ベッドのマットレス、いつ買い替えればいいの? 専門家に聞いてみました
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
先日、8月21日のメッセージテーマは、スーさんがマッサージチェアが壊れ、買い換えたいという話から、「買い換えたいもの」でした。
ラジオネーム「ウィンクよりもベイブが好き」さんから、
ベッドとマットレスを買い替えたいです。
長年使ったせいで、自分の形に凹んできています。
これが腰に負担がかかるんですよね~。
凹んだ所に、タオルなどを挟んでいますが、応急処置にすぎません。
買い替えたいけど、古いベッドを処理するの、なんか面倒くさい。
なかなか重い腰が上がりません。
ラジオネーム 白イルカの嫁さん
今使っているものは結婚当時から使っている15年ものの安物だったので、
もう中から綿が出てきて限界状態なのですが、もう1年くらい悩んでいます。
調べれば調べるほど良さそうなマットレスが出てきて決めきれません。
神様どうか私に決断力を与えてください!!!
というメッセージをいただき、私たち2人も「たしかに!」と同意しました!
今回は「マットレスの買い替え」また「購入する際のポイント」について専門家の方に伺いました。
伺ったのは、株式会社 悠デザインの代表取締役で、ベッド・マットレス専門家として活動している椚大輔さん。
・こちらの会社、ベッド・マットレスに特化した情報やサービスを展開していて、自社スタジオで、マットレスを解体するなどして検証をしたりするそうです!
・国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品以上!
いつ、どうなったら買い替えればいいんですか?
大きく3つあります。
①ヘタリや底付き、バネ当たりなどの、明らかにマットレスの性能が低下している場合。
※底付きとは、マットレスが体の重さを支えきれず、床の硬さを腰などに感じること。
※バネ当たりとは、寝ていて強くバネが当たる感じること。
②弾力や厚さなど、マットレスの性能は落ちていないが、なぜか寝心地が悪く感じる場合。
→体型の変化や加齢・成長など人間側に原因があることも。
③ライフスタイルの変化によって、現状のマットレスの寝心地やサイズ感などが合わないと感じた場合。
→たとえば、出産し、家族全員で同じマットレスに寝たいという希望の場合、振動吸収性が必要ですし、子供が成長してくるとマットレスの上でぴょんぴょん飛び跳ねることも出てくるかもしれないので、その場合は、スプリングコイルではなく、ノンコイル、特にウレタンマットレスなどが合うでしょう。
※スプリングコイルは集中した強い荷重によって破損してしまう可能性があるため
このような“サイン”がなくても、「購入してから5~8年程度経過している場合、買い替えの検討してみるのもおすすめです。」とのことです。また、「ポケットコイル、高反発・低反発ウレタンなど、種類によって交換時期は違いますか?」という質問。
種類というよりも、マットレス自体の品質によって、耐久性が変わります。
基本的にマットレスは価格に応じて耐久性が高くなる傾向があります。
老舗ブランドの高品質マットレスでは10~30年使えるものもあります。
「劣化したマットレスを使うとどんな点が良くないですか?
マットレスの劣化とは、基本的に「ヘタリ(形状の劣化)」と「硬さの低下」が中心です。
劣化したマットレスを使い続けると、体が深く沈み込み過ぎて寝姿勢が崩れ、
体に痛みを感じたり、良質な睡眠を取れなくなる可能性も増えるでしょう。
へたらないようにするにはどうすればよいか。「長持ちさせるコツ」
一般的には、ローテーションがおすすめです。
ローテーションとは、マットレスの上下・表裏を定期的に回転させてヘタリを馴らす技のことです。
ホテルなどでは3カ月に1度程度、ローテーションさせていることが多いです。
また、カビが生えてしまうと耐久性以前の問題になるため、定期的にマットレスを立てかけて換気するのもおすすめです。ベッドパッド使ったり、マットレス本体になるべく湿気や汚れが付かないように、吸水性や調湿性が優れたシーツ類を敷いて、定期的に洗濯し、メンテナンスを行うことがおすすめです。
スタッフが調べた情報では、「ソファ代わりに使って、常に片側に座っている」というのもよくないそうです。(言われてみれば確かに!学生時代はよくやってたかも・・・)
買い替えが必要!となったら、ということで・・・
マットレスを買う時に重要なのは硬さ!試すときはマクラを外しましょう!
