『名探偵コナン』「警察学校同期組」5人が築いた信頼関係と絆──降谷 零・松田陣平・伊達 航・萩原研二・諸伏景光の登場回や人物像、関係性、所属などを解説
『名探偵コナン』本編から7年前の警視庁警察学校を舞台とした『警察学校編 Wild Police Story』では、同期である降谷 零・松田陣平・伊達 航・萩原研二・諸伏景光の5人の青春時代が語られています。
教官から“どいつもこいつもクセ者揃い”と評されていましたが、5人の能力は極めて高く成績は優秀。助け合いながら信頼関係と絆を深めていき、彼らが共に過ごした時間はかけがえのないものとなりました。
卒業後はそれぞれの配属先で活躍しますが、4人が相次いで殉職、事故死。生存しているのは降谷だけとなり、彼は大切な友から受け継いだものを胸に正義を貫き続けています。
本稿では、そんな警察学校同期組の降谷零・松田陣平・伊達航・萩原研二・諸伏景光の情報をまとめてご紹介。登場回や人物像、関係性、所属についても解説していきます。
※本稿には、『名探偵コナン』のネタバレが含まれます。
【写真】『名探偵コナン』警察学校組のメンバー一覧|登場回や人物像、関係性など解説
『警察学校編 Wild Police Story』
爆弾処理中に命を落とした萩原研二、その爆弾犯を追い続けて爆発に巻き込まれた松田陣平、黒ずくめの組織に潜入中に命を絶った諸伏景光、交通事故で帰らぬ人となった伊達 航。いずれも稀有な才能を持つ彼らは、実は公安捜査官・降谷 零の警察学校時代の同期でした。5人はどんな学校生活を送っていたのでしょうか。
その警察学校同期組の大切な関係性を語るのに欠かせないエピソードのひとつが、『警察学校編 Wild Police Story』。トリプルフェイスとしても知られる降谷と、同期の松田、伊達、萩原、諸伏の警察学校時代の青春を描くスピンオフ作品です。
「週刊少年サンデー」2019年第44号〜第46号、2020年第10号〜第12号、第27・28合併号〜第30号、第48号〜第51号で掲載され、アニメは2021年12月4日から2023年3月11日まで不定期放送されました。
『警察学校編 Wild Police Story』(上下巻)
原作:青山剛昌
作画:新井隆広
少年サンデーコミックススペシャル
TVシリーズ『警察学校編 Wild Police Story』
「警察学校編 Wild Police Story CASE.松田陣平」
「警察学校編 Wild Police Story CASE.伊達航」
「警察学校編 Wild Police Story CASE.萩原研二」
「警察学校編 Wild Police Story CASE.諸伏景光」
「警察学校編 Wild Police Story CASE.降谷零」
警察学校同期組の関係性
降谷と諸伏は小学生時代からの幼馴染で、「(景)ヒロ」「(零)ゼロ」と呼び合う親友。一方で松田と萩原も昔からの親友で「(萩)ハギ」「陣平ちゃん」と呼び合い、お互いをよく知る仲です。
出会った当初の降谷と松田はというと、殴り合いをするほど相容れない関係でしたが、在学中に起きた事故で教官の命を5人の連携で救ったのをきっかけに打ち解けるように。そして、班長の伊達はそんな彼らを優れたリーダーシップで束ねていました。
助け合いながら困難を乗り切り、絆を深めた仲間たち。しかし、現在5人のなかで生存しているのは降谷だけ。4人との青春の思い出は、時に降谷を孤独に陥らせてしまいますが、彼らから受け継いだ意思と才能は、残された降谷を支えてくれています。
