お米一掴みから購入OK!精米店でお米を買ってみました
去年の猛暑などによる影響で、今年の夏は全国で深刻な米不足となりました。米類の価格も3割近く上昇して、家計にも大きな影響がでました。そうした中、スーパーにお米がないので初めて近所のお米屋さんに行ったなんて方も多かったのではないでしょうか。
そこで今回は、原宿のキャットストリートの一角にある「小池精米店」を近藤夏子アナが取材して、お米屋さんでお米を買うことのメリットなどを伺いました。
1930年に創業した「小池精米店」は現在、三代目の小池理雄さんが運営しているお米屋さん。小池さん自身は「5ツ星お米マイスター」、「東京米スター」の資格を持っているので知識も豊富です。
今年のお米事情
近藤:今年の夏は米不足が騒がれてましたが、新米の出来は?
小池:新米が出たてなの、どれぐらい取れてるかは正直わからないんですけども、少なくとも昨年よりは取れていますし、品質も昨年よりはいいだろうと。今のところはそういう感じですね。価格面は4割、5割ぐらいは跳ね上がっておりまして、高いです。
近藤:新米も?
小池:新米が高いです。まだ古米の方が安いぐらいですね。新米が高い理由は需要量がかなり増えていまして、供給量が追いついていないということと、あとは需要の先食いです。産地の方では今年の夏、お米がないないって
話になり、来年同じ失敗を繰り返すわけいかないということで商社さんとか大手外食チェーンさんが現地でお米をめちゃめちゃ買ってるんですね。だから消費の先食いをしてるんで、お米がやっぱり産地の方では足りなくてお米の値段が上がってる感じです。
お米屋さんで買うメリット
近藤:精米店では、スーパーとは違ってどういう購入の仕方ができるんですか?
小池:お店によって違うんですけども、自分の好きな重さ、1キロとか3キロとか2.5キロとか、そういった分け方でお米を選ぶことができますし、あとは精米の仕方ですよね。白米だけじゃなくって「分づき米」といって、玄米と白米の間、五分づき、七分づき、そういった精米の仕方もオーダーすることができます。あとは基本的にはお米屋さんに置いてあるお米というのは、農家さんの顔が見えたり、産地の様子がわかったり、お米だけじゃなくってきちんとその背景にあるものまでですね説明できるようなお米が多いです。
近藤:精米店ではどういった相談がありますか?
小池:やっぱりどんな味のお米がありますか?とか、どんな特徴があるお米がありますか?とか、あとはどんな料理に合いますか?とかいろんな質問があって、やっぱそれに対して逐一お答えしてる感じですね。
近藤:最低どのくらいから購入可能ですか?
小池:来ていただければ、うちはひと掴みでもいいですよとは言ってます。
近藤:例えば卵かけご飯が大好きなんですがそれに合うお米ってありますか?
小池:もちろんあります。粒がしっかり立っていて且つ卵がちゃんと絡むような、そういったお米ですよね。例えばうちだったら新潟の「新之助 しんのすけ」とか、福井の「いちほまれ」とか、そういったお米がおすすめです。
「小池精米店」の場合は超少量からでも購入することができるメリットがあります。料理に合うお米を探すのに、2キロ、5キロと買っていたら大変なので、こうした少量販売をしてくれる精米店で、見つけるのがよさそうです。
また「分つき米」という、玄米ほどではないけど、栄養を残したまま精米する方法にも対応してくれますので、家族に栄養のあるものを食べさせたいというニーズにもピッタリ。
小池さんおすすめの新米「結びの神」
近藤:今回購入させていただく新米ってどういったものですか?
小池:今回は三重県の「三重23号」というお米なんですけれども、その中でちゃんとしっかり作ってるよねっていうことで基準をクリアしたお米が「結びの神」というブランド名を名乗れるんです。そのお米をお渡ししたいなと思ってます。特徴としては大粒で、しっとりした食感になります。
近藤:何分部づきぐらいがおすすめですか?
小池:それはもうお好きに言っていただいて。ほぼ白米というんだったら7分づきですし、5分でも食べられると思います。
近藤:このお米の生産者はどんな方?
小池:太田くんって言って、結構若い方。今、三重県の鈴鹿で作ってるんですが非常に熱心ですよね。いつも新米が来ると必ず「今年はどうでしたか?」って聞いてくるんで、こっちもねやっぱりちゃんと味わってあげなきゃなんて思ってますけれども。三重23号を作るだけじゃなくて、この「結びの神」というブランドを名乗れるように一生懸命やってるんで、見てて頼もしい農家さんですよね。
この太田さんのお米、生産数も多くはないので、スーパーなどでは出回らないそうです。でも小池さんのところのように精米店に行けば、独自で仕入れているお米があるので、珍しいお米が見つかるかもしれません。ぜひ、近所にお米屋さんがある方は、一度覗いてみてください!
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)