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足がつる原因とは?ふくらはぎのつりを予防する方法を紹介

「みんなの介護」ニュース

内藤 かいせい

高齢者に多い「足がつる」原因と症状:ふくらはぎのつりに要注意

高齢者の方や介護に携わる皆様、「足がつる」という症状でお困りではありませんか?特にふくらはぎのつりは、高齢者の方々にとって深刻な問題となることがあります。この記事では、足がつる原因や症状、そして予防法について詳しく解説していきます。

加齢に伴う筋力低下とふくらはぎのつり

加齢とともに、私たちの体にはさまざまな変化が起こります。その中でも筋力の低下は、足がつる原因の一つとして考えられます。

特にふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は、歩行や立位を支える重要な役割を果たしていますが、加齢とともに弱くなりやすい部位です。

筋力が低下すると、日常生活での動きがスムーズでなくなり、ふくらはぎに負担がかかりやすくなります。これが、高齢者に足がつる症状が多い理由なのです。

高齢者に多い疾患と足がつる原因の関係

高齢者に多い疾患の中には、足がつる原因となるものがいくつかあります。これらの疾患を理解することで、より適切な予防や対策を講じることができるでしょう。

糖尿病:血糖値が高い状態が続くと、神経障害を引き起こし、足のつりの原因となることがあります。
末梢動脈疾患:足への血流が悪くなることで、筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、足がつりやすくなります。
電解質異常:体内の水分やミネラルのバランスが崩れると、筋肉の収縮に影響を与え、足がつる原因になります。
甲状腺機能低下症:代謝が低下し、筋肉の機能に影響を与えることで、足のつりを引き起こすことがあります。

これらの疾患がある場合、足がつる症状が頻繁に起こる可能性が高くなります。定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療につなげることができます。

生活習慣が引き起こすふくらはぎのつり

日々の生活習慣も、ふくらはぎのつりに大きな影響を与えます。特に注意すべき点は以下の通りです。

運動不足:適度な運動は筋肉を健康に保ちます。運動不足は筋力低下を招き、足がつりやすくなります。
水分不足:十分な水分摂取は、電解質バランスを保つために重要です。特に高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、意識的に水分を摂取することが大切です。
栄養バランスの偏り:カルシウムやマグネシウムなどのミネラル不足は、筋肉の機能に影響を与えます。バランスの取れた食事を心がけましょう。
不適切な靴の使用:足に合わない靴や、長時間のハイヒールの使用は、ふくらはぎに負担をかけ、つりの原因となることがあります。

これらの生活習慣を見直すことで、ふくらはぎのつりのリスクを軽減できる可能性があります。

寝ている時や睡眠中に足がつる原因は何?

多くの方が経験するのが、睡眠中に突然襲ってくる足のつりです。これには以下のような原因が考えられます。

寝具の問題:硬すぎるマットレスや、体に合わない枕は、体全体の筋肉の緊張を高め、足のつりを誘発する可能性があります。
睡眠中の脱水:夜間は水分摂取が少なくなるため、体内の水分バランスが崩れやすくなります。
日中の疲労:日中の活動で蓄積された疲労が、睡眠中に筋肉の異常な収縮を引き起こすことがあります。

睡眠中の足がつってしまうと、睡眠の質の低下につながる要因にもなります。適切な対策を講じることで、快適な睡眠環境を整えることができます。

ふくらはぎのつりを予防するためには

ふくらはぎのつりは、適切な予防策を講じることで、その発生リスクを大幅に減らすことができます。ここでは、日常生活で実践できる予防法をご紹介します。

適切なストレッチと運動療法

ストレッチや適度な運動は、ふくらはぎのつりを予防する上で非常に効果的です。以下のような方法を日常的に取り入れてみましょう。

ふくらはぎのストレッチ 壁に手をついて立ち、片足を後ろに引いてふくらはぎを伸ばします。
15~30秒間保持し、両足で交互に行います。
1日3回程度行うことをおすすめします。
アキレス腱のストレッチ 階段の一段目に足のつま先をかけ、かかとを下げてアキレス腱を伸ばします。
15~30秒間保持し、両足で交互に行います。
ウォーキング 無理のない範囲で、毎日15~30分程度のウォーキングを心がけましょう。
歩幅を意識し、かかとから着地するようにすると、ふくらはぎの筋肉をバランスよく使うことができます。