料理はからっきしだった降谷に料理を教えたのは諸伏。おかげで降谷の料理の腕は驚くほど上達し、諸伏と演奏したくて覚えたというギターも圧巻の腕前に。松田に叩き込まれた「爆弾解体技術」は“焦りこそ最大のトラップ”という教訓と共に受け継ぎ、萩原のドライブテクに触発されて片輪走行もお手のもの。そして降谷は、伊達が持っていた揺るがぬ信念をずっと貫き続けています。
劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
劇場版25作目『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022年公開)でも警察学校同期組の強い絆が描かれており、卒業後の彼らの顔つきや共闘も必見。
警視庁の目暮警部の元同期・村中に脅迫状が届くなか、かつて萩原と松田を殉職に追いやった連続爆弾犯が脱走し、その手引きをした人物に降谷は首輪爆弾を付けられてしまいます。降谷はその相手にどこか心当たりがある様子。さらに翌日には、とある外国人が持つタブレットが突然爆発。彼は捜査一課時代の松田の名刺を所持していました。
──3年前、萩原の命日の前日に仕事の合間を縫って一緒に墓参りをした降谷、松田、伊達、諸伏。その帰りに渋谷の廃ビルで謎の爆弾犯による事件に遭遇します。4人の能力の高さと連携ぶりは在学時以上で、彼らの活躍により間一髪で爆発を防ぐことに成功。しかしながら犯人は逃走してしまいます。
その事件が3年後に発生する一連の事件の鍵を握っており、降谷は今も自分を支えてくれる大切な仲間たちへと想いを馳せながら、コナンと協力して危機を乗り越えていきます。
警察学校同期組のメンバー
降谷 零(ふるやれい)
年齢:29歳
所属:警察庁警備局警備企画課
愛車:白のマツダRX-7 FD3S
CV:古谷 徹さん→草尾 毅さん
“トリプルフェイス”で正義を貫く
日本の安全と秩序を守り抜くという確固たる意思を貫き、「降谷 零」「安室 透」「バーボン」のトリプルフェイスで活躍。愛国心と正義感が非常に強く、身命を賭して激務をこなしています。
表の顔である「安室 透」の職業は探偵。毛利小五郎に弟子入りし、毛利探偵事務所の下にある喫茶ポアロで働いています。
その正体は公安警察・通称「ゼロ」に所属する「降谷 零」であり、実は「バーボン」のコードネームで黒ずくめの組織に潜入中。
降谷は、組織の裏切り者とされるシェリーを探し出す目的で小五郎に近づき、未熟な探偵を装いながら巧みに情報収集してシェリーの動向を掴んでいきます。その一方で、赤井秀一の死に疑念を抱いて捜査を進めていました。
いつも冷静ですが心は熱く、かなりの負けず嫌い。事前に周到な策略を用意して情報収集するなど優れた探り屋であり、高い推理力、洞察力、身体能力を持ち合わせ、マルチな才能を発揮。時には非情の仮面を被り、いくつもの人格を纏いながら独り戦い続けています。
警察学校時代
降谷は、全科目オールAという警察学校の歴史でも類を見ない抜群の成績で入校し、鬼塚教場に在籍。警察を志した動機は、当時行方知れずとなっていた宮野エレーナを探すためでした。
真面目で勤勉ですが、目立つ外見ゆえ他の生徒から絡まれることも。揉めることもありながら、ヤンチャもしながら、親友の諸伏をはじめ松田、伊達、萩原と共に過ごすなかで熱い友情を築いていきます。入学式で総代を務めた降谷は、卒業式でも卒業生代表として卒業証書を授与されました。
警視庁の佐藤美和子刑事の話によると、彼らがヤンチャしまくったせいで、佐藤が入校した年だけ規律が信じられないくらい厳しくなっていたそうです。
警察庁警備局警備企画課に所属
全国の公安警察を統括する警察庁警備局警備企画課、「ゼロ」と呼ばれる秘密部隊に所属。「ゼロ」の存在は世間に伏せられ、その活躍は陰で囁かれるのみ。降谷は、警視庁公安部の風見裕也警部補をはじめ年上の部下たちを指揮しており、自らも諜報活動など危険な仕事もこなしています。
