マーシャル“Overdrive Pedal”シリーズをプロ・ギタリストが斬る! 大橋隆志編
話題沸騰中のマーシャル“Overdrive Pedal”シリーズを、トップ・プロの方々に試奏してもらう連載企画の第三弾をお届け。しんがりを務めるのは、日本を代表するロックンロール・ギタリスト:大橋隆志。日米を股にかけ、ロック・シーンにおいて常に第一線で活動してきた彼のマーシャル・ペダルのインプレッションやいかに!
※この記事はヤング・ギター2025年9月号に掲載された誌面記事を元に制作されたものです。
今回試奏してもらった2機種
1959SUPER LEAD
入出力:インプット、アウトプットコントロール:H.TREBLE、NORMAL、TONE、VOLUMEスイッチ:オン/オフ電源:9V電池、ACアダプターサイズ:101(W)×131(D)×52(H)mm価格:¥29,700(税込)
JCM900Hi Gain Distortion
入出力:インプット、アウトプットコントロール:GAIN、CONTOUR、TONE、VOLUMEスイッチ:オン/オフ電源:9V電池、ACアダプターサイズ:101(W)×131(D)×52(H)mm価格:¥29,700(税込)
1959
「自分の1959アンプが使えない状況だとしたらこれを使う」
とても良く出来ているね。僕は実機の1959アンプをメインで使っているんだけど、バッキングに関しては基本的にアンプの歪みだけで作っているので、まずはそこを目指して音作りしてみたんだ。で、ゲインも十分あって、H.TREBLEとNORMALのノブも実機のチャンネルの感じに近いし、むしろ可変範囲が広い。あとTONEが結構面白くて、ゼロにするとアンプのEQを全部ゼロにしたようなカリカリの音になるんだけど、上げていくとどんどんミッドが出てくる。実機の1959ではここまでミッドは出ないんだけど、この“1959”ペダルはミッドがガンガンにブーストされるので使いやすいね。だから、欲しい音は割りと簡単に得られたかな。
お気に入りセッティングのポイントは、バッキングに関してはしっかりロー・エンドが出て立ち上がりが速い音を意識した。リードに関しては、このペダルの前にオーヴァードライヴを1台追加するのが理想だけど、このセッティングでもブルース系のソロとかならいけるんじゃないかな。
もし自分の1959アンプが使えない状況だとしたら、僕はこれを使うと思う。どんなアンプを使ったとしても、このペダルがあれば自分のマーシャル・サウンドが作れるしね(笑)。
大橋お気に入りセッティング
バッキングは、H.TREBLEが1.5、NORMALが8.5、TONEが6.5、VOLUMEが7という設定。自分の1959アンプで作っているバッキング・サウンドをイメージしたそうで、NORMALを上げて音の太さを稼いでいる。リードは、H.TREBLEが3、NORMALが10、TONEが10、VOLUMEが6.2という設定。本当ならもう1台オーヴァードライヴ・ペダルを追加するのが理想としつつも、NORMALとTONEをフルテンにすることでソロにも対応可能な歪みを得ている。
JCM900
「このペダルなら安定して自分が欲しいサウンドにたどり着ける」
JCM900アンプはリハーサル・スタジオによく置いてあった印象があるから、この“JCM900”ペダルも昔使ってたなっていう印象の音だね。もうそのまんまっていう感じ。“1959”もそうだったけど、こっちも良く出来てるなって思うね。まさに機種名の通りのトーンのニュアンスが取り出せるっていう感じ。それぞれ1台ずつ持っておいたらいいよね。
このCONTOURは、押し出しが強くなるコントロールという感じがする。TONEで決めたEQの中のミッド・レンジを押し出してくる感じっていうのかな。ちょっとコンプレッサーをかけたようなトーンの変化があるね。特にヴィンテージのマーシャル・アンプって割りと個体差があるから、トレブルが強い個体もあればミッドが強い個体があったりするんだけど、このペダルなら安定して自分が欲しいサウンドにたどり着けるのでとても便利だなと思う。トーンの特徴はしっかり実機を再現しつつ、扱いやすいっていう。
お気に入りセッティングのポイントは、バッキングに関してはやっぱりロー・エンドをどれくらい稼げるかっていう感じで調整して、リードはちょっとTONEを抑えてGAINを上げてみた。これで十分な歪みが得られるので、ソロもバッチリだね。
大橋お気に入りセッティング
バッキングは、GAINが5、CONTOURが9.2、TONEが3、VOLUMEが8という設定。ハイが強いペダルなので、TONEを控えめにしてロー・エンドを稼ぐように調整したそうだ。リードは、GAINが7.5、CONTOURが9.8、TONEが2.2、VOLUMEが7.8という設定。リズムと比べてさらにTONEを抑えたのは、歪ませるとよりハイ成分が出てくるから。そしてGAINをそこまで上げていないのは、プレイのニュアンスを残せるような歪みを目指したからだそうだ。
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タイムレスなトーンを実現するギターペダル | Marshall.com
(ヤング・ギター編集部)