今週のヘラブナ推薦釣り場2025【静岡県・野守の池】
首都圏からは高速を使って約3時間。燃料代もバカにならないが、それを押してでも行ってみてほしい釣り場が静岡県島田市にある野守の池だ。周囲約1km強と小ぢんまりとしているが周囲には桜が咲き、特定日にはSLの汽笛まで聞こえる。釣りをしながら汽笛が聞こえる釣り場など、日本広しと言えどもそう多くはないだろう。魚影が濃くよくウキも動くので、難しいことは抜きにしてひたすら釣りを楽しんでほしい。
野守の池の概況
温暖な地で知られる遠州でさえ、今年の冬は厳しい寒さだった。池周辺に咲く河津桜が3月21日時点で、いまだにピンク色の花を咲かせていることからも、春の訪れは遅れ気味だった。水温が上がらず野守の池も食い渋りを余儀なくされていたが、3月中旬過ぎからようやく食いが立ってきた。
といってもまだまだ本番は遠く、ようやく冬の釣りから抜けだせたかどうかの瀬戸際。各地でソメイヨシノの開花宣言が発表されだしたので、今後は徐々に春の釣りへと移行することだろう。
ポイント
野守の池のポイントを紹介しよう。
新幹線桟橋
一番人気で、まずはここから釣り座が埋まる。コンクリート製の桟橋ではあるが完全に水平ではなく、万力を付ける受け木もないので釣り台は必要だ。
西端(通称・運転席)寄りほど深く、休憩所寄りほど浅い。なお休憩所に寄るほど根掛かりが多いので、底釣りは注意したい。なおこれまであった背後の木が伐採されていた。夏は木陰を作ってくれるのでよかったが、なくなってしまった影響があるのかないのか。
埋め立て地
駐車場が前にあり便利だが野地なので釣り台は必携。手前は根掛かりが多いので、底釣りをするなら最低でも竿18尺以上は出したい。
舟置き場
単独で乗れる突き出た桟橋が数本架かっている。トイレが真裏にあり用を足しやすいのはありがたい。桟橋の幅が狭いので落水には十分注意したい。
東屋桟橋
同池唯一の浮き桟橋。午後から日影になりやすいので夏場は人気のエリアだが、冬期は寒くどちらかというと不人気のエリア。それゆえほかのポイントが混雑した時の穴場になる。
新桟橋
北側に駐車場があるので、むしろ東屋桟橋よりも利用客は多い気がする。また固定桟橋なので座面がユラユラすることもない。
藻場
新桟橋から左を向くと見える住宅街の裏手。水中からアシが生え絶好のハタキ場が形成されている。しかし釣り座としては未整備なので、やるならアシを刈るなど草刈り道具一式が必携。
既設釣り台
コンクリート製の立派な独立式桟橋が6台ある。水面から離れており水汲みなどがしにくく、釣り人からは飛び込み台とも呼ばれている。ただし桟橋としてはかなり立派だし前に出られるので、沖打ちをしたい時は有利だ。なお座面の高さを嫌って、桟橋と桟橋の間から竿を出す人も少なくない。
扇桟橋
旧売店前桟橋とも呼ばれる。東側ほど人気で西側は不人気。出入口東側の一部に傾斜があるので、ここを嫌う釣り人は多い。
野地エリア
東端エリアは釣り禁止だが、それ以外は釣りが可能。水深が浅くハタキの魚を狙うこともできるが、そのような釣りをする常連を見たことはあまりない。
釣り方とエサ
3月21日の取材時点では、ようやく両ダンゴを食いだしたかどうかでいまだ冬の釣りの延長戦。強いのは段差の底釣りで、さらにセットの宙釣りと続く。ただし日増しに魚の活性は上がるはずなので、そうなれば両ダンゴの宙釣りや底釣りも面白くなる。なお宙釣りの場合、タナはウキ止め~第1オモリ1㍍以上のローカルルールがあるので厳守いただきたい。
どのような釣り方でもそれなりに楽しめるが、あえてやってみてほしいのが手前を狙った両ダンゴの底釣りだ。根掛かりの有無など注意点はあるものの、ハマると35~40cmもある良型地ベラの数釣りが楽しめる。昨年だったろうか記者は新幹線桟橋でこの時期にその釣り方をして、釣れれば良型オンリーという、夢のような体験したことがあった。
県下の無料釣り場においておそらくトップクラスの魚影を誇るので、好みの釣り方でそれ相応のアタリがもらえる。釣りの修練で通うもよし、数釣りの自己記録を目指すのも面白い。また周囲の環境がよく時に大井川鐵道のSLが汽笛を鳴らして走る。周辺の桜も芽吹き出す今の時期は、野守の池にとって最高のシーズンではないだろうか。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>