NOCとして組織に潜入
公安警察は黒ずくめの組織を日本の脅威と認定して密かに調査を進めており、捜査員を「NOC(ノック)」として組織に潜入させています。NOCとはNon Official Cover。命の危機が迫っても救援が期待できない、危険な任務を遂行する者です。
降谷と諸伏はNOCとして黒ずくめの組織への潜入に成功し、それぞれ「バーボン」「スコッチ」のコードネームを与えられる位置まで上り詰めています。
赤井秀一を敵視している理由
2年前まで「ライ」のコードネームで黒ずくめの組織に潜入していたFBI捜査官の赤井秀一は、同じく組織に潜入している「バーボン」「スコッチ」とも面識があります。
NOCだと組織にバレた諸伏は大切な人たちを守るため赤井から奪った拳銃で自決し、この一件は赤井の機転によって“正体を見抜いたライがスコッチを射殺した”と組織側には伝わっています。
実際はというと、赤井は諸伏を追い詰めるフリをして逃がそうとしており、諸伏も一度は赤井の説得に応じて自決を思い留まったのですが、階段を駆け上がってくる足音を聞いて拳銃で自らの胸を撃ち抜きました。
降谷は、自決させない道を選択できたであろう実力を持つ赤井が諸伏を見殺しにしたことが許せず、激しく憎むように。その確執はかなり深く、赤井相手だと心を乱し、普段の冷静さを失うほどです。
降谷 零の登場回一覧
<TVアニメ>
・667~668話「ウェディングイブ」(75巻)
・671~674話「探偵たちの夜想曲」(76巻)
・681~683話「命を賭けた恋愛中継」(76、77巻)
・699~700話「灰原の秘密に迫る影」(77巻)
・701~704話「漆黒の特急」(78巻)
・705話「密室にいるコナン」(78巻)
・706話「謎解きするバーボン」(78巻)
・722~723話「甘く冷たい宅配便」(80巻)
・734話「ジョディの追憶とお花見の罠」(80、81巻)
・740~741話「蘭も倒れたバスルーム」(81巻)
・751~752話「招き三毛猫の事件」(82巻)
・770~771話「ギスギスしたお茶会」(84巻)
・779〜783話「緋色シリーズ」(序章・追求・交錯・帰還・真相)(84、85巻)
・813話「安室に忍びよる影」(アニメオリジナル)
・836~837話「仲の悪いガールズバンド」(88、89巻)
・866~867話「裏切りのステージ」(90巻)
・872~874話「コナンと平次の鵺伝説」(90、91巻)
・885~886話「謎解きは喫茶ポアロで」(92、93巻)
・898話「ケーキが溶けた!」(アニメオリジナル)
・925~926話「心のこもったストラップ」(94巻)
・941~942話「マリアちゃんをさがせ!」(95巻)
・952~954話「迷宮カクテル」(95巻)
・971~974話「標的は警視庁交通部」(95、96巻)
・983~984話「キッドVS高明 狙われた唇」(96巻)
・1003~1005話「36マスの完全犯罪」(97巻)
・1053~1054話「牧場に墜ちた火種」(99巻)
・1059~1060話「沖野ヨーコと屋根裏の密室」(99巻)
・1085~1086話「不吉な縁結び」(100巻)
・1105~1106話「キッドVS安室 王妃の前髪」(101巻)
・1109~1110話「高木と伊達と手帳の約束」(101、102巻)
・1135~1136話「大岡紅葉の甘い罠」(102巻)
・1150~1151話「怪盗キッドと王冠マジック」(103巻)
<スピンオフ>
・『警察学校編 Wild Police Story』
・『ゼロの日常』
<劇場版>
・『純黒の悪夢』
・『ゼロの執行人』
・『ハロウィンの花嫁』
・『黒鉄の魚影』
・『隻眼の残像』
