情熱がほとばしる3年ぶりの札幌。来年のZepp Sapporoにつながる激アツの一日!きみとバンド10/13札幌公演ライブレポート
新進気鋭のガールズインディーズバンドとして注目を集める「きみとバンド」。レコ発&4th anniversaryツアーの札幌公演が、10月13日(日)に札幌・SOUND CRUEで開催。Domingoではライブに先駆けインタビュー記事を公開しましたが、今回はその続編!ツアーの折り返しとなった札幌公演のライブレポートをお届けします。
“まってました!”そんな気持ちが会場に渦巻く
3年ぶりとなる札幌公演。前回はコロナ禍での開催であったため、通常のスタイルでのライブは初といえるでしょう。そして私にとっても初参戦となるきみとバンドのライブ。会場には道内各地から集まったであろう「きみ」(ファンの名称)たちの熱気が渦巻いています。
いまかいまかと待ち構える中、会場が暗転すると大きな歓声が鳴り響きます。軽快な入場SEとともに現れた、Vo.森田理紗子、Gt.&Vo.清原梨央、Dr.大野真依。3人とも真っ白い衣装をまとい、照明の光をまぶしく反射。「おかえりー!!」という歓迎の声が上がります。残念ながら、Ba.YUKIは体調不良により欠席。「彼女の分も盛り上げよう!」という気合が、彼女たちの表情から伝わってきます。
すかさず始まった1曲目は「きみとバンド」。イントロでの「Oh Oh Oh」の掛け声から、会場の一体感はMAXです。以前のインタビューで清原さんは「普段の自分よりかっこいい姿を魅せたい」と語っていましたが、その言葉どおり魅せるときは魅せるメリハリが効いたギタープレイ。そして時折見せる屈託のない笑顔に心を奪われます。大野さんは微笑みながら、キレのあるドラムのリズム。力強い歌声、表情で圧倒的な存在感を放つ森田さん。久々の札幌公演にかける思いを1曲目から感じられるなんて……!
感動を噛みしめる間もなく、すかさず2曲目の「スローモーション」。ポップなリズムに思わず身体が弾みます。清原さんからの掛け声に負けじと応える会場。最初からMAXだったはずの一体感がさらに高まっていくのが分かります。
バラード曲で実感する、メンバー同士の信頼感
曲が終わると大きな歓声が。「お待たせしていてごめんなさい!ようやく帰ってこれました!」。そんな声に会場は歓声で応えます。続いて「rosemary」へ。
キーボードの前へ座り、先ほどとは打って変わってしっとりと歌い上げる森田さん。バラード「ユメコイ」「さよならリフレイン」と続き、その表現力をじっくりとみせてくれます。温かい空気に包まれる中、それに寄り添うようなドラム、ギターのサウンド。静かな曲だからこそ求められるバンドの一体感。それが実感できる見事なチームワークです。
次の曲は、ニューシングル「Thanks.」より、森田さんが作詞した「こいごころ」。ポップな印象でありながら、エレキギターのサウンドも織り交ぜたロックな要素も心地良い。続く「Midnight Scream」ではメロコア的な激しさ。そこから続くのは「So high!」。事前のインタビューでの大野さん「この曲はライブの定番曲になる」の言葉どおり、会場は両手を突き上げて爆発的に盛り上がります。ほとんどの人が、生で見るのが初めてのはずなのに、昔から知っているかのような完璧なノリにしびれます。
9曲目は「あの場所へ」。サビでは拳を突き上げステージと客席で気持ちをぶつけ合い。そしてライブの定番曲「恋のモンスター」!ボーカルの二人がキュートに飛び跳ねる姿、それに呼応するような「きみ」たちの盛り上がりが印象的です。
ラストの「∞YAKEN」で放たれる莫大な熱量。可愛らしさとロックの熱さが融合し、“新世代のガールズバンド”を強く感じるとともに、きみとバンドのステージは終了しました。
アンコールでの“サプライズ”。意外な選曲にどよめく「きみ」たち
彼女たちがステージからはけると、即座に巻き上がるアンコールの大合唱。今回のツアーではアンコールにサプライズを披露するのが定番となっており、札幌の舞台では森田さんが担当。
演奏されたのは、なんと森田さんのソロ曲「HORIZON」。意外な選曲に、会場からはどよめきが。きみとバンドのスタイルで演奏される貴重なパフォーマンスに、じっくりと聞き入るような「きみ」たちの空気感が伝わってくるよう。
