麻生区区民アンケート 初の実施結果を公表 ニーズ捉え 区政に生かす
麻生区は1月21日、区政運営や地域課題解決に向けた取り組みの参考にしようと昨年初めて実施した「麻生区区民アンケート」の結果を公表した。結果を踏まえ、来年度に改定作業を進める川崎市の次期総合計画に反映するなど区政に生かす。
コロナ禍を経て区民のニーズを的確に捉えようと、昨年初めてアンケート調査を実施した。区役所内の部署を越え、質問内容を検討する場を昨年度から設け、どのような質問をするか話し合いをしてきたという。
項目は9項目=表参照=に分けて約50の質問に選択式で答えてもらう形式。最後に、自由意見を記載するスペースも設けた。調査は、住民基本台帳に基づき無作為に抽出した区在住の満18歳以上の外国人含む男女2千人に調査票を郵送・回収する形で実施。1138の回答があり、有効回収率は56・9%だった。区の担当者は「初の調査だったが、他区に比べても、高い回収率だった。真摯に回答をもらうことができた」と振り返る。
「住みやすい」8割
麻生区の住みやすさに関しては、「とても住みやすい」(26・4%)と「住みやすい」(58%)で8割を超えた。「住みにくい」は2%、「とても住みにくい」は0・3%で、合わせて2・3%という調査結果になった。
麻生区が約10年後にどのようなまちになってほしいかを聞いた質問(複数回答)では「防犯、交通安全など安全・安心なまち」(41・9%)が最も多く、「地震や大雨などの災害に強いまち」(39・5%)、「バスや電車など交通の便がよいまち」(32・8%)と続いた。
地域活動促進へ
地域活動の参加頻度では「参加したことがない」が52%で過半数を超え、「1年に1回程度かほとんど参加していない」(22・8%)と合わせると、全体の4分の3を占めた。担当者は「地域活動に参加したことがない人が多いことが分かった。区としてもつながりづくりを推進していき、さらに、住みやすい、住み続けたいまちにしていきたい」と話す。
災害への備え、啓発
災害に備え、家庭内で備蓄しているものについて聞くと(複数回答)、「日用品」(56・2%)、「トイレットペーパー・ティッシュペーパー」(53・1%)、「3日分以上の飲料水」(51・8%)が過半数を超えた。一方、「特に何もしていない」(15・3%)という回答も1割超あった。「災害は、いつ起こるか分からない。自分事として、備えをしてもらえるように、啓発活動を行っていきたい」と担当者は述べた。
新百合ヶ丘駅周辺
新百合ヶ丘駅周辺のまちづくりで重点的に取り組んでほしいこと(複数回答)は、「自動車渋滞の改善に向けた道路交通環境の整備」が42・4%と最も多かった。「歩きやすい・歩いて楽しい歩行空間の整備」(31・2%)、「商業施設等の充実」(30・1%)も3割を超えた。同駅周辺の公共施設で重点的に取り組んでほしいこと(複数回答)では「駐車場待ち等による交通渋滞の解消」(41・6%)が最も多く、「施設内に気軽に交流・休憩ができるスペースの設置」(39・5%)が続いた。自由意見は480人が回答。内訳では「公園・緑地・河川・道路の整備等」が179件と最も多かった。
調査は今後も隔年で実施していく予定。担当者は「質問の項目は改めて検討するが、同じ質問項目では初回調査と比較して数値が改善するよう、成果指標としても活用していきたい」と話す。
結果は麻生区サイトで閲覧可。(問)区企画課【電話】044・965・5112