松田陣平(まつだじんぺい)
所属:警視庁警備部機動隊爆発物処理班→警視庁刑事部捜査一課強行犯三係
CV:神奈延年さん
真っ直ぐで仲間思いの孤高の刑事
昔からどんな機械でも分解してしまう「分解魔」で、故障箇所の修理もお手のもの。子供の頃は萩原の実家の自動車修理工場で勝手に車を分解・改造するなどして萩原の父に怒られていたのだそうです。
たとえ相手が目上であろうとも臆することなく己の意思をぶつけ、自由気ままに振る舞っているようでもありますが、いつも真っ直ぐで仲間思い。危険な目に遭っている人がいれば必ず助けようと全力で立ち向かいます。
親友の萩原が爆弾解体中に殉職し、松田はその敵である爆弾犯を追うようになり、そして萩原に届かないメールを送り続けていました。
警察学校時代
試験の面接でのマイナスを、学科や実技、高いレベルの専門知識でカバーしていた松田。授業でも警察官の心得を即座に完璧に回答。しかし鬼塚教官には、傍若無人で協調性のなさは致命的と評されています。
松田は元々警察に強い不信感を抱いており、その理由はプロボクサーの父・松田丈太郎が殺人容疑で誤認逮捕されて将来が絶たれてしまったことにありました。
警察嫌いという松田は、警察官への熱意溢れる降谷とは当初殴り合いになるほど相容れない関係でしたが、5人の連携による鬼塚教官の救助を経て信頼関係が芽生え、二人は急速に打ち解けていきます。
警察を恨んでいるのに何故警察官を志したのか理由を聞かれた際には、警視庁のトップ・警視総監を殴るためだと話していましたが、警視総監が登壇した卒業式の日に殴らないのかと仲間から煽られると、ガキじゃあるまいしと胸を張ってすました顔をしていました。
警視庁警備部機動隊爆発物処理班に所属
警察学校在学中にスカウトされており、卒業後は親友の萩原と同じく警視庁警備部機動隊爆発物処理班に所属。爆弾事件で萩原を亡くし、その犯人を追うため爆弾事件を担当する特殊犯係に転属を希望するも、頭を冷やすようにと刑事部捜査一課強行犯三係に異動させられて憤っていました。
粗暴な態度で人を寄せ付けないところもある松田ですが、大切な亡き親友への想いはとても深いもの。萩原を死に追い込んだ爆弾犯から予告状を受け取ると、爆弾が仕掛けられた観覧車に一人乗り込みます。
爆弾自体は機動隊爆発物処理班のエースであった松田にとっては容易に解体できるものでしたが、別の爆弾の在処を知らせるヒントが爆発3秒前に表示されると知り、人々の命のために自らを犠牲にすることを選んだのです。
松田が刑事部捜査一課強行犯三係にいたのはわずか1週間でしたが、佐藤美和子刑事は年下とはいえ刑事としては自分の方が先輩だとして「松田くん」と呼んで共に行動していました。
松田が殉職したのは萩原と同じ11月7日。最後に松田から届いたメールを佐藤は長らく保存しており、後にその爆弾犯が逮捕されるまで引きずり、彼女の心に傷を残していました。
また、劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』では、物語序盤で爆死した人物が松田の名刺を持っていたことから、松田の死の前日(11月6日)の動向が語られています。
松田陣平の登場回一覧
<TVアニメ>
・301~302話「悪意と聖者の行進」(36巻)
・304話「揺れる警視庁1200万人の人質」(36、37巻)
・358~359話「本庁の刑事恋物語5」(40巻)
・535話「古き傷跡と刑事の魂」(64巻)
・983~984話「キッドVS高明 狙われた唇」(96巻)
・1098~1099話「風の女神・萩原千速」(101巻)
・1115~1116話「千速と重悟の婚活パーティー」(102巻)
<スピンオフ>
・『警察学校編 Wild Police Story』
<劇場版>
