きれいに澄んだ極上スープ。プロが教える「コンソメ」の作り方
手作りは格別の味。プロが教えるコンソメの作り方
たっぷりの牛肉と野菜で作るコンソメは格別のおいしさです。透き通る琥珀色がうつくしく、ひと口飲むと複雑な風味と旨味が広がって鼻から抜けます。
筆者は何も入れずにコンソメスープのみで味わうのがお気に入りの飲み方。パスタやグラタンなど、洋食の付け合わせにすれば食卓がレストランのような雰囲気になりますよ。
火加減が決め手。絶品コンソメの作り方
調理時間:360分
保存期間:冷蔵で2日、冷凍で2~3週間
牛すね肉と香味野菜で作る、シンプルなコンソメの作り方をご紹介します。ブイヨンをとってから、さらに材料を加えてコンソメを煮る方法です。ハーブやスパイスを使わず塩のみで味付けするため、素材そのままの旨味を感じられますよ。
お好みでローリエや黒こしょう(ホール)で風味を足すのもおすすめ。火加減の調整やタイミング、混ぜ方をしっかり意識して作ってみてください。
材料(約600cc分)
牛すじ肉:約800g
玉ねぎ:1/2個
セロリ:1本
にんじん:1/2本
卵白:1個分
塩:適量
水:2L
オリーブオイル:適量
コンソメを作る5つのポイント
牛すね肉と野菜の一部を細かく刻んでコンソメ用の材料にする
食材が崩れないようにごく弱火でブイヨンをとる
卵白で余分な油やアクを吸着させる
コンソメ用の食材を入れたら沸騰する前に混ぜるのを止める
コンソメスープが沸騰し始めたらすぐに弱火にする
下ごしらえ
牛すね肉と野菜を切る
・牛すね肉200gを取り分け、包丁で叩くか、フードプロセッサーにかけて牛ひき肉にする(コンソメ用)
・玉ねぎ、にんじん、セロリの茎の1/3量を取り分け、みじん切りにする(コンソメ用)
・残りの玉ねぎ、にんじん、セロリの茎、セロリの葉は3~5cm角のざく切りにする(ブイヨン用)
作り方
牛すね肉と野菜に焼き色をつける
底が広いフライパンにオリーブオイルをひいて中火にかけ、ブイヨン用の牛すね肉、玉ねぎ、にんじん、セロリの茎を入れます。動かさずに2~3分焼き、全体を返してさらに2~3分動かさずに焼きます。
水と合わせる
鍋に1と分量の水を入れます。水の一部を焼き色をつけたフライパンに入れ、残っている香ばしい焦げ部分を溶かして鍋に加えます。
セロリの葉を加えて煮る
セロリの葉を加え、中火で煮立たせます。
アクを取りながら弱火で3時間煮る
煮立ったらすぐ弱火にし、かき混ぜずにごく弱火で3時間ほど煮ます。出てくるアクはこまめに取り除きます。大きく沸騰させると野菜が崩れてスープが濁るため、こまめに様子を見てください。
ザルでこす
キッチンペーパーをザルに敷き、スープをそっと移してこし、そのまま置いて粗熱を取ります。煮た牛すじ肉は別の料理にご活用ください。
牛ひき肉、卵白、みじん切り野菜を混ぜる
コンソメ用の牛ひき肉と卵白をボウルに入れ、手で練るようによく混ぜます。卵白が牛ひき肉になじんでとろっとしたら、コンソメ用のみじん切り野菜を加えてさらに混ぜます。
ブイヨンと合わせる
鍋をきれいに洗って6を入れ、粗熱が取れたブイヨンを3回に分けて加え、そのつどよく混ぜます。この工程では火にかけません。
混ぜながら火にかける
中火にかけ、ヘラで鍋底をさらうように5分ほど混ぜ続けます。鍋底に牛ひき肉がくっつかないよう、ゆっくり鍋底全体を混ぜるのがポイントです。
沸騰する前に混ぜるのを止める
小さな泡がふつふつ出てきたら混ぜるのを止めます。卵白が固まり始める温度(60~70℃)からは触らず、アクや油が吸収されるのを邪魔しないようにします。
表面に穴を開ける
スープの表面が2~3カ所沸いてきたらすぐに弱火にし、沸いている部分の穴を開けるように、牛ひき肉をお玉でそっとすくって端に寄せます。穴を開けて臭みと蒸気の逃げ道を作るのがポイントです。
弱火で2時間煮る
ごく弱火で約2時間煮ます。アクが浮かんできても触らず動かさず、大きく沸騰しないよう注意しながら見守ります。
1時間経つと濁りがなくなり、スープが透き通ってきます。
そっとこす
ザルにキッチンペーパーを重ね、そっとスープを移し、自然にスープが落ちるのを待ちます。牛ひき肉を押したり絞ったりすると、濁りや臭みが移るためご注意ください。
塩で味をととのえる
塩で味をととのえて完成です。
ひと手間かけて琥珀色のコンソメに♪
牛すね肉と野菜に強めの焼き色をつけると琥珀色のコンソメスープに仕上がります。色だけでなく、香ばしさや旨味も加わって深い味わいになるのも特徴です。黒く焦がすと色が濃くなりすぎて苦味も出るので、おいしそうと感じる焼き色を目指しましょう。
炒める工程では火を通す必要がないため、中火でさっと表面のみを焼き、生のかたい状態で煮込む工程にすすむのがポイントです。薄い黄金色のコンソメスープを作りたい場合は焼き色をつける工程を省略してください。
できあがったコンソメは冷凍保存がおすすめ
コンソメは時間が経つと風味が落ちやすいため、すぐに使わない分は冷凍保存するのがおすすめです。製氷皿に入れて凍らせてから、フリーザーバッグに入れて密閉した状態で冷凍保存しましょう。油が浮いている場合は、冷蔵庫で冷やして白く固まる部分を取り除いてから冷凍してください。冷凍保存の目安は2~3週間です。
よくある質問
牛肉以外の肉でも作れますか?
ブイヨン用の牛肉は骨付きの鶏肉、コンソメ用の牛ひき肉は鶏もも肉のひき肉でも作れます。ブイヨンには鶏ガラや鶏手羽先や鶏手羽元など、旨味が濃い骨付きの部位を使いましょう。牛肉と鶏肉を組み合わせて使ってもおいしいです。
野菜だけでも作れますか?
野菜だけでも作れます。玉ねぎやセロリ、にんじんのほか、干ししいたけやじゃがいも、キャベツ、トマト、にんにくなど身近な野菜をたっぷり使ってください。ひき肉と卵白を使用する工程は省略し、じっくり煮込んでこすだけで作れます。
本格的なコンソメの作り方にチャレンジしてみましょう
手の込んだ料理に調整したいときや、ぜいたくで上品なスープを作りたいときは、コンソメの作り方を参考にしてみてください。牛肉の旨味とコク、野菜の風味が絶妙なスープが作れますよ。記念日や誕生日など、特別な日に時間をかけて作るのもいいですね。
ライター:Uli(webライター)