これらの運動は、筋力の維持・向上だけでなく、血行促進にも効果があります。ただし、持病のある方は自己判断せず、必ず主治医に相談の上、適切な運動量を決めましょう。

食事と水分補給の管理方法

適切な栄養摂取と水分補給も、ふくらはぎのつり予防に欠かせません。

バランスの取れた食事として、カルシウム、マグネシウム、カリウムを意識的に摂取することで、筋肉の健康維持にも役立ちます。

適切な水分補給も意識してください。

1日あたり1.5リットル程度の水分摂取を目安にしましょう。
加齢に伴って喉の渇きを感じにくくなる場合があるので、定期的に水分を摂るよう心がけましょう。
スポーツドリンクなど、電解質を含む飲料も適度に取り入れると良いでしょう。

アルコールや茶類の過剰摂取は利尿作用があり、体内の水分バランスを崩す可能性があります。これらの飲み物を摂取する際は、水を補給することも心がけましょう。

適切な栄養と水分の摂取は、全身の健康維持にもつながります。個々の健康状態に合わせて、無理のない範囲で実践しましょう。

就寝時の姿勢と環境整備

質の良い睡眠をすることも予防につながります。就寝時の姿勢や環境を整えることで、睡眠中に足がつるリスクを軽減できるのです。

まずは、適切な寝姿勢です。仰向けで寝る場合は、膝の下に小さな枕を置いて、ふくらはぎの筋肉を軽く曲げた状態にします。横向きで寝る場合は、膝の間に薄い枕を挟むことで、脚の重なりによる圧迫を防ぎましょう。

寝具は、体に合ったマットレスを選びましょう。硬すぎず柔らかすぎないものが理想的です。枕は首のカーブに合ったものを選び、首や肩の筋肉の緊張を和らげます。

また、適切な室温(18~22度)と湿度(50~60%)を保つことで、快適な睡眠環境を作ります。冷暖房の使用時は、体が冷えすぎないよう注意しましょう。寝る前は入浴やストレッチなど、体をリラックスさせる活動を取り入れるのもおすすめです。就寝前の激しい運動や過度の飲食は避けましょう。

マッサージと温熱療法の効果的な活用

マッサージや温熱療法は、ふくらはぎの血行を促進し、筋肉の緊張をほぐす効果があります。以下の方法を日常的に取り入れてみましょう。

セルフマッサージ 座った状態で、両手でふくらはぎを軽くつかみ、上下にもみほぐします。
かかとからひざ裏に向かって、ゆっくりと押し上げるように行います。
1日1~2回、各足5分程度行うのが理想的です。
温熱療法 入浴時に、ふくらはぎをお湯に浸けて温めます。
湯たんぽやホットパックを使用し、就寝前にふくらはぎを温めるのも効果的です。
温める時間は15~20分程度を目安にしましょう。
アロマセラピー ラベンダーやペパーミントなどのエッセンシャルオイルを使用したマッサージは、リラックス効果も期待できます。
キャリアオイルで希釈してから使用しましょう。
足浴 38~40度程度のぬるま湯に10~15分程度足を浸けます。
入浴剤を加えると、リラックス効果が高まります。

これらの方法は、筋肉の緊張を和らげるだけでなく、心身のリラックスにも役立ちます。ただし、糖尿病や末梢神経障害がある方は、温度管理に特に注意が必要です。

薬剤師と連携した服薬管理のポイント

一部の薬は、ふくらはぎのつりに影響を与えるものがあります。薬剤師と連携して、適切な服薬管理を行うことが重要です。

まず注意したいのが、利尿薬や高血圧薬などです。これらの薬は電解質バランスに影響を与えるので、服用している場合は足のつりが起こりやすくなることがあります。

足のつりが頻繁に起こる場合は、服用中の薬との関連性について薬剤師に相談しましょう。必要に応じて、医師と相談の上、薬の種類や用量の調整を検討することもあります。

なお、半年に1回程度はかかりつけ医や薬剤師と相談して、服用中の薬の見直しを行うようにしましょう。症状の変化や新たな副作用の有無を確認し、必要に応じて薬の調整を行ってくれます。

