高田城址公園観桜会に“動くごみ箱”登場 手作り「モバイル屋台」活用の実証実験
新潟県上越市の若手店主らによる、手作りの「モバイル屋台」を使ってまちの活性化を目指す実証実験が2025年4月、始まった。物販や展示などさまざまな用途で活用でき、イベントへの参加や貸し出しでにぎわいにつなげたい考えで、観桜会開催中の高田城址公園では“動くごみ箱”としてごみ回収を行い、活動をピーアールしている。
《画像:手作りのモバイル屋台と発案者の堀田さん(右)ら》
使い方の規定がなく、タイヤ付きで移動も簡単なモバイル屋台を使った取り組みは、同市東本町2の「たてよこ書店」店主の堀田滉樹さん(24)が発案。リヤカーを屋台代わりに、東京で過ごした学生時代は公園へ、同店を開いてからは同市の朝市へ本を持ち出し、販売や読書の機会の提供をしてきた中で、その手軽さや自然と生まれる人との交流に目を付けた。
まちのにぎわいに生かせないかと考え、同市出身の建築学生らと5人で実証実験に取り組む団体「Liquid Architecture Lab」を今年設立した。モバイル屋台8台を用意し、イベントや朝市へ自ら参加するほか、貸し出しもしながらニーズなどを探る。
《画像:市内の建築家や家具職人が製作》
製作したのは市内の建築家や家具職人、団体メンバーの学生など。いずれもボックス型で、上に天板が付けられる仕様になっている。古材を組み合わせた特徴的なデザインや、子どもが座れるベンチを備え、タイヤが回るのに合わせて装飾が動く仕掛けを施した遊び心あふれるものなど、それぞれの個性が光る。
《画像:古材を組み合わせるなど独特なデザインがそろう》
飲食や雑貨の販売、アート作品の展示、イベントの受け付け、パンフレットなどを置くピーアールブースのほか、DJやボードゲームをするテーブルなど、さまざまな活用を想定している。
観桜会では動くごみ箱に見立てて会場内を練り歩き、ごみを回収しながらモバイル屋台をアピールしている。来場者からは「いい発想だね」「見た目がかわいい」などの声が上がり、一緒に屋台を押す人もいた。
《画像:観桜会会場を練り歩いてごみを回収し、屋台をピーアール(5日午前)》
堀田さんは「参画のしやすさが抜群。柔軟性のあるコンパクトな屋台で出店などのハードルを下げたい。使い方はその人の発想次第なので、ぜひ一緒に考えてほしい」と話している。