そして清原さんのラップパートが披露される「Spicy!」。激しく動き回る清原さん。負けじと台に乗り、腕を突き上げる森田さん。それに全力で応える会場。
最後は、清原さんのMC。「前回札幌に来たときは、次に会う約束ができなかったのですが、今回は約束できます!来年はZepp Sapporoで会いましょう!」。 前回の札幌はZepp Sapporoの目の前にあるライブハウスで演奏されましたが、それからわずか2年で夢のZepp公演へ。ずっと見守ってきた「きみ」たちにとって、感慨深い思いが込み上げてくるのではないでしょうか。
アンコールラストは「蝉しぐれ」。しっとりと聴かせる森田さん、じっくりと聴き込む会場。最後はメンバー3人が並び、深々とお辞儀。観客たちの拍手のなか、札幌公演は幕を閉じました。
私は今回のライブが初参戦。その実力は音源でしか知っていませんでしたが、やはりライブとなると熱量は段違い。演奏だけでなく、一つひとつの所作に目を奪われ感情を高ぶらせてくれました。来年はこれまでの「きみとバンド」史上もっとも大規模となるツアーが始まります。「間違いなく成長した姿を見せてくれる」。そう確信できるワクワクが止まらない時間でした。
さらに後日、メンバーのみなさんから札幌公演の感想コメントをいただきました。
札幌公演を終えて「きみとバンドはここまで成長しました!」
――札幌公演の感想を率直に教えて下さい。
大野真依さん(以下、大野):北海道でのライブは約3年振りということで、すごく楽しみにしていました。本州でするライブよりも常連のファンの方が少ないので、いつもより盛り上がるか心配していたのですが、来てくれたファンのみんな全員が盛り上がって楽しんでくれている姿を見ることができて、本当にうれしかったです。
清原梨央さん(以下、清原):最高に楽しかったです! 前回北海道でライブした時のことを思い出して、懐かしい気持ちになりました。数年経ってまたこうして来られたのもファンの皆さんのおかげだなと思って、みんなを見ながら胸が熱くなりました。
森田理紗子さん(以下、森田):バンドでは初めての北海道ライブで、ずっと楽しみにしてきたぶん緊張も大きかったです。ただ、フロアに支えられてとても情熱的なライブができたなと思います。
――どのような意気込みでライブに臨みましたか?
大野:久しぶりの方や初めましての方も多かったので、きみとバンドはここまで成長しました! っていうのを見せようと、いつもより少し前のめりな気持ちで臨みました。来年Zeppツアーが決まっている状態でライブをすることも今まで無かったので、次につながるような、そんな意識でライブしていたと思います。
清原:北海道でのライブは数年ぶりですし、久しぶりに見る方や初めての方も多いかもしれないと思い、お客さんにちゃんと熱量が届くパフォーマンスをしようという気持ちで臨みました。少しでも前回より成長を感じてもらえるライブになっていたらうれしいです。
森田:歌い方を研究中だったので、それを試したい!と思ってガラッと歌い方を変える曲もあったので、パフォーマンスはもちろんですがそれ以上に歌に力を入れるライブにしようと思っていました。
――特に印象に残っているシーンを教えて下さい。
大野:サプライズでは、理紗ちゃんのソロ曲をやりました。スケジュール的にちょっと忙しくて、結構詰め込んでドラム練習をしました。本番間違えないか、本当にここ最近で1番緊張していました(笑)。でもその曲を聞いて泣いて下さっていたファンの方がいらっしゃったみたいで、頑張って良かったなとうれしくなったことが印象に残っています。
清原:「あの場所へ」が印象に残っています。曲に入る前に真依ちゃんがMCで、来年のZeppツアーについてお話ししていて、私もそれを聞きながらすごく熱が入って。「あの場所へ」はメンバーみんなで作詞した曲なので、演奏しながら次のZeppに向けた想いもグッと高まって、感情をのせた演奏ができた気がします。
森田:アンコールではサプライズで、私のソロの曲をきみとバンドで演奏する機会をもらいました。メンバーが、それぞれ個々の活動も大変な中で練習してくれて、本番は本当にいいものになって。「最高!」の一言でした。
――ズバリ、やりきれましたか?
