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ドローン操縦スキル上達のために。回転翼3級から国家資格がベスト![前編]

DRONE

ドローンの操縦スキルが上達する「ドローン操縦士回転翼3級」を運営しているDPAを取材。回転翼3級が国家資格の取得に近道となるのか、実際のカリキュラムを体験した

現在、ドローンの操縦資格には「民間資格」と「国家資格」の2つが併存している。これから資格取得を考える人は、どちらがよいのだろうか?

今回、ドローン操縦技術や知識が身につき、ビジネスにつなげるのに最適解といわれる民間資格「ドローン操縦士回転翼3級」について、その特徴や強みを団体やスクール、取得者に話を聞いてみた。

ドローン操縦資格の現状

一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)は2016年に設立された、ドローン業界の中では老舗に入る国土交通省認定の登録管理団体だ。

DPAでは民間資格「ドローン操縦士回転翼3級」の発行や運営を担っている。回転翼3級はこれまでに累計1万3000人以上が取得。ドローン業界では大手の民間資格で、その特徴は徹底して操縦技術を磨くことにある。

徹底したトレーニングに裏付けされた操縦技術を持つ資格取得者はドローン業界での評価が高く、「回転翼3級を持っているなら安心して仕事を任せられる」という声を聞く。

また、DPAでは受講生の個別指導を取り入れている。インストラクターが受講生の習熟度を見ながら指導内容を調整してくれるので、初めてドローンに触れる人でも安心して受講できる。また、どのスクールも屋内の常設練習施設を所有している。雨天のため練習中止にはならないので、受講スケジュールが組み立てやすいことも、忙しい人にとってはうれしいポイントだ。

回転翼3級の仕組み

民間資格は、人口集中地区でのドローン飛行など特定飛行の許可・承認を得るときのエビデンスとして活用されており、取得するメリットのひとつだ。

国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」には、「一等無人航空機操縦士」(一等)と「二等無人航空機操縦士」(二等)の2種類がある。今後ビジネスでドローンを利用するのなら、国が知識と技術を証明してくれる国家資格の取得は必須というのが、ドローン業界における大きなトレンド。実は、民間資格は国家資格の取得に活かすことが可能だ。

国家資格の取得には操縦技術に関する「実地修了審査」を受検しなくてはならない。操縦技術をしっかり身につけておかないと試験課題の飛行は困難だ。だが、回転翼3級は実際の現場での活用を想定し、非GPS環境で不安定な機体で操縦訓練をするため、国家資格二等の実技項目よりも難しく、一等資格の実技に近いものになっている。

DPAの吉野次郎代表理事は、高い操縦スキルが身につく回転翼3級について、次のように説明する。

吉野次郎代表理事:審査で問われる操縦技術は、二等、回転翼3級、一等の順で難しくなっていくと考えています。つまり回転翼3級を取得できれば、一等の実地修了審査にも対応できるほど、操縦技術を高められます。回転翼3級を取得するために、しっかりと操縦技術を鍛えることが、一等取得の近道といえます。

DPAの吉野代表理事と練習用ドローン

ドローンスクールで国家資格を取得する際には、ドローンの経験の有無で「経験者」「初学者」に割り振られる。回転翼3級を取得していれば経験者として初心者よりも割安な料金で講習を受講できるケースが多い。

ドローン操縦士回転翼3級の特徴

回転翼3級の取得には座学5時間と実技10時間以上の講習を受ける必要がある。

座学5時間では、航空法や小型無人機等飛行禁止法といったドローンの飛行に関連する法律を中心に学習。スクールを修了後、ドローンを適法に飛行させるために必要な知識が理解できるまで、しっかりと勉強する。

実技10時間以上のなかでは徹底的に操縦訓練を実施する。DPAのカリキュラムで使用されるドローンはセンサーやGPSなどが搭載されていないため、操縦がとても難しい。不安定なドローンを的確に操縦できるようになるまで、徹底的に操縦訓練を実施する。

