高津警察署 市民と銀行に感謝状 詐欺被害未然に防ぐ
管轄内で発生した2つの事案における特殊詐欺被害を未然に防いだとして、高津警察署(今中隆洋署長)は4月30日、中原区在住の甲斐由貴さんと、ゆうちょ銀行高津店にそれぞれ感謝状を贈った。同署によると、両事案が発生したのは共に3月のこと。
20日には、高津区内の川崎信用金庫で電話をしながらATMを操作していた高齢者に対し、たまたま同店を利用していた甲斐さんが声掛けした。高齢者は、市役所職員を名乗る犯人から「医療費の還付金がある」と連絡を受けており、指示されるままに現金を振り込もうとしていた。甲斐さんはATMに備え付けてある非常用電話で同信用金庫の担当者に連絡し、110番通報を依頼。到着した警察官が説得したことで、高齢者は騙されかけていたことに気づいたという。甲斐さんは「勇気を出して対応してよかった」と語った。
大阪府警騙る事案も
その事案の4日後(24日)には、高津区在住の高齢者がゆうちょ銀行高津店を訪れ、高額な現金を送金したいと窓口の行員に依頼した。高齢者は大阪府の警察を名乗る犯人から「銀行口座が不正利用されている」として、指定口座に現金を振り込むよう指示されていた。対応した行員は詐欺の可能性を疑い、警察に通報。駆け付けた警察官が対応したことで、高齢者は騙されずに済んだ。同店では、日ごろから行員向けの詐欺対策教育に力を入れているという。感謝状を受け取った向山幸治店長は「お客様の大切な財産を守ることが出来た」と話した。
同署担当者によると、今年1月1日から4月30日にかけ、約1600万円の詐欺被害が管轄内で発生しているという。今中署長は「的確な対応をしてくれた皆さんに感謝している。当警察署では、今後も詐欺への対策に力を入れていく」と抱負を述べた。