「回遊動線」で家事効率アップ!子育て世代にもおすすめの間取りプラン紹介!
家づくりにおいて、家事効率と子育ての両立は、多くの家族が抱える課題です。時間に追われる日々の中で、子育てをしながら家事を少しでも効率良くこなし、家族と過ごす時間をたくさん確保できることは理想ですよね。
その中で注目を集めているのが「回遊動線」です。「回遊動線」を取り入れることで、家事の効率化を図ることができ、家族全員が快適に過ごせる家を実現することができます。家事の時間が短縮されることで、家族時間や趣味に費やす時間が増えると、暮らしはより豊かになります。今回は、回遊動線のメリットや子育て世代におすすめの間取りプランを詳しく解説します。
回遊動線が注目される理由とは?
回遊動線とは?
人が建物の中を移動する道筋のことを「動線」と呼びます。この動線に、家の中を一周できるような回遊性を持たせた動線を「回遊動線」といいます。「回遊動線」を取り入れることで、例えばキッチンから洗濯室、リビングまでの移動が短縮でき、家事の効率化につながります。また、子どもの様子を常に見守りながら家事を進められるため、子育て世代にとってもメリットがあると、近年では多くの間取りに取り入れられています。
回遊動線と一般的な間取りの違いは?
一般的な間取りは、各部屋が直線的に並ぶ動線が多い反面、回遊動線は複数のルートで各部屋にアクセスできるように設計されています。例えば、玄関→シューズクローゼット→洗面→リビングというように、家族が混みあいがちな外出時や帰宅時の行動が滞らないようにする動線や、キッチンを起点とした回遊動線で料理などの家事負担を軽減するなど、その実例はさまざまです。回遊動線を取り入れることで、行き止まりのないスムーズな移動が可能になります。目的に応じた設計を行うことで、さまざまなことを効率化され、特に、日常的に多くの動線を必要とする子育て世代にとって、この設計は大きな利点となります。
回遊動線のメリット
子どもを見守りながら家事の効率アップ
キッチンとランドリールーム、リビングが一続きになっていることで、料理や洗濯、子どもの世話を同時進行で行うことができます。また、「洗う、干す、たたむ、しまう」の一連の作業がある洗濯にも回遊動線は便利です。脱衣所に行くためにはリビングを必ず通らなければいけない場合、1回の洗濯で家中を何度も往復しなければいけません。脱衣所の入口を増やしたり、干す場所までの距離を短くすることで、時間短縮やストレス軽減にもつながります。回遊動線は、物の移動が最小限で済むため、家事の合間に家の中を無駄に行き来する必要もありません。これにより家事にかかる時間が短縮され、家族との時間を増やすことにつながります。
家族間の渋滞を解消
家族が同じ時間帯によく使う場所に複数の出入り口を設置することで、家族の渋滞を避けることができます。例えば、朝の洗面脱衣室。家族の人数が多いほど、身支度をする家族で出入口が混雑しがちです。このような場所に入口を2つ設けることで、家族間の渋滞を緩和することができます。玄関も同様で、リビングから玄関へ直接抜ける通路に加え、玄関から洗面室を通ってリビングに行ける経路があると外遊びや部活帰りなどで汚れた子どもがリビングを通らずお風呂にアクセス可能に。リビングが砂や泥で汚れる心配もなくなるなど、子育てにも便利な動線を実現することができます。
開放的な空間になる
通行を妨げないように、自然と壁が少ない間取りとなる回遊動線。空間につながりが生まれ、室内が広く感じます。室内のどこにいても、家族の気配を感じることができる空間になります。また廊下もなくして部屋同士をつなげることで、より使える空間は広がります。吹き抜けやリビングと一体となったウッドデッキを設けることで、より開放感を高めることができます。
回遊動線のデメリットは?検討すべきポイント
回遊動線には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
収納スペースが減る
回遊動線は入口を複数設けたり、通路を確保する必要があるため、壁面が少ない間取りになります。そのため、収納や居室スペースが削られる点がデメリットです。収納スペースが少ないと、部屋に物が散乱しがちに。間取りを決める段階からしっかりとした収納計画を考えておくことが大切です。クローゼットやストック部屋、ガレージなどを設けることで、収納スペースを確保できます。
個人のプライバシーを確保しにくいことも
さまざまな箇所から出入りが可能になるため、設計次第ではプライバシーを確保しにくくなります。家族同士の動線が交差することでストレスを感じることもあるかもしれません。そのため、回遊動線を取り入れる際は、家族構成や生活スタイルに合った設計を行うことが重要です。計画段階でこれらの要素を十分に検討しましょう。
回遊動線の成功例と失敗例
回遊動線を取り入れた住宅の成功例として、キッチン、ダイニング、リビング、洗面所が一続きになっている設計が挙げられます。このような設計では、家事効率が大幅に向上し、家族全員が快適に過ごせると評価されています。一方、失敗例としては、動線が複雑すぎて使いづらくなってしまったケースがあります。動線が多すぎると、かえって混乱を招くため、シンプルで無駄のない動線設計が求められます。
回遊性のある間取りの実例を紹介!
主寝室に扉が3つ! LDK、水回り、ウォークインクローゼットの3カ所につながる回遊動線
2つの回遊動線を取り入れた住まい。1つ目は、寝室に3カ所の扉を設け、LDK、ウォークインクローゼット、水回りと玄関に直接アクセスできる動線を設けています。2つ目の回遊動線は、玄関から直接、パントリーとLDKにそれぞれアクセスできる回遊動線を実現しています。来客が多いご家庭で、来客時はLDKを通らず、水回りやウォークインクローゼットに行くことができ、身支度を済ませることができます。
玄関からランドリールームとLDKに直接アクセスできる回遊動線
玄関から直接、LDKとランドリールームにアクセスできる回遊動線。ランドリールームには、ウォークインクローゼットと収納を兼ねた部屋を確保。洗濯後の収納や身支度、帰宅後の片付け、手洗いなどがまとまった快適な暮らしを実現しています。家事動線を叶えつつ、玄関動線も整った間取りです。
玄関から、パントリーとウォークインクローゼットに直接つながる!LDKが汚れない動線、ペットのための動線もポイント
玄関からパントリーに直接行くことができるため、買い物帰りに荷物を持ったままパントリーに向かうことができます。玄関→ウォークインクローゼット→ランドリールーム→脱衣室を通ってリビングに行ける回遊動線も設置。帰宅後はウォークインクローゼットで上着などを脱ぎ、ランドリールームで洗濯が必要な洋服は洗濯機に入れてリビングに行けるという“リビングが汚れない”回遊動線も魅力。また、庭とつながるペットのトリミング室も設けてあります。ペットが外で遊んだ後もシャワーをしてLDKに向かうというペットのための回遊動線も特徴です。
まとめ
家づくりは人生の中でも大きな決断の一つです。後悔しないためには、家族のライフスタイルや将来の変化を見越した間取りを考えることが重要です。特に、動線設計は家事や育児の負担を大きく左右します。住み始めてから「もっとこうしておけば良かった」と思うことのないように、初めから動線を意識した設計を検討しましょう。実際にその家での生活をシミュレーションしながら、ぜひこの「回遊動線のポイント」も参考にしてみてください。