・『純黒の悪夢』
・『ハロウィンの花嫁』
伊達 航(だてわたる)
所属:警視庁刑事部捜査一課強行犯三係
CV:藤原啓治さん→東地宏樹さん
揺るぎない強い信念で正義を遂行
面倒見がよく、抜群のリーダーシップを持つ頼れる存在。正義を貫く信念が人一倍強く、正義を遂行するには「強さ」が必要だと考えています。
警察学校時代、逮捕術の訓練で10人抜きを達成し圧倒的な強さを見せる伊達は、痛めた膝を降谷が打ち抜かなかったことを弱さとして憤り、強くあることへの揺るぎない信念を滲ませました。このように伊達が強さを重要視するのは、元警察官の父に対しての想いが関係しています。
警察学校時代
警視庁警察学校では降谷、松田、萩原、諸伏と同期で、同じ鬼塚教場に在籍。成績は優秀で、降谷に次いで総合力2位という実力者。伊達は5人の中で班長を務めており、クセ者揃いのメンバーを見事な統率力でまとめあげていました。
降谷と松田の喧嘩の傷について教官に追求された際には伊達が機転を利かせてごまかしており、自らの班に強引にペナルティを与えて実行することで教官を黙らせることに成功。伊達の独断で課した罰に、メンバー全員が文句も言わず素直についてきていました。伊達は卒業後も親しみを込めて「班長」と呼ばれていたようです。
また、ハーフであり何かと見た目で絡まれる降谷を庇う伊達の姿を見た萩原から、降谷に好意があるのではと指摘されたのですが、この時伊達は思わず彼女がいることを話してしまい4人を仰天させるなんてこともありました。
彼女の名前はナタリー・来間。伊達が警察学校入学前から交際していた恋人で、大学時代にナタリーからバッグをひったくった犯人を伊達が取り押さえたのが出会いだそうです。
元警察官の父親への思い
父親は元警察官。少年時代のある日、伊達は父とコンビニに訪れた際に強盗に遭遇。幼い伊達は警察官の父が犯人を制圧すると期待したのですが、父は抵抗することなく土下座してやり過ごそうとしていました。
それが許せなかった当時の伊達は「父ちゃんはお巡りさんなんだぞ!」と食ってかかり、それに逆上した犯人から父は息子を庇って木刀で何度も殴られ、その後1年間入院することになり警察官を辞職。伊達は父に強さがあればと、正義を遂行するためには強くあるべきと考えるようになったのです。
この事件には偶然にも萩原が居合わせており、警察学校在学中に当時を思い出した彼の証言から、伊達は父の意図と真の強さを知ります。おかげで長年引きずっていた思いを吹っ切ることができた伊達は、久しぶりに父に電話しており、父と同じように爪楊枝を咥えるようになっていました。
警視庁刑事部捜査一課強行犯三係に所属
警察学校卒業後、所轄を経て警視庁刑事部捜査一課強行犯三係に配属。頼れる存在であり、巨漢の被疑者を瞬時に確保するなど優れた身体能力も発揮。高木 渉刑事の教育係も務め、同じ「ワタル」の名を持つコンビとして「ワタル・ブラザーズ」と命名して可愛がっていました。
しかし1年前、ある誘拐事件の容疑者宅を徹夜で張り込んだ朝方に、落とした手帳を拾おうとして交通事故に遭い、伊達は帰らぬ人に。高木は伊達から譲り受けた手帳を愛用し、彼の志を受け継いでいます。
伊達 航の登場回一覧
<TVアニメ>
・681〜683話「命を賭けた恋愛中継」(76、77巻)
・983~984話「キッドVS高明 狙われた唇」(96巻)
・1109~1110話「高木と伊達と手帳の約束」(101、102巻)
<スピンオフ>
・『警察学校編 Wild Police Story』
<劇場版>
・『ハロウィンの花嫁』
萩原研二(はぎわらけんじ)
所属:警視庁警備部機動隊爆発物処理班
CV:三木眞一郎さん
超ド級のドライブテクニック
