津波被害の完全復興願い 上越市のなおえつ海水浴場で初の花火大会
能登半島地震による津波で海の家が流されるなど甚大な被害を受けた新潟県上越市のなおえつ海水浴場で2024年9月1日、震災復興祈願の花火大会が開かれた。懸命な復旧作業で今シーズンの営業にこぎつけた海の家や砂浜に地元住民ら大勢が集まり、日本海に打ち上がる約180発の花火を見上げた。
《画像:砂浜に多くの人が集まる中、海に打ち上げられた花火》
なおえつ海水浴場では今シーズン、津波被害を受けた海の家全7軒のうち5軒が営業を行い、県内外から多くの人が訪れた。花火大会は、海水浴場の復旧をアピールするとともに、来年は全店舗が営業する完全復旧を願い、県の補助金を活用して初めて行われた。
この日は海の家3軒が営業したほか、キッチンカー9台が出店。台風の影響で一時開催が危ぶまれたものの、地元住民を中心に家族連れや学生ら多くの人でにぎわった。花火は午後7時半から打ち上げを開始。海面の近くや空高くに多彩な種類が花開き、連続で打ち上がるスターマインでフィナーレを飾った。
《画像:多彩な花火が約30分間にわたり打ち上がった》
直江津地区に住む高校2年の女子生徒3人組は「予想以上にすごくて奇麗だった。直江津の海は地元すぎて来ることがないので、浜辺で見るのも新鮮でよかった」と話していた。
同海水浴場の海の家が加盟するなおえつ浜茶屋組合の桑原尚二組合長(59)は「普段は県外客が多いが、今日は地元の人がたくさん来てくれて、海水浴場の復旧を伝えられた。今年は津波から始まり、台風で終わるかもしれないところだったが、なんとか良い締めくくりができてよかった。来年もやっていきたい」と話していた。