大野:もちろん! やりきれました。例えどんなにミスをしても、トラブルがあったとしても、やりきることを1番にしているしファンの方とその空間を楽しめたというだけで満足しています。
清原:やりきれました! サプライズとして理紗ちゃんのソロ曲をみんなで演奏したのですが、それも披露するまでずっとドキドキしていたので、無事終えられてホッとしました。
森田:やりきれました! 次に札幌に来るまでにはより見違えてこようと、より気合いが入りました。
メンバーたちが札幌で楽しかったこととは
――札幌での滞在期間、楽しかったことは?
大野さん:ライブはもちろんですが、やっぱり北海道といえば食べ物ですね! 海鮮、お肉、ラーメン、食べたい物がありすぎていつも北海道にきたら逆に困っています(笑)。今回はライブ終わりに打ち上げに行って北海道の名物が全部置いてあるお店に行きました! 楽しかったライブのあとのご飯は本当に最高です。こうしておいしいご飯が食べられたのもファンのみなさんのおかげです! ありがとうございます。
清原さん:前回北海道に来た時も、メンバーみんなでお酒を飲みながら熱い話をしていた記憶があって。今回はホテルの部屋にメンバーで集まってお酒を飲みながら話をしました。こんな風に集まったのは初めてだったのですごく楽しかったですし、今回の北海道でもまた絆が深まってうれしかったです。
森田さん:個人的に、早起きして北海道でランニングができたことと、そのあと散歩をして素敵なカフェを見つけてコーヒーを飲めたことがすごく幸せでした。もちろん、みんなでバーベキューしたことも一生忘れないです。
「Zepp Sapporoでまた会いましょう!」
――1年後、ふたたび札幌に帰って来ることが決まっています! ファンの皆さんに一言お願いします。
大野さん:いよいよ来年、私たちきみとバンド史上1番凄い挑戦が始まります。3年前の会場はたまたま隣にZepp Sapporoがあって「えー、ここでやりたい!」なんて冗談半分で言ってた自分が、3年後まさかそのステージに立てるなんて想像もできませんでした。このツアーが成功するかどうかできみとバンドの未来が変わってくるんだろうなと思うと、怖いようなワクワクするような色んな気持ちが入り交じっています。きみとバンドになってこの4年間がむしゃらにやってきた集大成を1人でも多くの方に見ていただきたいです。そしてここまで来られたのは紛れもなくファンのみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。Zepp Sapporoでまた会いましょう!
清原さん:今まで北海道に来た時は、次いつ会えるかわからないけど待っててね!とMCで話すことが多かったですが、今回は次に会える約束があることが私もすごくうれしいです。
必ずもっとパワーアップしたきみとバンドで帰ってくるので、待っていてほしいです。全5カ所、すべての公演に向けてこれからの日々も全力で挑んでいきます! 「きみ」のみんなと一緒に駆け抜けたいです。これからも応援よろしくお願いします!
森田さん:全会場の中で、きっと1番苦労するのが札幌だと思います。遠征していただける方はもちろんありがたいのですが、もっと北海道の皆さまにわたしたちを知っていただかないといけないと思うので、ぜひ今回来ていただいた北海道の方はわたしたちを広めるお手伝いをしてくれたらうれしいです。そして今回遠征してきてくれた方は、こんなに楽しかったんだから次も一緒に行こうね?と強く思ってもらいたい。がんばるので、絶対に見に来てください!!
文:山下恭平