優れた洞察力とコミュニケーション能力の持ち主。困っている人にはごく自然に手を差し伸べる優しさも。“女と車の扱いなら負けない”と自負し、細やかな気配りもできるモテ男です。
松田とは子供の頃からの付き合いで仲が良く、松田は萩原の実家の修理工場に遊びにきては分解を繰り返して怒られていたのだとか。萩原も機械いじりが得意でバイクの修理もお手のものです。
一番好きな車はマツダRX-7 FD3S。車の運転は怖いもの知らずなところがあり、ドライブテクニックは天才的。警察学校時代に起きたトラック暴走事故の救出の際には、一発勝負のアクロバット走行をやってのけています。
警察学校時代
親友の松田をはじめ降谷、伊達、諸伏と同じ鬼塚教場に在籍。チャラさの中にも誠実さや優秀さが垣間見えますが、優れた洞察力とコミュニケーション能力を女性関係にしか使っていないと鬼塚教官はぼやいています。実際、同期5人の中では一番モテているようでした。
父親の経営していた修理工場が順調だった頃、店舗を増やした途端に景気が悪化して倒産した教訓から、“絶対に倒産しない”という理由で警察官を目指したという萩原。在学中に松田と共に機動隊爆発物処理班に勧誘されるのですが、工場倒産の経験から順調を手放しで歓迎できず、“これは破滅への入り口なんじゃないか”とブレーキがかかっていました。
けれど、その後に起きたトラック暴走事故で「自分にはアクセルしか付いていない」という松田の言葉を思い出し、たまにはアクセルを踏み込むのも悪くないと思い至っています。
警視庁警備部機動隊爆発物処理班に所属
松田と同じく警視庁警備部機動隊爆発物処理班に配属。しかし、萩原は7年前の11月7日に爆弾解体中に殉職。
萩原は、後に連続爆破事件へと発展する最初の爆弾事件で現場へ。都内にある二つの高級マンションに爆弾が仕掛けられ、片方は松田が解除しました。萩原が担当した爆弾が本命だったようで解体に手間取り、仕方なく犯人の要求を飲んで爆弾のタイマーは停止されたのですが、止まっていたはずのタイマーが再び動き出し、萩原は即座に周囲へ避難を伝えるも自身が脱出する猶予はなく爆死。
松田とは死の直前まで会話しており、松田は親友との約束を果たすため、その爆弾犯を追い続けていきます。
姉は萩原千速
萩原の姉は、神奈川県警交通部第三交通機動隊小隊長・萩原千速(はぎわらちはや)。趣味はバイクで、ドライビングテクニックはコナンや蘭も驚くほど。アクロバット走行も華麗にこなす“風の女神”です。
亡き弟・研二の仇を取り、犯人逮捕に大きく貢献したコナンに恩を感じており、コナンのためなら命を賭けられると宣言しています。
萩原研二の登場回一覧
<TVアニメ>
・304話「揺れる警視庁1200万人の人質」(36~37巻)
・983~984話「キッドVS高明 狙われた唇」(96巻)
・1098~1099話「風の女神・萩原千速」(101巻)
・1115~1116話「千速と重悟の婚活パーティー」(102巻)
<スピンオフ>
・『警察学校編 Wild Police Story』
<劇場版>
・『ハロウィンの花嫁』
諸伏景光(もろふしひろみつ)
所属:警視庁公安部
CV:緑川 光さん
降谷の幼馴染で大親友
優秀で正義感が強く、朗らかで優しくて生真面目な性格。長野県警捜査一課警部・諸伏高明の実弟であり、降谷とは幼馴染の大親友です。
また、群馬県警の山村ミサオとは諸伏が長野にいた頃の幼馴染。推理中の高明を見た山村が、幼い頃に県境にある秘密基地で一緒に遊んでいた“ヒロちゃん”こと景光を思い出し、山村と景光が幼馴染だったことが明らかに。さらに、大人になった景光が秘密基地にメッセージを残していたことも判明しています。
「長野夫婦惨殺事件」
