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【雨・風・濁りが釣果にもたらす影響とは?】シーバス釣り愛好家が外的条件について考察

TSURINEWS

シーバス(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)

河川でシーバスが釣れる条件といえば、誰もが思い付くのが流れとベイトだ。この2つは確かに重要だが、釣果はそれだけで決まるわけではない。加えて必要なのは「外的条件」 だ。つまり潮周りや流れ、ベイトといった、川の中を中心とした条件ではなく、主に天候による外的な要因(雨・風・濁り)といった一連の条件がプラスアルファで加わることが重要だ。では、なぜ重要なのかここにあらためて整理してみたい。

シーバスが釣れる「外的条件」3選

それではさっそく釣果を左右する外的条件について、筆者の考えを書いてみたいと思う。

濁り

まずはこれだ。この濁りがないとシーバスを釣ることはなかなか難しい。特にデーゲームではなくてはならない条件といってもいい。やはり濁るとそれだけ魚の警戒心は薄れ、ルアーへの反応も違ってくる。シーバスは近視で実はルアーの色を見分けるらしいが、濁りがあれば普段食わない色でも食い付いたりしてくるので、釣りやすくなることは確かだ。そしてこの濁りを生む主な発生源が次に紹介する雨だ。

魚が見えるくらいの濁りがいい?(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)

ゲリラ豪雨などの極端な雨を除き、やはり雨が降ると魚の活性は上がる。これも単に酸素量が増えるだけでなく、流れと濁りを生むからだ。適度な濁りなら魚の警戒心は薄れ、意外にも水面直下のトップで釣れたりする。そして水の流れが弱い時も上流から流れてくる水で流れがプラスされる。

確かに釣る方は釣りにくくなるが、濁りと流れを生む雨はまさに恵みの雨となる。ただし雷雨や豪雨は別で、身に危険が及ぶような雨はすぐにでも釣りを止めた方がいい。

雨は濁りと酸素を供給する(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)

風を嫌うシーバスアングラーは多い。糸を流せないしコントロールできないなど、繊細な釣りをしにくくなるので風は嫌われることが多い。しかし、上級者になればこの風を味方に付ける釣り方をマスターしている。流れが弱い場所などでは風の力を利用してポイントへ流し込んだり、追い風で飛距離をかせいだりと、マイナスをプラスに変える釣りをしている。

その意味でも風は吹かないより吹いていた方がいい。ただし、人も物も吹き飛ぶような爆風は論外だ。

風を味方に付ける釣りをしよう(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)

人的条件でスレるは本当か?

よく聞くのが、「人が入れ代わり立ち代わり入るような場所は、スレていて釣れない」「ルアーを見慣れているから食わない」だ。確かにそれはある。長年陸っぱりからシーバスを釣っていると、魚はいてボイルもあるのに以前より簡単に食わなくなったポイントは多数ある。

しかし、その一方で動画や雑誌などで何度も取り上げられ、1年を通してアングラーが途切れない超メジャースポットが千葉にはいくつもあるが、今だに行けば必ず釣れるような不思議なポイントもある。もちろん、季節や潮周りなどで釣果に差はあるが、長年安定しているポイントもある。こんな場所こそスレていて当然だと思うが、なぜだろう。

様々な要因があるとは思うが、1番は環境の変化だ。近年は地球温暖化が顕著になり、台風や大雨は毎年のことだし、それに伴った河川の工事も頻繁に行われている。台風によって水がかき回されて酸素量が増え、上流のベイトも水流で流されてくる。そして適度な濁りが残れば、台風の後はシーバスフィッシングの好条件が揃うというわけだ。

さらに護岸工事で川幅が広がれば、魚はより行動範囲を広げられる。もちろんこれだけが原因ではないが、環境の変化はスレたポイントを復活させる皮肉な原因ともなっている。

こういった地球規模の変化にも目を向けてみると、「あそこはもう釣れない」という場所がなくなることもある。それもシーバスフィッシングの楽しさの1つなのだ。

外的要因は釣果を左右する(提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)

<宮坂剛志/TSURINEWSライター>

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