猫のいる部屋には厳禁の『危険すぎる5つの植物』理由や誤飲した場合の症状を解説
1.ユリ科の植物
猫にとって猛毒でもっとも危険な植物としてあげられるのがユリです。そしてその仲間であるユリ科の植物も同じように危険だとされています。
猫に危険なユリ科のおもな植物は以下となります。
✔テッポウユリ
✔オニユリ
✔コオニユリ
✔カノコユリ
✔キスゲ
✔カサブランカ
✔チューリップ
とくに危険なのが、テッポウユリからキスゲまでで、含まれるステロイド性のグリコアルカロイドが原因となるとされています。
花、葉、花粉などすべての部位が危険だと言われており、ユリを生けた花瓶の水を飲んだだけでも中毒を起こします。特に鼻の部分の毒性には注意が必要という説があります。
最悪な場合、急性腎障害を起こして命を落とすこともあるため油断はできません。
そのほかには、以下のような症状が見られます。
✔食欲不振
✔元気消失
✔多飲多尿
✔意識混濁
2.サトイモ科の植物
サトイモ科の植物も猫にとっては危険性が高いことで知られています。サトイモ科の植物は観葉植物としても人気があるため注意が必要です。
猫に危険なサトイモ科のおもな植物は以下となります。
✔スパティフィラム
✔フィロデンドロン
✔ディフェンバキア
✔ポトス
✔カラー
✔モンステラ
サトイモ科の植物は「シュウ酸カルシウム」の結晶を含んでいます。猫が噛むと炎症を起こし、焼けるような痛みやかゆみなどを感じる可能性があります。
その他には以下のような症状が見られます。
✔嚥下障害
✔よだれ
✔しびれ
ポトスは触れただけでも中毒症状を引き起こすおそれがあるとされています。
3.ナス科の植物
ナス科の植物も猫にとって危険です。すべての部分に毒があるとされており、とくに未熟な実が危険だと言われています。
猫に危険なナス科のおもな植物は以下となります。
✔イヌホオズキ
✔ブルンフェルシア
✔ナス
✔ホオズキ
✔チョウセンアサガオとその仲間
私たちの食卓にも並ぶことが多いトマト、ナス、ジャガイモなどが危険な植物となります。
ナス科の植物の中でもとくに危険とされているのが、イヌホオズキとブルンフェルシアです。
抗コリンエステラーゼ作用を起こす成分が含まれており、イヌホオズキとジャガイモの芽には、人間でも多量に摂取すると危険な成分ソラニンが含まれています。
おもな中毒症状は以下です。
✔嘔吐下痢
✔運動失調
✔瞳孔の拡大
✔よだれ
✔血圧上昇
✔呼吸困難
✔痙攣
このように症状は多岐にわたり、最悪は死に至る可能性もあります。
4.ツツジ科の植物
ツツジ科の植物は、猫にとってもっとも危険な植物のひとつです。すべての部分に毒がありますが、花の蜜にまで毒が及ぶとされています。
猫に危険なツツジ科のおもな植物には以下があります。
✔ツツジ
✔レンゲツツジ
✔アセビ
✔シャクナゲ
✔アザレア
✔サツキ
とくにレンゲツツジやアセビは危険性が高いとされています。
ツツジ科の植物には、有毒成分のグラヤノトキシンやロードヤポニンが含まれており、反応性は個体差がありますが花の蜜は体重1kgあたり3ml、葉は体重の0.2%摂取すると中毒症状を起こす危険性があるとされています。
ツツジ科の植物を摂取すると以下のような症状があらわれます。
✔嘔吐
✔運動失調
✔不整脈
✔痙攣
✔呼吸困難
立て続けに嘔吐することがあり、その場合は誤嚥に注意が必要です。また、ほかの植物と同様に命を落とす危険性もあります。
5.キンポウゲ科の植物
キンポウゲ科の植物は毒性の強いものが多く、猫にとっても猛毒となり得る植物が多く存在しています。
猫に危険なキンポウゲ科のおもな植物は以下となります。
✔ラナンキュラス
✔クリスマスローズ
✔ケキツネノボタン
✔デルフィニウム
✔キツネノボタン
✔ラークスーパ
✔クレマチス
✔トリカブト
キンポウゲ科の植物には有毒成分となるプロアネモニン、ラナンクリンなどが含まれています。
おもな症状は以下となります。
✔皮膚のかぶれ水ぶくれ
✔口内の灼熱感
✔胃腸炎
✔嘔吐下痢
✔痙攣
✔心臓麻痺
✔血圧低下
植物に触れることで、かぶれや水ぶくれなどの皮膚症状を起こします。キンポウゲ科の植物は重篤な症状があらわれることも多く、死に至るリスクもあるため注意が必要です。
まとめ
現在、猫に危険だとわかっている植物は700種以上もあると言われています。今回はそのなかでもとくに危険な植物について解説しました。
これらの植物の中には、触れるだけ、噛むだけでも症状があらわれるものもあります。また今回紹介した植物はほとんどは、猫が命を落とす可能性がある植物です。
植物の中毒から愛猫を守るいちばんの方法は、植物を室内に持ち込まないことです。植物を飾りたい場合は、安全性が確実な植物だけにして、愛猫の手の届かない場所に置くようにしましょう。
もし口にしてしまって毒性の有無がわからない場合はすぐにかかりつけの先生に相談するように心がけましょう。
(獣医師監修:葛野莉奈)