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「特別支援教室は卒業かも」と思っていた矢先…小1次男、面談で知った通常学級での困りごと

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「特別支援教室は卒業かも」と思っていた矢先…小1次男、面談で知った通常学級での困りごと

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

希望制だった面談を申し込まなかったら、学校から電話が!

1年生の4月から特別支援教室に登室している次男ふー。毎週楽しく通っています。
音読の宿題を嫌がった時期もありましたが、担任の先生と特別支援教室の先生が連携してくださり、柔軟に対応いただいています。

9月の参観日でふーが楽しそうに活動しているところを見た私は、安心していました。もともと、ふーのことを「大人しくて穏やか」だとあまり心配していなかった私。トラブルもないだろうと思い、希望制だった特別支援教室の先生との面談を申し込みませんでした。もしかしたら、特別支援教室も1年生で卒室になるかもしれない、なんて考えることもあったくらいでした。
ですがある日、特別支援教室の先生から電話がきたのです。先生は「ぜひ面談をしてほしい」とのこと。これは直接話をしないといけないことがあるということだ……と分かりました。何があったんだろう、先生が何をおっしゃるんだろうと不安になりつつも、何を言われても大丈夫!と覚悟を決めたのでした。

心配していなかったふーの学校の様子を聞いて

面談では、ふーの特別支援教室での様子を詳しく教えてもらいました。

通常学級では、体育などで並ぶ順番を間違えるなど先生の指示を誤って理解したり、思っていたことと違うことがあると、落ち込んでうずくまってしまう、思考停止してしまう、泣いてしまうといった場面があるそうです。保育園では周りの先生や何年も一緒に過ごしているお友だちがいて、ふーが困っているなと感じたら自然と助けてくれていたけれど、小学校では自分から言わないと相手に伝わらない状況なため、困ることが増えたかもしれませんとのことでした。
一方、手厚い特別支援教室では、素が出るのかハキハキと自信をもってみんなの前で発表できるのだとか。少人数のほうが自由に発言しているようです。「話しすぎてしまうこともありますが、特別支援教室ではとてもよくできています」と言われ、ふーのガンバリが伝わりました。
一通り聞いてから、先生に来年度も特別支援教室を継続したほうがいいか聞いてみると、先生は「継続したほうが良いです。継続しましょう」とのこと。
心構えはできていましたが、少しだけショック……。でも「もう1年、手厚い支援を受けられる!ふーにとってプラス!」と考えるようにしました。

こだわりが強いふーに、周りは疲弊してしまうことも

少し話は変わりますが、電車好きなふーと、最近毎日のようにペーパークラフトをつくっています。紙ですから遊んでいるうちにしわが付いたり、壊れてしまうこともあります。私は少しのシワやのりしろが見えていたり、折り目が裏写りしたりしていても、大したことはないと思うのですが、ふーは気になってしまいよく涙目になっています。
つくりたての作品でも気になるところが見つかると、「つくり直したくなっちゃった」とふー。私は台紙をプリントし直して、切って渡します。少し経つと、またほんの少しの何かが気になり、またプリントしてと言われます。またか……と思いながら私が「一生懸命切ったのに悲しいよ」など気持ちを伝えると、ふーは涙……。
本人にとっては大事なことでこだわりたいのだと思いますが、周りは疲弊してしまいます。この強いこだわりを抑えられないと集団生活の中で困りごとが出てくるのでは……と心配になります。
こういったふーの様子を見ると、やはり特別支援教室を継続したほうがいいという先生の意見は正しいのだなと思いました。

「できた!」がゴールにならない

あるとき、切るのも組み立てるのも難しいペーパークラフトがありました。何回もつくり直しを頼んでくるふーに、私もパパも「何度もつくるのは大変だし、すぐにつくり直したいと言われて悲しい」と伝えました。
するとそのうち自分で切り始め、大変な作業であることをふー自身も実感したようでした。うまくいかず涙、涙でペーパークラフトに取り組みます。宿題をやる時間もなくなり、また泣いているため宿題に取り組める状況でもありません。宿題は明日の朝やることにし、お風呂と寝る時間は守らせました。翌朝ふーは宿題を終わらせてから学校へ行きました。

そしてその次の日の夜、昨日と同じようにペーパークラフトにつまずきました。すると、ふーは「お風呂の後にやるから手伝って」と自分から計画を立てました。私が何を手伝えば良いか聞くと、具体的に指示してくれました。
そして何度もつくり直してやっと完成!
私もうれしくて「自分でできたの!?すごいね!私にはつくれないよ!」と褒めました。でも、完成したペーパークラフトを少し鑑賞したら、次のペーパークラフトを探すふー。創作意欲は素晴らしいけれど、また涙しながらこだわりを譲ることなく同じことを繰り返します。私はまた言われるがままにペーパークラフトをプリントします。

このように泣きながら作業するふーを見守るだけでいいのか――。どう対応すべきか悩ましいのが現状です。
今度スクールカウンセラーさんに相談に行くことにしました。長男の時も定期的にスクールカウンセラーさんに相談していたのですが、スクールカウンセラーさんは学校での長男の様子をよく見てアドバイスをくれました。ふーのことも見守ってもらいたいというのも理由の一つです。
アドバイスをもらえたらまたこちらでお伝えできたらと思います。

執筆/taeko

(監修:鈴木先生より)
自閉スペクトラム症と診断がついたお子さんやその傾向にあるようなお子さんは、特別支援学級で学んだほうが丁寧だと私の外来では日頃から親御さんには伝えています。特別支援学級の担任の先生との相性もあるので一概にすべてがいいわけではありませんが、少なくとも通常学級よりは少人数のため静かで、いじられることも少ないからです。また、ペーパークラフトでも分かるように、線に対するこだわりのあるお子さんが自閉スペクトラム症には多く、何度も思い通りいくまで繰り返しやり直すため時間がかかってしまいます。特別支援学級であれば気が済むまで待ってくれるはずです。ペーパークラフト以外でもマジックテープの靴などきちんとそろえて履かないと気が済まないため何度も繰り返すのです。よく言えば、職人技とも言えるようなこだわりなのです。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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