また、操縦技能の高いインストラクターによる、トレーナーコードを活用した少人数制での技能講習を実施している。インストラクターは、「バック円形飛行(反時計回り)」など高度な技能習得を含めた最低5日間以上の訓練を受け、試験を通過したエキスパートたちだ。

自動車教習で教官が助手席に座るように、万が一の場合にはインストラクターがプロボ操作で受講者側のプロボ操作をオーバーライド(上書き)することができるトレーナーコードに使用していることで、ドローンの操縦が未熟でも、自分の操縦技能の限界にチャレンジしながら、安心してステップアップできる環境が整っている。

ドローン国家資格の実地修了審査につながる回転翼3級

DPAのカリキュラムではその場で安定して飛行させる「ホバリング」、ドローンの向きを前後左右に変えたうえでホバリングを行う「4方向ホバリング」、長方形のコースを周回飛行する「四角移動」や対角を飛行する「斜め移動」、ドローンの向きを変えないで円を描く「円移動」といった、各種の飛行方法を一つひとつ身につけていく。

今回、一等を取得している編集部スタッフが、「D-WOLFドローンスクール下関」(山口県下関市)の協力の元、回転翼3級のカリキュラムを体験した。

早速離陸させてみると、ホバリングが安定しないことに慌てていた。だが、隣についた岩上星音インストラクターの丁寧な指導を受けるうちに、徐々に安定してホバリンクができるようになった。

D-WOLFドローンスクール下関の屋内練習場で回転翼3級のカリキュラムにチャレンジ

しかし、斜め移動や円移動では、あまりやったことのない操作方法となり、ドローンのコントロールにかなり手を焼いたという。これらの飛行は国家資格の課目になく、しかもかなり高度な操縦だ。

それでも隣についてくれた岩神インストラクターが操縦のポイントを随時アドバイスしてくれるので、だんだんと操縦のコツを掴むことができた。

最後に8の字飛行に挑戦した。8の字飛行は回転翼3級の準必須項目(講習必須、準修了審査項目)だが、D-WOLFドローンスクール下関では、操縦スキルの集大成として必須項目だという。実際、国家資格の実地修了審査にも含まれており理にかなっている。

八の字飛行は慣れた飛行…と思いきや、岩神インストラクターによれば、回転翼3級では「滑らかに8の字を描きながらの飛行」を求めているという。

じつは一等の実地修了審査では、滑らかでない飛行よりも、定められた飛行範囲を逸脱した場合のペナルティのほうが大きいため、飛行範囲の逸脱にばかり注意を払う8の字飛行をしていて、滑らかさがたりなかったのだ。ここでも岩神インストラクターのアドバイスを受けて練習するうちに、滑らかな飛行ができるようになった。

実際に体験してみてわかった、回転翼3級の取得が国家資格の取得の近道といえるポイントは以下の3つだ。

①機体を安定させて飛行させる技術が身につけられる回転翼3級のカリキュラムでは不安定なドローンを使用するので、制御するための技術を身につけることが可能だ。

②チェック基準が厳しいことが操縦技術の向上につながる回転翼3級では国家資格の採点基準よりも厳しくチェックしているため結果的に、国家資格で求められる以上の操縦技術を身につけることができる。

③インストラクターのマンツーマン指導で弱点を克服できる隣についたインストラクターが操縦者とドローンを観察し、自主練習では気付けないような操縦の癖を指摘するなど効果的なアドバイスをしてくれる。

ドローン操縦士回転翼3級は、民間資格ながら高度な操縦技術を身につけるための非常に有効な手段だ。国家資格の取得を想定した場合でも、回転翼3級の取得は基礎的なスキルを培い、実地修了審査の対策にもつながる。受講生は経験豊富なインストラクターから個別指導を受け、実践的なスキルを身に付けることができる。

これからドローンに挑戦したい人にとっても、ドローン国家資格を取得しているがドローン操縦スキルを向上させた人にとっても、まさにうってつけのドローン資格といえるだろう。

ドローン操縦士回転翼3級を学べるスクール一覧

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