<プリンスリーグ東海>首位独走の清水エスパルスユース。終盤戦に向けFW宇山桂介とMF山崎瑛晴のキーマン2人をピックアップ!
サッカーの高円宮杯U-18プリンスリーグ東海で清水エスパルスユースが首位を独走している。10節を終えて8勝2分け無敗。2位のジュビロ磐田U-18に勝ち点7差をつけ、「今季こそプレミアリーグ復帰を」と意気盛んだ。
今回はリーグ終盤戦に向けてキーマン2人をピックアップ。長いリハビリから復帰したばかりのMF宇山桂介(清水エスパルスJY出身)と、1年生ながら定位置を確保したサイドアタッカー山崎瑛晴(清水エスパルスJY出身)を紹介する。
FW宇山桂介、復帰後いきなりゴール
9月6日の第10節・東海大翔洋戦で、沢登監督の期待にいきなり応えてみせた。約半年のリハビリ期間を経て、ようやくピッチに戻ってきたストライカーが今季初出場で初ゴール。チームに先制点をもたらした。
宇山が持ち味を披露したのは前半16分だった。右サイドでボールを持ったMF山崎瑛晴のドリブル突破に合わせて、宇山はエリア内へと突進。2トップを組む中村扇大の動きを確認して、自分はすかさず2列目へと位置取りを変えた。「いいパスが来たので自分は決めるだけだった」。マイナスの鋭いクロスを呼び込み、ピンポイントで届いたグラウンダーのボールをワンタッチで押し込んだ。
「コンディションが徐々に上がってきていたので、きょうは自分が点を取ってチームを勝たせようと思っていた」
宇山は3月に右足第四中足骨を疲労骨折し、右太もも肉離れの再発も繰り返していた。約半年間、どんな気持ちでリハビリ生活を過ごしてきたのか。
「チームが開幕から負けていない中で、自分はずっとピッチに立てていなかった。焦りと『なんでケガしてんだろう』という悔しい気持ちがずっとあった」。ゴールという結果だけを求めて臨んだ復帰戦だった。
宇山はドリブルもパスもシュートも高いレベルでこなす万能型フォワードだ。ビルドアップのボールを受けるといったん仲間に預け、ゴール前に進入して最終的に仕上げの仕事もこなす。
「昨年はプレミア昇格プレーオフの前日練習で右肘を脱臼しちゃって、スタンドで試合を見ていた。ケガが続いてしまったけれど、これからは自分がチームを救っていきたい」
プレミアリーグ復帰が至上命題の清水ユースにとって、これ以上ない頼もしい男が帰ってきた。
MF山崎瑛晴、1年生で定位置確保
第10節の東海大翔洋戦で2アシスト。サイドアタッカーらしい突破を披露したのは前半16分、宇山のゴールを演出したシーンだ。
右サイドでボールを持つと、得意の左足を使ってカットインと見せかけて縦へと突破。横目でゴール前を確認し、2列目から走り込んできたエースの足元にピタリと届くクロスを右足で供給した。「日頃から縦にも仕掛けろと言われている。あの時は縦がガラ空きだった」。イメージ通りを強調した。
1年生ながら4月のリーグ開幕戦から先発を続けている。主戦場は右サイド。レフティー独特のリズムを刻みながら、カットインだけでなく縦突破ができるのは強みだ。
山崎がYouTubeで参考にしているのはヤマル(バルセロナ)とメッシ(インテル・マイアミ)の「シンプルな仕掛け」や、元イングランド代表MFベッカムのキックという。
ただ「憧れの選手」に挙げるのは、同じレフティーで来季のトップチーム昇格が内定した清水ユースの先輩・土居佑至。「カットインへの持っていき方がうまくて、ボールキープしてもセンターバックに触らせない」。世界的名手だけでなく、身近な先輩からも刺激を受けてサイドアタックに磨きを掛けている。
小学時代は静岡市清水区の高部JFCでプレーし、中学から清水エスパルスの下部組織に入った。今秋は10月に滋賀県で開催される国民スポーツ大会でも静岡県・少年男子代表としての活躍が期待されている。
「ここから調子を上げて、自分のゴールでチームを勝たせられる選手になっていきたい」。国スポでの全国制覇とプレミアリーグ昇格。どちらの目標も達成するつもりだ。