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横浜駅の相鉄口を出ると、目の前に「西口五番街」がある。かつてはキャバレーやバーが立ち並ぶ歓楽街だったようだ。調べたところ “リトル歌舞伎町” なんて言われたりもするらしい。やや昭和レトロな雰囲気も漂っている。

今回訪れたのは、西口五番街で半世紀以上店を構えている「横濱珈琲店五番街」。朝8時30分から営業しているそうなので、レトロな純喫茶でゆったり過ごすことにした。

・西口五番街

西口五番街は、駅前にありながら “裏通り” みたいな雰囲気が漂っている。大学時代、私は横浜駅の近所に住んでいたのだが、西口五番街から発せられる独特のオーラが少し苦手で、用がない限り近寄ることはなかった。

そんなわけなので「横濱珈琲店五番街」の存在を知ったのもつい最近のこと。駅近くの宿でチェックインを済ませ、ぶらぶら散策している時に発見した。営業終了間際だったため、スタッフの方におすすめメニューを聞き、翌朝あらためて訪問することに。

開店時間は朝8時30分。モーニング目当てにやってきたが、お店は夕方みたいな静かな雰囲気に包まれていた。歴史ある純喫茶がなせる技なのかもしれない。看板によると、横濱珈琲店は1965年に輸入食料グロサリーから珈琲店になったそうだ。

サイフォン仕立てのストレートコーヒー、ネルドリップのアイスコーヒー、テイスト20種以上を堪能できる珈琲専門店とのこと。

・全席喫煙可

ただ昭和な感じではなく、横浜っぽいレトロモダンな店内。全席喫煙可。もしかしたら横浜駅から最も近い喫煙所かもしれない。おかげで常連客も多いもよう。

すでにオススメメニューは教えてもらっているが、一応メニューを確認しておく。モーニングやトーストのセットが充実しているようだ。

・人気メニュー

結局おすすめされた「ピザ ＆ シナモン」のセット（1210円）を頼むことにした。ドリンク付きで、アイスコーヒーを注文。重厚な風味と香りが楽しめるネルドリップのアイスコーヒーである。

先にやってきたのは、アイスコーヒー。うむ、苦味と深いコクが感じられる。歴史ある純喫茶の味だ。かなり飲みごたえがあって、濃厚な余韻によってしっかり目も覚める。

シンプルなピザ ＆ シナモンのトーストも懐かしい味。少し待っただけあって焼き加減が絶妙。

ピザトーストはこだわりの自家製のトマトソースを使っていて、チーズはトロトロだ。

そしてシナモンの香りとサクッとした食感、ジュワッと広がるウマさがたまらなく良い。ほろ苦いアイスコーヒーとの組み合わせが非常に贅沢である。

きっとタバコも美味しく感じるのだろう。横浜駅前でこんなに贅沢な時間を過ごすことができるとは……想像より良かった。

・穴場

というわけで、都会の喧騒を忘れる空間でゆったりとくつろげるからぜひ利用してみてほしい。駅前なので待ち合わせ場所にもいいかも。西口五番街は開拓しがいがありそうです。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名：横濱珈琲店五番街
住所：横浜市西区南幸1-5-24
時間：8:30〜21:00
休日：月曜日

執筆：砂子間正貫
Photo：RocketNews24.