適切な服薬管理は、ふくらはぎのつり予防だけでなく、全身の健康維持にも重要です。疑問や不安がある場合は、遠慮なく医療専門家に相談しましょう。

「足がつる」際の緊急対処法と専門医への相談のタイミング

ふくらはぎのつりは、突然起こることが多く、その痛みは非常に強いものです。ここでは、つりが起きた際の緊急対処法と、専門医への相談が必要なケースについて解説します。

ふくらはぎのつりに対する即効性のある対処法

足がつった時の対処法を知っておくことで、痛みを軽減し、早期回復につなげることができます。以下の方法を試してみましょう。

ストレッチ つった足のつま先を手で引っ張り、ふくらはぎを伸ばします。
可能であれば、立ってかかとを床につけ、つま先を上げるようにしてストレッチします。
マッサージ つった部分を優しくもみほぐします。
力を入れすぎないよう注意しましょう。
温めるか冷やすか 一般的には温めるのが効果的ですが、人によっては冷やす方が効果的な場合もあります。
自分に合う方法を見つけておくと良いでしょう。
水分補給 つりが起きたら、水やスポーツドリンクで水分と電解質を補給します。
姿勢の変更 寝ている時につった場合は、ゆっくりと体勢を変えて起き上がり、姿勢を変更するようにしましょう。

これらの対処法を試しても症状が改善しない場合や、頻繁につりが起こる場合は、専門医への相談を検討しましょう。

つった後のケアと再発予防のポイント

足がつった後のケアは、再発予防と早期回復のために重要です。

まずは、しばらく安静にし無理な運動は避けます。必要に応じて、つった部分を少し高く上げて休ませるようにしてください。

つりが収まった後も、定期的に軽いストレッチを行います。ポイントは急激なストレッチは避けること。痛みのない範囲で行いましょう。軽いマッサージを習慣化できれば血行の促進にもつながりますので、余裕があれば行ってみてください。

痛みが落ち着いたら、水分とミネラルの補給を心がけましょう。バナナやスポーツドリンクなど、カリウムを含む食品も効果的です。

これらのケアを適切に行うことで、再発のリスクを軽減し、筋肉の回復を促進すること期待できます。

足がつる原因は糖尿病など深刻な病気のサイン?

頻繁に足がつる症状は、単なる筋肉の問題だけでなく、より深刻な健康問題のサインである可能性があります。特に注意が必要な疾患には以下のようなものがあります。

糖尿病 糖尿病による末梢神経障害は、足のつりや痛みの原因となることがあります。
他の症状(頻尿、喉の渇き、体重減少など)も併せて確認しましょう。
末梢動脈疾患 足への血流が不足することで、運動時に足がつりやすくなります。
歩行時の痛みや足の冷えなども併せて注意が必要です。
甲状腺機能低下症 ホルモンバランスの乱れが筋肉の機能に影響を与え、足のつりを引き起こすことがあります。
疲労感や体重増加、寒がりなどの症状にも注意しましょう。
電解質異常 カリウムやマグネシウムなどの電解質バランスの乱れは、筋肉の機能に影響を与えます。
頻繁な下痢や嘔吐、過度の発汗などがある場合は特に注意が必要です。
深部静脈血栓症 足のつりと併せて、片足の腫れや痛み、皮膚の変色などがある場合は要注意です。
この症状は緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診しましょう。

これらの疾患が疑われる場合は、早めに専門医の診断を受けることが重要です。単に足のつりの症状を改善するだけでなく、適切な治療を受けることで全身の健康維持にもつながります。

専門医への相談が必要なケースと症状

足のつりが頻繁に起こる場合や、以下のような症状がある場合は、専門医への相談を検討しましょう。

つりの頻度が高い

週に複数回、足のつりが起こる場合。
特に夜間や安静時に頻繁につる場合。

つりの痛みが激しい、または長時間続く

通常の対処法では痛みが緩和されない場合。
つりの痛みが数時間以上続く場合。

つりと同時に他の症状がある

足の腫れや変色が見られる場合。
歩行困難や足の脱力感を感じる場合。

つりの後に筋肉の痛みや違和感が長く続く

つりの症状が治まった後も、数日間筋肉痛が続く場合。

片側の足だけが頻繁につる

左右どちらかの足だけが常につる場合。

生活に支障をきたす

足のつりの恐怖で日常生活や睡眠に支障が出る場合。

既往症がある

糖尿病や末梢動脈疾患など、足のつりに関連する疾患がある場合。

このような状態であれば、専門医への相談して適切な診断と治療を受けるようにしましょう。必要に応じて血液検査や画像診断を行い、つりの根本的な原因を特定することで、より効果的な治療や予防法を見つけることができます。

足のつりは、一見すると単純な症状に思えますが、時として深刻な健康問題のサインとなることがあります。この記事で紹介した予防法や対処法を日常生活に取り入れ、気になる症状がある場合は早めに専門家に相談することをお勧めします。普段から適切なケアと注意をしていくことで、健康で快適な生活を送ることにつながるでしょう。

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