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40年続く刈和野地域限定のソウルフード「だいせんバーガー」とは?多くの人に愛される秘訣と魅力に迫る!!田村商店【秋田県大仙市】

ローカリティ!

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読者の皆さんは秋田県大仙市刈和野にある田村商店にて販売されている「だいせんバーガー」をご存じだろうか?筆者が子供の頃から大好きな食べ物の一つで、今年でちょうど発売から40年目を迎える地元のソウルフードである。今回はそんなだいせんバーガーの魅力に迫ってみた!!

もともとはクレープ屋さんをやる予定だった

田村商店の歴史は古く、大正元年に創業した酒屋だが、1985年からファーストフード店としても営業しており、現在の社長である田村浩祥さんは4代目に当たる。当時、東京の原宿では「ホコ天」と呼ばれた歩行者天国が話題になっていて、人気だった原宿名物のクレープにあやかって3代目の社長がクレープ屋さんを始める予定だった。しかし「刈和野には歩行者天国がない」という理由でボツになり、代わりにファーストフード店を併設したのが現在の田村商店の始まりである。

当初はだいせんバーガーの他にアメリカンドッグやラーメン、フライドポテトも販売していたが、人口減少やコロナ禍によってフライドポテトやラーメン等はストップし、今はだいせんバーガーとたい焼き(冬季限定)、シェイクとソフトクリーム(夏季限定)をテイクアウトで販売している。

代表取締役の田村浩祥さん

また使用している包装紙も当初は銀紙(アルミホイル)だったが、製造が中止されてしまったのをきっかけに電子レンジで温められるように紙のものに変更されている。

大手との差別化を図るために「刻みキャベツ」を当初から使用

だいせんバーガー最大の特徴は創業当時から「刻みキャベツ」を使用している事である。刻みキャベツが水分の受け皿になっているおかげでハンバーガーが水分を含んで湿らず、おいしさを保つ事ができるのである。今ではマクドナルドやモスバーガーといった大手が当たり前に刻みキャベツを使用しているが、1985年当時はどの企業も刻みキャベツを用いていなかった。田村商店は単なる差別化だけでなく「先見の明」があったといえる。

だいせんバーガー

「バンズ」製造中止の危機を乗り越え、今に至る

だいせんバーガーに使用しているバンズ(ハンバーガーの肉や野菜を挟むパンの総称で、底に敷く方を「ヒール」、上に乗せる方を「クラウン」という。)は秋田県秋田市に本社を置く「株式会社たけや製パン」から提供されているが、そのバンズが一度製造が中止になりかけた事があった。それを阻止するべく、田村商店でなんとか製造を続けてほしいと幾度となく掛け合った結果、田村商店用にバンズの製造が継続されることになった。バンズは岩手県の盛岡工場から直接田村商店に運んできてもらっているそうだ。

だいせんバーガーはこうして作られる

さらに今回は、ネット記事での取材は初めてなので特別にだいせんバーガー製造の瞬間に立ち会う事ができた。

①まず鉄板の上で電子レンジで解凍したハンバーグとバンズを熱する。

②ある程度熱した後にクラウンを逆向きにし、刻みキャベツとピクルス、ケチャップ等をトッピングしていく。

③その上に逆向きにしたヒールをかぶせ、包装紙で包む。

④「直射日光、高温多湿を避けお早目にお召し上がり下さい」と書かれたシールを貼り、完成。

本来ならこれをそのまま販売するところが、なんとできあがっただいせんバーガーの見本を筆者にプレゼントしてくださったのである。まさかのサプライズではあるが、田村商店の皆さんのご厚意に感謝して、取材した当日のランチとしてありがたくいただいた。ハンバーグはもちろん、刻みキャベツとピクルスが良いアクセントとなりとてもおいしく、そしてどこか懐かしい味わいだった。これからもだいせんバーガーを続けてほしいと思ったのと、昔からのファンとして支えていきたいとも感じた。

地元「西仙北」の名を冠したブランドで地域おこしをしたい

また田村さんは店舗がある西仙北地域には秋田県の他の地域のようにブランド品が少なく、人口減少による過疎化に伴って長続きするものがなかなかない現状を憂いていると語った。その現状を打破するにはインバウンド向けに何らかのブランド品を開発するのも一つの手だとも考えている。

秋田空港の運営会社とも業務提携している田村商店は、観光促進のイベントで大阪や東京へ行った際にみそを使った実演販売を外国人向けに行ったことがあり、その時は焼きおにぎりに使ったみそが売れたそうだ。外国人には濃い味が好まれ、みそを焼いていると自然と外国人がみその香りにひかれて集まってきたそうだ。外国人が好みそうなものをブランド品にしていけば地域活性化にもつながる可能性があると田村さんは話してくれた。果たして地元のソウルフードであるだいせんバーガーは外国人の方々にはどんな印象を受けるのだろうか?色々な意味で興味がわいてくる。

こぼれ話:40年鎮座するカエル様

田村商店にはだいせんバーガーだけでなく、創業以来店の外に鎮座する「カエル様」の像がある。これはもともと埼玉の採石場にあった大谷石を知り合いの土木業者から譲り受けたものをそのまま秋田に運び、カエルの像にしたものである。大谷石は栃木県や埼玉県などの北関東で発掘され、石塀や旧帝国ホテルにも使用された上質な石である。

田村商店のシンボルであるカエル様の像

田村さんの父である3代目社長が「商売がひっくり返らない」や「お客様が無事に帰る」という願いを込めて作ったものであり、像には毎日水やりが施されている。だいせんバーガーもさることながら立派なカエル様の像が存在するのも田村商店の魅力の一つであろう。

※写真は全て筆者撮影

情報

田村商店

住所:秋田県大仙市北野目字北野目153
TEL:0187-75-1161
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日(だいせんバーガーを販売するキッチンインコーナーのみ。店自体は営業する

亀田健太

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