町中華の気軽さで高級店の味を楽しめるモダンチャイニーズの新店【福岡市・野間】
惜しまれつつ閉店した野間の「凛丹 打鉄老舗」の場所に、4月から新店舗「chinois 火華」がオープンしていると聞いて早速おじゃましました。オーナーシェフは「凛丹」出身の木田正義さん。北京・広東料理の「八仙閣」と上海料理「蓮双庭」で計10年、さらに「凛丹」で3年ほど経験を積み、独立してこの場所を引き継ぎ自身の店をオープンされました。
こちらの店舗では、「凛丹」の流れを汲みつつ木田さん流にアレンジした大胆かつ繊細な中華料理の数々を、昼は定食スタイルでカジュアルに、夜は落ち着いたシックな雰囲気で楽しめます。
現在、夜は料理もホールもシェフ一人で切り盛りしているため、基本的には「火華コース」(7700円/要予約)のみの提供。ただし、当日空席があれば店のインスタグラムにアップされ、予約なしでも利用可能。その場合はコースではなくアラカルトになるそうです。
※店舗より提供
コースのスタートは12種もの料理が盛られた前菜プレート。「車エビの金砂炒め」「タコの青ネギソース和え」「よだれ鶏」「トマトの桂花陳酒漬け」「クラゲ杏和え」などなど、食材の種類の多さや彩りの美しさはもちろん、食感、香り、味のバリエーションの豊富さに驚きます。一つひとつが完成されていて、1本のオムニバス映画を見ているようです。
※店舗より提供
次に出てきたのがコロンとしたフォルムがかわいい「チャイナメロンパン」。メロンパンはメロンパンでも、サックリふわふわのパンの中に甘い叉焼が入った「叉焼包」。焼きたてアツアツをいただきます。甘塩っぱさがクセになりそう。
そしてお次は「フカヒレと白菜のとろみ餡スルスル蒸しスープ」。フカヒレがたっぷり入った贅沢なスープは、飲む茶わん蒸しのようなゆる~い食感で体も心も温まりました。
※店舗より提供
さらに点心と続き、いよいよメインの海鮮料理「伊勢えびの朝天唐辛子の山椒炒め」の登場です。見かけは辛そうですが、丸い形をした朝天唐辛子は香りと辛味のバランスがよく、サクサクに揚げた伊勢エビの甘味と好相性でした。
実はこの店をオープンする前に魚のことを勉強したくて鮮魚店で魚を捌いていたという木田さん。今後、得意の魚料理をメニューに加えていく予定だそうで、そちらも楽しみです。
もう一品のメインは肉料理「グリーンアスパラガス牛肉の黒胡椒ソース」。そしてシメは麺か飯を5種からチョイスし、最後はデザートと中国茶とともに、いただいた料理を思い出しながら余韻に浸ります。
どの料理もシェフの腕とセンスのよさを感じさせるものばかり、コース全体の流れや味のバランスもよく、ボリュームたっぷり。フカヒレや伊勢えびなどの高級食材がお目見えするコスパのよさも驚きで、わざわざ野間まで足を運ぶ価値大の大満足コースでした。半個室があるので記念日に利用するのもおすすめです。
※店舗より提供
ちなみに、「凛丹」のころから大人気だったランチは今も続けていて、店がオープンした時から大盛況。以前と同じ定食スタイルで、メインの料理に前菜5種、サラダ、スープ、ごはんが付いています。メインは「四川麻婆豆腐」「エビチリ」「黒酢スブタ」などの定番中華メニューに加え、週替わり1種の全4種。このほか、かけご飯の定食(1320円)や麺セット(1250円)もあります。
がっつり昼の町中華定食としっとり夜のモダンチャイニーズのコース料理と、2つの顔をどちらも楽しんでみて。
chinois 火華(シノワ カカ)
福岡市南区野間4丁目17−30 大池ニューハイツ1F
092-408-8191