幼少期に両親が殺害され、トラウマを抱えていた諸伏。事件当時、家に居たのは両親と幼い諸伏の3人。翌日、兄の高明が中学の林間学校から帰ってくると両親が殺害されていて、隠れていた景光に何があったのか尋ねています。この事件は未解決のまま、高明は長野、景光は東京の親戚に引き取られて兄弟は離れ離れに暮らしていました。
事件のショックで幼い景光は軽い記憶喪失に。一時期失声症にもなってしまいましたが、引越し先で降谷との出会いをきっかけに立ち直ることができたのだそうです。
警察学校時代
降谷、松田、伊達、萩原と同い年の同期で鬼塚教場に在籍。降谷とは特に仲の良さが垣間見え、降谷が褒めたお通しを「このくらいならオレでも作れるから」と料理を教える約束をしており、さらに降谷がRX-7に興味を示したことも見逃しませんでした。
同期たちと友情を育んでいく一方で、両親を殺害されたトラウマは根深く、警察学校在学中に夢で見たりフラッシュバックにより恐怖で固まってしまうことも。この当時はまだ犯人が捕まっておらず、諸伏が警察官を志したのは両親を殺害した犯人をみつけるためだと明かしています。
犯人を探すなかで少しづつ当時の記憶が蘇っていく諸伏は、思い出した内容を兄に電話で報告。兄の助言や仲間たちの助けもあり、やがて犯人へと辿り着き、仲間を信じる心と強い正義感も見せました。
警視庁公安部に所属し、NOCとして組織に潜入
諸伏は警視庁公安部に所属。NOCとして黒ずくめの組織に潜入し、「スコッチ」のコードネームを得るまでに至ります。しかし正体が露見してしまい、逃げ場がなくなった諸伏のもとへと降谷が駆けつけたときには、「ライ」として潜入中だった赤井の拳銃を奪って自身の胸を拳銃で撃ち抜いたあとでした。
胸ポケットには家族や仲間の情報が入ったスマートフォンがあり、諸伏はその大切な人たちを守るために自ら死を選んだのです。赤井はNOCだとバレた諸伏を逃がそうとしていましたが、一瞬の隙を突かれて彼の自決を止めることができず、降谷から激しく憎まれるようになります。
遺品は降谷から高明のもとへ
諸伏は兄・高明とは東京と長野で離ればなれになっても電話や手紙のやり取りをしていましたが、公安に配属されたため「警察官を辞めた」と告げて音信不通に。公安に配属されたこと、殉職のことも家族に伝えられない規則ですが、遺品であるスマートフォンは降谷から密かに高明のもとへ渡りました。
高明は弾痕が残るスマートフォン(穴の内側には黒ずんだ血痕があり、裏面には特徴的な「H」の文字が刻まれている)を見て、それが弟のものであると察し、おそらく警察を辞めたのではなく公安に配属されて、どこかに潜入中に命を落としたのだと弟の死を悟ります。
高明はそのスマートフォンが入った封筒を警視庁で受け取ったのですが、この封筒は亡くなった伊達のロッカーから見つかった小包に入っていたもので、「長野県警の警部に送ってくれ」という内容のメモ書きが。字は滲んでいるものの高明宛てであると推測できますが、差出人の名前は見当たらず、あったのは「0」の一文字のみでした。
諸伏景光の登場回一覧
<TVアニメ>
・836~837話「仲の悪いガールズバンド」(88、89巻)
・866~867話「裏切りのステージ」(90巻)
・983~984話「キッドVS高明 狙われた唇」(96巻)
・1003~1005話「36マスの完全犯罪」(97巻)
・1123~1124話「群馬と長野 県境の遺体」(102巻)
<スピンオフ>
・『警察学校編 Wild Police Story』
<劇場版>
・『ハロウィンの花嫁』
コミック最新第107巻
『名探偵コナン』コミック最新第107巻では、7年前の警察学校時代の5人と工藤新一&毛利 蘭との出会いのエピソードが深掘りされています。
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