聞く人の心に響く演奏を届ける 大分商業高校吹奏楽部 【大分県】
昨年の第51回マーチングバンド全国大会九州予選では、過去最高の2位となり、4年連続で全国大会に出場した大分商業高校吹奏楽部。人気アニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」をモチーフにアレンジした演奏を堂々と披露した。顧問の上野浩一教諭は「全国大会では金賞には届かなかったが、全員が一つになり頑張ってくれた。自分たちが演奏を楽しむ気持ちを存分に発揮できた」と話す。全国から選ばれた者だけが立てる舞台で、自分たちの音楽を届けられたことが、さらなる成長につながったという。
今年の3年生は22人。例年よりも少ない人数ではあるが、まとまりのある演奏と強いチームワークを築けている。部長の中村実結(3年)は「学年ごとにカラーは違うが、全体として明るくエネルギッシュ。大会はもちろん、地域のイベントでも演奏する機会が多い。どんな時も自分たちらしい音を届けていきたい」と話す。昨年の大分県吹奏楽コンクールでは銀賞となり悔しさが残った分だけ、今年にかける思いは強い。「毎年金賞だったのでとても悔しかった。副部長たちと共に部を引っ張りながら、今年は金賞を目指したい」と意気込む。
毎日の練習を、「全員で楽しみ、自分たちの成長を感じられるように」しようと心がけている上野教諭は、今年が教諭として指揮を執る最後の年となる。「自分たちのやるべき事を明確にしないと意味がない。何のための、誰のための演奏なのか、音楽を届けたい人を第一に考えることが大切。生徒たちと一緒に笑顔で終われる一年にしたい」と集大成への思いを語った。
大分商業吹奏楽部の音楽は、聞いてくれる人の心に届いて初めて完成する。今年もまた心を一つに、自分たちの目標に向かって挑み続ける。
(塩月なつみ)