14年ぶり下剋上達成へ奮闘光るDeNA中継ぎ陣、26年ぶり日本一へあと1勝
伊勢大夢、坂本裕哉、中川颯は3試合無失点
プロ野球の日本シリーズはソフトバンクが2連勝した後、DeNAが3連勝で王手をかけた。パ・リーグを独走で制したソフトバンクの強力打線は、第3戦の2回から26イニング連続無失点と沈黙。DeNA先発陣の好投もさることながら、奮闘しているのが中継ぎ陣だ。
5試合中3試合に登板している伊勢大夢、坂本裕哉、中川颯の3人はいずれも無失点、防御率0.00をキープしている。
明治大からドラフト3位で入団して5年目の伊勢は今季37試合で2勝3敗18ホールド、防御率3.62をマーク。2022年は39ホールド、2023年は33ホールドを挙げた実績のある右腕で、全体の59.7%を占める平均147キロのストレートが最大の武器となっている。
伊勢と同期入団の坂本は立命館大からドラフト2位で入団した左腕。1、2年目は先発として起用されたが、今季は中継ぎとして自己最多の48試合に登板して1勝1敗13ホールド、防御率2.20をマークした。
中川は2020年ドラフト4位で立教大からオリックスに入団。オリックス時代は1試合に登板したのみで3年で戦力外となり、DeNAに加入した今季は29試合で3勝1セーブ5ホールド、防御率4.42の成績を残した。立教の大先輩にあたる杉浦忠氏を彷彿とさせる、きれいなフォームのアンダースローだ。
26年前も「大魔神」佐々木主浩らブルペン陣が奮闘
さらに現役ドラフトでロッテから移籍した佐々木千隼も2試合無失点。ウェンデルケン、山﨑康晃、森原康平は1試合に登板したのみだが防御率0.00をキープしている。
DeNAは今季のチーム打率.256、522得点、69盗塁がいずれもセ・リーグトップ。牧秀悟、オースティン、宮﨑敏郎、佐野恵太、桑原将志、梶原昂希らが並ぶ強力打線を前面に押し出し、101本塁打もセ・リーグ2位だったが、逆に防御率3.07、503失点はセ・リーグ5位だった。
シーズン中も投手陣がリードを守り切れずに敗れる試合は少なくなかったが、クライマックスシリーズからは投手陣が好調。特に中継ぎ陣の踏ん張りで接戦をものにしている。さらにCSでは湿りがちだった打線も日本シリーズで上向いてきた。
DeNAが最後に日本一となったのは権藤博監督が指揮を執っていた1998年。20世紀の出来事だ。あの時も「大魔神」佐々木主浩が45セーブを挙げ、島田直也、横山道哉、阿波野秀幸が50試合以上に登板するなどブルペン陣が奮闘していた。
あれから26年。リーグ3位からの下剋上達成なら2010年のロッテ以来の快挙となる。ハマスタで行われる第6戦、地元の大観衆の前で歓喜の瞬間は訪れるか。
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記事:SPAIA編集部