これからの季節は要注意。最新「コロナウイルス」の症状と“予防策のポイント”
これからの季節はさまざまな感染症が流行するため、健康を維持するためには対策方法を知っておくことが重要ですよね。今回ピックアップするのは、コロナウイルス感染症です。きくち総合診療クリニックの理事長である菊池大和先生に「コロナウイルス感染症の症状と予防策のポイント」について教えていただきました。
教えてくれたのは……菊池 大和先生
医療法人ONE きくち総合診療クリニック理事長 菊池 大和先生
平成29年4月11日に「きくち総合診療クリニック」を開院し、令和元年に医療法人ONEを設立。「病気を診て、人を診て、一人でも多くの命をやさしく包み込む医療を提供する」ことを診療基本理念としている。
「コロナウイルス感染症」症状の特徴の変化
2020年4月に発令された緊急事態宣言から約4年半が経過した今。コロナウイルス感染症はどのように変化しているのでしょうか。現在の感染状況と症状の変化について、菊池先生に伺いました。
菊池先生:コロナウイルス感染症は、現時点では全国的に減少傾向です。2023年5月に5類感染症に移行してから、検査をしない方が増えたことも一因かもしれません。しかし、どの感染症にも言えることですが、寒くなって乾燥する季節になると流行すると考えられます。11月ごろから少しずつ増え始め、1月から2月ごろにピークを迎える傾向があります。
コロナウイルスは以前は毒性が強く、重症化するケースが多かったのですが、現在は毒性が弱まり、咽頭痛、鼻水、咳、頭痛など、普通の風邪の症状とほぼ変わらなくなってきています。一般的な対処療法の薬で治る方が多く、味覚や嗅覚の異常を訴える方も少ないです。そのため、特に若年層にとっては普通の風邪と同じように感じる方が多いと思います。
コロナウイルス感染症を予防するために意識したいこと
これから流行が予想されるとなると、気になるのが対策方法です。最近はマスクをしない人も増えていますが、再びしっかりとした予防策を実施することが大切なのだと、菊池先生は言います。
菊池先生:手洗い、うがい、マスクの着用、消毒、こまめな換気など、基本的な予防策をしっかりと行うことが大切です。コロナ渦で外出制限があった時期には多くの方がこれらの対策を行っていましたが、現在は忘れがちになっているかもしれません。コロナウイルスは感染力が非常に強いため、家庭内感染を防ぐための対策も引き続き必要です。
意外と見落としがちな「2つのポイント」
菊池先生:家庭内に感染者がいる場合、机やドアノブなどよく触れる部分をしっかりと消毒して拭くことが必要です。
また、換気を行う際には、部屋に複数の窓がある場合は、対角線上にある窓を開けることで効率的に空気の流れをつくることができます。コロナウイルスは飛沫感染だけでなくエアロゾル感染もするため、空気が滞留するとウイルスが浮遊したままになる可能性があります。冬場は寒くて窓を開けない方も多いかもしれませんが、予防のためにも最低でも1時間に1回は換気することをおすすめします。
高齢者と接するときは特に要注意
また、年末年始の帰省などで高齢者と接する機会が増える時期は、特に注意が必要。「コロナウイルスは普通の風邪とは違う」ということを意識することが重要なのだそうです。
菊池先生:先ほど若年層にとっては普通の風邪と変わらない症状であることが多いとお伝えしましたが、コロナウイルスは高齢者の方や免疫の弱い方にとっては非常に怖い感染症です。肺炎を引き起こしやすく、今年亡くなった方は約3万人と報告されています。これはインフルエンザの死亡者数の約15倍に相当します。
そのため、「コロナウイルス=普通の風邪」とは思わず、高齢者の方にとっては脅威なものであるという認識をもっていただきたいです。軽症のものから重症のものまでありますが、後遺症が出る方もいらっしゃいます。
感染から回復した後も、10日間ほどは他人に感染させてしまうリスクがあるため、治ったとしてもマスクを外して高齢者の方と接することは控えましょう。高齢者の方がいるご家庭では、お互いに感染を防ぐためにも、家庭内でもマスクを着用するなどの対策を継続することが望ましいです。
shukana/webライター