7割以上の総務が情報収集に注力。現場からの情報収集は、約半数が「ぶらぶら総務」を実践
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『月刊総務』は、全国の総務担当者を対象に「総務の情報収集についての調査」を実施し、103人から回答を得た。
・調査結果 概要
・7割以上の総務が情報収集に注力して取り組む。3割以上の総務が「経営からの情報収集」に特に力を入れている
・現場からの情報収集は「社員へのヒアリング」が最多。約半数が「ぶらぶら総務」を実践
・経営からの情報収集は「会議の議事録の閲覧」が最多
・社外の最新情報収集はインターネットが主要手段
・総務に情報収集力が必要な理由は「労働環境改善」や「問題の早期発見」など
・総務の情報収集の最大の課題は「リソース不足」
・ハイブリッドワークにおける情報収集のポイントは「定期的な情報共有の機会設定」
・情報収集力を高めるための取り組みは「外部セミナー・研修の受講」が最多
7割以上の総務が情報収集に注力して取り組む。3割以上の総務が「経営からの情報収集」に特に力を入れている
総務部門が情報収集にどの程度力を入れているか尋ねたところ、7割以上が力を入れていると回答した。また、現場や社外からの情報収集よりも、経営からの情報収集に特に注力している総務が多いことがわかった(n=103)。
現場からの情報収集は「社員へのヒアリング」が最多。約半数が「ぶらぶら総務」を実践
現場からの情報収集の方法について尋ねたところ、「社員へのヒアリング」が61.2%で最も多く、続いて「社内の様々なフロアへ足を運ぶ(ぶらぶら総務)」が47.6%、「社内会議への参加」が39.8%と続いた(n=103)。
<現場から収集している情報 / 一部抜粋>
・オフィスに関しての困りごと
・職場の人間関係
・ウェルビーイングに関する希望
・会社への不満や要望
経営からの情報収集は「会議の議事録の閲覧」が最多
経営からの情報をどのように収集しているかについては、「会議の議事録の閲覧」が55.3%と最も多く、「経営会議への参加」が36.9%、「ミーティングの実施」が35.9%と続いた(n=103)。
経営層との直接的なやり取りよりも、文書を通じた情報収集が多いことが明らかとなった。
<経営から収集している情報 / 一部抜粋>
・中期経営計画の進捗
・SDGs関連目標からの総務の役割
・サステナビリティ情報
社外の最新情報収集はインターネットが主要手段
社外の最新情報をどのように収集しているかについて尋ねたところ、78.6%が「インターネット検索」を利用していると回答した。次いで、「ニュースサイト・メルマガ」が61.2%、「新聞・雑誌・テレビ等のメディア」が60.2%と、多くの回答者が複数のメディアを活用していることがわかった(n=103)。
・インターネット検索:78.6%
・ニュースサイト・メルマガ:61.2%
・新聞・雑誌・テレビ等のメディア:60.2%
・外部セミナー:58.3%
・展示会・発表会:44.7%
・サプライヤーやベンダーなど社外取引先:26.2%
・総務同士の横のつながり(異業種交流会など):16.5%
・SNS(X、Facebookなど):13.6%
・情報収集ツール:10.7%
・社外イベント:9.7%
・YouTube:8.7%
・その他:1.0%
・社外の最新情報を収集していない:2.9%
<社外から収集している情報 / 一部抜粋>
・法改正やトレンド情報
・健康経営や働き方改革について
・採用活動や安全衛生への取り組み
・新しいシステム導入事例
総務に情報収集力が必要な理由は「労働環境改善」や「問題の早期発見」など
総務部門が情報収集力を必要とする理由について尋ねたところ、「労働環境を改善させるため」が73.8%、「社内の問題点を早期に発見するため」が71.8%と高い割合を占めた(n=103)。
総務の情報収集の最大の課題は「リソース不足」
情報収集に関する課題について尋ねたところ、「情報収集のためのリソース不足」が47.6%で最も多く、「社内の協力体制の不足」が46.6%、「情報分析力の不足」が42.7%と続いた(n=103)。
ハイブリッドワークにおける情報収集のポイントは「定期的な情報共有の機会設定」
ハイブリッドワーク(リモートとオフィスの併用)における社内の情報収集のポイントについて尋ねたところ、「定期的な情報共有の機会設定」が54.0%で最も多く、次いで社内コミュニケーションツールの導入」が47.6%という結果になった(n=63/ハイブリッドワークの人)。
<ハイブリッドワークで社内の情報収集で、特に重要視している情報源>
・部署のキーマンへのヒアリング:57.1%
・チャットツールの活用:33.3%
・定期的なアンケート調査:20.6%
・デジタルツールによるフィードバック収集:19.0%
・その他:1.6%
・重要視しているものはない:20.6%
情報収集力を高めるための取り組みは「外部セミナー・研修の受講」が最多
総務部門が情報収集力を高めるために行っている取り組みについて尋ねたところ、「外部セミナー・研修の受講」が57.3%で最多となった。また、「他部署との連携強化」が37.9%、「デジタルツールの導入」が30.1%と続き、外部からの学びや社内連携が重視されていることがわかった(n=103)。
総評
今回の調査結果から、総務部門が情報収集において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。特に、現場や経営からの情報収集に力を入れることで、企業全体の運営に貢献していることが伺える。また、労働環境の改善や従業員満足度の向上を目指した情報収集の重要性が高く認識されており、総務部門が企業の持続的な成長と健全な職場環境の構築において、ますます重要なポジションを占めていることが示されている。
一方で、情報収集におけるリソース不足や協力体制の不備が依然として課題となっており、これらを解消するための取り組みが求められる。外部セミナーの受講やデジタルツールの導入など、積極的な対策が行われているものの、さらなる支援と強化が必要となる。
総務部門が情報収集力を高めることで、企業全体の意思決定や問題解決において、より迅速かつ的確な対応が可能となる。今後も、企業の競争力を支える強力な基盤としての役割を担っていくことが求められるだろう。
【調査概要】
調査機関:自社調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間:2024年7月10日〜2024年7月17日
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など