Yahoo! JAPAN

光源氏は月明りで見た末摘花の姿に驚愕!?醜女でも情をかけて世話をするのはなぜ?【図解 源氏物語】

ラブすぽ

光源氏は月明りで見た末摘花の姿に驚愕!?醜女でも情をかけて世話をするのはなぜ?【図解 源氏物語】

内気すぎる姫君への対応に苦慮

夕顔を亡くした喪失感を埋められずにいた源氏は、乳母子(めのとご)である大輔命婦(たいのふみょうぶ)から、夕顔に似た境遇で、荒れ果てた邸でひっそりと暮らしている故常陸宮(ひたちのみや)の姫君(末摘花 すえつむはな)の話を聞いて関心を抱きました。その姫君を垣間見に出かけ、聞こえてくる琴の琴(きんのこと)の音色に心ときめかせます。すると、頭中将があとから来て、二人は争って末摘花に手紙を送ることになります。

源氏は、返事がこないので頭中将になびいたのかと心配になり、秋、大輔命婦に手引きをさせて末摘花と契りました。しかし、姫が甚だしく内気で、すべてに反応が鈍いことに落胆し、早いほどよい後朝の文(きぬぎぬのふみ)も、夕方になったほどでした。しばらく足が遠のいた源氏でしたが、ある雪の夜、思い立って末摘花を訪問しました。その翌朝雪明りの中で見た末摘花の容貌は、驚くべきものでした。

胴長で、鼻は長く垂れ下がり、先が紅花で染めたように赤く、肌は白く青ざめ、おでこは広く、顔の下半分が長く、何とも不細工でした。唯一の取り柄は髪で、身長より長くまっすぐな黒髪はどんな姫君にも負けない美しさでした。がっかりした源氏でしたが、その容貌を見て、かえってあわれを催し、貧しさにも同情して面倒を見ようと決意します。その一方で、ますます美しくなる紫の上(以前の若紫)を愛おしみ、鼻の赤い女性の絵を描いたり、自分の鼻を赤く染めたりして戯れるのでした。

乳母子・・・乳母の子。乳兄弟。なお、大輔命婦の母と惟光の母は別の乳母。
琴の琴・・・中国産の七弦の琴。源氏物語中では皇族に伝わる高貴な楽器とされる。
後朝の文・・・共寝(ともね)した翌朝に、男性から女性に送られる手紙のこと。。

容貌が好みでもないのに、なぜ情をかけて世話をする?

日本神話には、不器量な相手を親元に帰したために、命は有限になったという話が出てくる。また『伊勢物語』には、老女に情けをかける男の心を賞賛する記述がある。これらを踏まえると、醜女でも見捨てず、生涯世話することで、真の色男としての理想像を示したと考えられる。

容貌が好みでもないのに、なぜ情をかけて世話をする?

光源氏と末摘花の物語は、出会ってからも末摘花が返歌をしなかったり、光源氏が若葉と出会い藤壺と密会したりと、遅々として進まない。やがて光源氏に忘れられ、末摘花は没落の一途をたどるが、父の邸宅をかたくなに守るうちに再び光源氏が訪れる。最終的には光源氏の二条東院(にじょうひがしのいん)へ迎え入れられ報われる。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 源氏物語』高木 和子 監

【関連記事】

おすすめの記事