock)

 その決定打は、付き合って3カ月目の記念日だった。彼が「今日は特別だから」と言うので、ちょっといいレストランを想像していたカナ。待ち合わせ場所に現れたトモヤの手には、コンビニの袋がひとつ。

 中には200円台のプリンが2つ入っていた。

「記念日だからスイーツ買ってきた。コンビニスイーツ、最近すごくクオリティ高いんだよ」

 ……いや、たしかにコンビニスイーツはおいしい。でも、これは“特別な日”のサプライズなのか?

 しかも食べ終わったあと、「プリン代は1個分で210円ね」と言われ、カナはとうとう笑えなくなった。

男女平等は大事だけれど

愛情や気持ちも割り勘?(写真:iStock)

 後日、友人にこの話をすると、「それは節約じゃなくてケチだよ」と即答された。

 男女平等を掲げるのは悪くない。けれど、それを“愛情や気持ちまで割り勘にする理由”にしてしまったら、関係は冷めていく一方だ。

 カナは少し考えた末、彼と距離を置くことにした。別れ際、トモヤは「今の若い子って、奢ってもらって当然って思ってるよね」と言った。

 違う。奢られるかどうかじゃない。大事なのは“自分のために相手がどう気持ちを込めてくれるか”だ。

奢られることより嬉しいこと

レシートには表れない(写真:iStock)

 恋愛はレシートの数字じゃ測れない。記念日のプリンが悪いわけじゃない。けれど、そこに「今日は俺が出すよ」の一言があれば、甘さは何倍にもなったはずなのだ。

 それからしばらくして、別の男性と食事に行ったときのこと。

 彼はごく自然に会計を済ませ、「次はお願いね」と笑った。奢られることが嬉しいというより、その一言に“信頼”や“好意”が込められているのを感じて、胸の奥が温かくなった。

 思えばトモヤとのデートでは、食事も会話もどこか数字に縛られていた。相手を思う気持ちまでレシートの内訳のように計算されていたのかもしれない。

 カナはそのとき初めて、“平等”と“ケチ”はまったく別物だと実感したのだった。

(おがわん/ライター)

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