椚さんに「マットレスを購入する際の選び方のポイント」を伺いました。
重要なのは「硬さ」です。
どんなに優れた機能のマットレスでも自分に硬さが合わないと寝心地は悪く感じます。ざっくりですが、「男性に多い体型=平坦な体つき」の方や「仰向けで寝る」方は硬めが合いやすい。逆に「女性に多い体型=メリハリがある体つき」の方や「横向きで寝る」方はやわらかめの寝心地が合いやすいです。理由は、体のラインによる「沈み込みの深さの違い」です。
※男性に多い体型・仰向け寝では、沈み込みが浅め=硬めが合いやすい(やわらかいと寝姿勢が崩れやすい)
※女性に多い体型・横向き寝では、沈み込みが深め=やわらかめが合いやすい(硬いと圧迫感を感じる)
もちろん、一概には言えませんし、自分に最適な硬さを最初から見つけ出すのは難しいと思います。そこで、迷ったら「自分が思うよりも少し硬めくらい」を選ぶのがおすすめです。
理由は「後から調節しやすいから」です。もし、購入して「硬すぎるかも?」と感じたら、敷きパッドやトッパーなどで微調節していくことで、お好みの寝心地に近づけられます。逆に、最初からやわらかいマットレスを、後から硬く調節するのは難しいです。よって、マットレス選びは「迷ったら少し硬め」が無難なのです。
また、マットレスは基本的に経年劣化でやわらかくなっていきます。よって、購入当初でジャスト~やわらかめの寝心地よりも、少し硬めくらいの寝心地の方が、時間とともに体に馴染んでいきやすいでしょう。
「家具店などに行った時にチェックするポイント」について。
しっかり“試し寝”をしましょう。ポイントは、普段寝ているときに服装(パジャマなど)を想定して、できるだけゆったりとした服装で行くことです。外出先だと精神的にも肉体的にも緊張していると思うので、かるくジャンプしたり肩をほぐしたり、深呼吸したりするのも良いでしょう。そして、寝ころんだ際には、最初はマクラを外して試すのもおすすめです。マクラの存在があると、マットレス本体の感触・特性を感じにくいからです。あとは、寝返りをしてみて体が動かしやすいかや、普段の自分の寝姿勢で寝てみて、圧迫感やバネが当たる感じなど違和感がないか確認してみましょう。
また、どのマットレスか試したらいいか分からない人は、メーカーの中で最もスタンダードなモデルから試してみてください。最低価格の廉価モデルではなく、基本的にメーカーには「スタンダードモデル」というものが存在します。メーカーの中でスタンダードモデルは、最も多くの人の好みに合いやすいように作られることが多く、基本的に失敗する寝心地は少ないと思います。また、スタンダードモデルに満足できない場合、スタンダードモデルを基準に、自分の好みをプラス・マイナスしていくことで、最短距離、且つ、失敗が少ないマットレス選びができると思います。
「いま椚さんがおすすめするマットレス」
「コストパフォーマンスの良さ」という点で評価するなら、チヨダコーポレーション(広島県の老舗メーカー)が作る「咲夜レアルマットレス」というポケットコイルマットレスがイチオシです。国内の自社工場でバネから作りあげる日本製マットレスで、高級ホテルでも採用されるレベルのスプリングが使用されているのにもかかわらず、価格が約4万円から買えるので、非常にコストパフォーマンスが優れています。とにかくスプリングの性能が良いので、多くの人に合いやすいと思います。
私が運営しているサイトでも特にイチオシ商品としてご紹介しています。
みなさんも、マットレスの買い替えが必要かどうかチェックしてみてください!
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)