「小島秀夫は最も素晴らしいホラー作家の一人」注目ヴァンパイア映画『アビゲイル』のキャスト&監督インタビュー映像到着
いわゆる「ナメてた相手が実は◯◯だった」ならぬ、「誘拐した幼女が実は恐怖の◯◯◯だった」という新たな意外性を打ち出した新感覚ホラー映画『アビゲイル』が、9月13日(金)より全国公開中だ。
このたび、本作の主要キャストであるケヴィン・デュランド&ウィル・キャトレット、そしてマット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレットの監督監督のインタビューが到着。鑑賞前にチェックすれば感情移入倍増、鑑賞後には物語考察の一助となるであろう、非常に興味深い内容になっている。
斬新!「誘拐犯VS吸血バレエ少女」の衝撃
大富豪の娘で12歳のバレリーナを誘拐した犯罪グループ。5000万ドルの身代金を手に入れるため、残された仕事は郊外の屋敷で少女の身柄を一晩監視するだけ。だがこの少女の正体、実はバレリーナ・ヴァンパイア(踊る吸血鬼)。つまり監禁されたのは人質ではなく、誘拐犯のほうだった……。いったい誰が何のために、こんなことを? まんまと返り討ちにあった彼らは、24時間のサバイバルに耐えられるのか――?
そして本作の見どころポイントについて聞かれると、デュラントは「ただ楽しんでもらいたいだけ。映画館に行って座って、純粋に楽しむんだ」と作品の出来栄えに自身を見せる。さらにキャトレットはアビゲイル(アリーシャ・ウィアー)とジョーイ(メリッサ・バレラ)のやり取りを引き合いに出しつつ、「この映画には強奪やミステリー、流血やホラーに混じって、その根底にある真実が入っている。自分にとって最も大切にするべきことがね」と、物語の深くにあるメッセージへのヒントを明かした。
オルピン&ジレット監督が明かす「ホラーとコメディのバランス」
『スクリーム』(2022年)で一躍注目の監督コンビとなった、マット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレット。「ホラーとコメディのバランスの取り方」についてジレット監督は、まず優れた群像劇であることを前置きしつつ「恐怖とコメディをリアルに、自然な方法で実現させた」と熱弁。その状況こそが無理矢理ではない自然な可笑しみを引き出すのだと解説する。
オルピン監督は「リメイクしたいユニバーサルのホラー作品は?」という問いに対し「『透明人間』(1983年)とか……」と挙げつつ、「僕たちは“吸血鬼映画”を作ろうと思ったわけじゃないんだ」と吐露。しかし脚本を読んでアイデアを気に入り、『アビゲイル』の制作を決意したという。
重要人物ジョーイを演じるメリッサ・バレラは、本作の撮影について「今まで散々血まみれになってきたけど、今回が過去最高記録だった。とにかく極限まで血みどろ」と振り返っているが、ジレット監督は「血が足りなかった気がしている。だから続編ではもっと血がほしいね(笑)」と満足していない様子で、早くも続編への期待を煽る。
監督コンビお気に入りの“日本発”作品は?
そして「お気に入りの日本のアニメ・映画・ゲームは?」と聞かれると、かなり悩んだ末に「『千と千尋の神隠し』」かな」と答えるオルピン監督に対し、ジレット監督も熟考しつつ「小島秀夫はもっとも素晴らしいホラー作家の一人」と賛辞を贈ると、「映画とゲームの間で多くの交流が始まってているように感じる。だからプレイしていたゲームが新しいフォーマットに翻訳され始めることを願っているよ」と、自然にメディアミックスに接してきたであろう世代のクリエイター目線で展望を語った。
本作の最重要キャラクターである吸血バレエ少女アビゲイルを演じたアリーシャ・ウィアー(※現在14歳)を“発見”した経緯については、あるミュージカル劇でひときわ目を引いた彼女とZOOMミーティングをした際に、オンライン越しでも自分たちを恐怖させることができる類稀な才能に度肝を抜かれたという。オルピン監督が「その驚きを映画本編で10%でも表現できれば素晴らしいものになると思った」と振り返る、その“吸血鬼ぶり”をスクリーンで目撃しよう。
『アビゲイル』は2024年9月13日(金)より全国公開中