『ライオン・キング:ムファサ』3週目にして全米1位咆哮、『ソニック × シャドウ』に粘り勝つ
『ライオン・キング:ムファサ』が、プライドランドの王の威厳を轟かせている。実はこの作品、2024年12月20日にアメリカで封切られた初週でつまずき、同日公開の『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』に1位を譲っていたのだが、3週目を終えて驚異的な回復力を見せているのだ。
『ライオン・キング:ムファサ』は、2019年の超実写版『ライオン・キング』の前日譚として、ムファサやスカーの若き日々を描く。事実上の有名キャラクターCG映画同士として、同日デビューの『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』は直接的なライバル関係にあった。
12月20日〜22日の両作初週末は、『ムファサ』3,540万ドルに対し、『ソニック × シャドウ』が6,010万ドルと圧倒的な差をつけて1位初登場。2024年は『インサイド・ヘッド2』や『デッドプール&ウルヴァリン』の大ヒットで市場を牽引してきたディズニーだったが、年の瀬の『ムファサ』の想定以下のパフォーマンスは悲観的に報じられた。パラマウントによる『ソニック × シャドウ』のディズニー打破も、ひとつ象徴的な出来事だった。
ところが『ムファサ』は、年末戦となる12月27日〜29日に興収3,680万ドルを稼ぎ、前週比プラス3.9%と回復。対する『ソニック × シャドウ』は3,701万ドル、前週比マイナス38.4%となった。この下落率はごく一般的な反応であり、プラスに転じた『ムファサ』の方が驚異的だ。
続く3週目、『ムファサ』は2,383万ドル(前週比マイナス35.2%)、『ソニック × シャドウ』は2,120万ドル(前週比マイナス42.7%)。3週目にして『ムファサ』は、初めて『ソニック × シャドウ』から全米1位を奪い返し、その咆吼を全土に響かせた。
これによって『ムファサ』は米国内興収を1億6,860万ドルまで伸ばし、『ソニック × シャドウ』の1億8,750万ドルに差を縮めている。さらに『ムファサ』は、中国やインド、メキシコ、フランスなど海外でもヒットを記録。全世界累計興収で見ると『ムファサ』は4億7,640万ドルで、『ソニック × シャドウ』3億3,630万ドルを逆転している。
この累計興収は、2024年公開作としては『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』などを凌いで10位に登場。9位『ヴェノム:ザ・ラストダンス』に肉薄しており、間も無く抜き去ることになる。
2019年の前作『ライオン・キング』では、米国内興収で累計5億4,363万ドル、全世界累計16億2,020万ドルの特大ヒットを記録。これは、この年に公開されたすべての作品の中でも、『アベンジャーズ/エンドゲーム』に次ぐ2位だった。
流石に前作と比べると見劣りはするものの、現在のハリウッドではすべてのスタジオが10億ドル超ヒットを打つことも難しくなっており、これを達成したのは2024年中はディズニーが唯一。『ムファサ』の製作費は前作から2割ほど節約した2億ドル程度とされている。今後の更なる粘りに注目だ。
Source:Box Office Mojo