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【潮干狩り場でよくあるルール5選】 違反すると漁業権侵害で刑事罰の対象になることも

TSURINEWS

潮干狩り施設にはルールがある(提供:)

春から初夏にかけて人気を集める潮干狩りは、家族連れやレジャー目的の釣り人にも親しまれています。しかし、各地の施設や海岸では、資源保護や安全確保の観点からルールが設けられていることが多いです。今回は、初心者に向けて各自治体の公式情報をもとに、潮干狩りを行う際に押さえておくべき代表的なルールを5項目に整理しました。

潮干狩り場のルール

潮干狩りは、干潮の時間帯に海岸に現れる干潟で、アサリやハマグリなどの貝を手掘りで採取するアクティビティです。道具を持参すれば無料で楽しめる浜もある一方で、施設として整備された「潮干狩り場」では入場料を支払うかわりに、快適な環境で安全に楽しめる仕組みが整えられています。

いずれの場合も共通するのは、貝の採取に関するルールやマナーが定められている点です。これらは漁業資源を守るための重要な取り組みであり、違反すると漁業法や県条例によって罰則の対象になることもあります。

場所によっては漁業権が設定されており、特定の海岸での採取そのものが禁止されているケースもあります。潮干狩りに出かける前には、目的地となる自治体や施設の公式サイトを確認し、最新のルールを把握しておきましょう。

潮干狩り場(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

1. 貝のサイズに制限

稚貝を保護し、次世代の漁業資源を育てるため、多くの自治体では「このサイズ未満の貝は採ってはいけない」という基準が設けられています。これは、いわゆる稚貝(育成途中の貝)を残すことで、将来的な繁殖を確保することが目的。

三重県では、アサリは殻長2cm未満、ハマグリは3cm未満の採取が禁止されています。福岡市では、3cm未満のアサリが対象とされており、基準は地域によって異なります。

正確なサイズを測るために、ポケットサイズの定規や専用ゲージを携帯するのも有効です。採取した後にその場でサイズを確認し、小さすぎる貝は海へ戻しましょう。

大きいものは持って帰れる(提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)

2. 持ち帰れる量に上限がある

採りすぎを防ぐため、1人あたりが持ち帰れる貝の量にも制限が設けられている施設が一般的です。これは乱獲防止の観点から設定されており、違反すると注意や指導を受ける場合もあります。

たとえば、茨城県神栖市の日川浜では「1人1日1kgまで」とされており、横浜市の海の公園では2kg以内が目安となっています。

多くの施設では、持ち帰り用のネットやバケツが販売されており、それらが容量の目安となることもあります。「必要な分だけ」「食べきれる分だけ」を意識して行動しましょう。

施設ごとに重量制限があることが多い(提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)

3. 道具の制限に要注意

潮干狩りで使用できる道具にも制限が設けられていることがあります。これは、過度な採取を防ぎ、干潟の環境を守るために設けられたルールです。

横浜市の海の公園では、幅15cmを超える熊手の使用が禁止されており、じょれんや忍者熊手といった「刃が鋭利」「掘削力が高い」道具については、たとえ幅が15cm以下であっても使用が制限されています。

福岡市でも同様に、一定以上の幅を持つじょれんの使用が禁止されており、一部の公園では完全に使用不可。また、茨城県三重県でも、網やカゴが付いた道具の使用を禁止しています。

安全でルールに適した道具を選ぶことは、他の利用者とのトラブル防止にもつながりかねません。現地で道具の販売やレンタルを行っている施設も多いため、不安な場合は現地で用意するのもひとつの手です。

使ってもOKな道具を使おう(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

4. 潮干狩りが許可された場所で行う

潮干狩りを漁業権が設定されている海岸で行う場合、無許可での採取行為が法令違反となる場合があります。

たとえば、茨城県では大洗町・鉾田市・神栖市にある4つの指定海岸(第1・第2サンビーチ、大竹海岸、下津海岸、日川浜)以外での貝類採取は禁止されています。

許可されたエリア内であっても、施設によっては一部立ち入り禁止区域が設けられていることも。看板やロープで明示されている場合が多いため、現地の案内に従う必要があります。

潮干狩りは指定された場所で(提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)

5. 違反すると罰則の対象

潮干狩りに関するルールは、単なるマナーではなく、法的拘束力を持つ場合があります。特に漁業法や各自治体の条例に基づく規制は、違反時に罰則が科される可能性があるので注意しましょう。

たとえば茨城県では、漁業権のある海域で無許可採取を行うと、「漁業権侵害」として刑事罰の対象になる可能性があると明記されています。

故意でなくても、「知らなかった」「他の人がやっていた」では済まされない場合もあるのです。釣りや潮干狩りは自然とのふれあいを楽しむ活動であるからこそ、法令とルールの順守が大前提となります。

ルールを守って楽しい潮干狩りを

潮干狩りは、自然の恵みを間近で体験できる貴重なレジャーです。しかし、その楽しさの裏には、漁業資源を未来に残すための取り組みがあることを忘れないようにしましょう。

採ってよい貝の種類やサイズ、使用できる道具、持ち帰り量、そして実施できる場所――いずれも地域や施設ごとに定められたルールが存在します。初めての場所で潮干狩りを行う際は、必ず自治体や施設の公式情報を確認したうえで行動してください。

ルールを守って行動することは、自分自身の安全はもちろん、周囲の人々とのトラブル防止にもつながります。自然へのリスペクトを忘れず、気持ちよく楽しめる潮干狩りを心がけましょう。

ルールを守って潮干狩りを楽しもう(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

 参考ホームページ

横浜市(海の公園)
三重県(三重県水産資源管理)
福岡市(農林水産局)
神栖市(日川浜海岸)
茨城県(潮干狩りに関する注意)
愛知県(農林水産部 水産課)

<藤田浩平/TSURINEWS編集部>

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