2024年度「川崎市自治功労賞」受賞者紹介 麻生区 「永久の故郷」に恩返し 金程町会 伊藤久史相談役
「地域への恩返し、その一心で続けてきた」。2013年度から金程町会の会長として、まちと向き合い続けた11年間をそう振り返る。この間、会長職のみならず、町会連合会や川崎西法人会など、幅広い団体の要職を歴任し、麻生区の発展に寄与してきた。
金程で生まれ育ち、地元選出の市議会議員として2期8年、まちのために奔走した。勇退後、「支えてくれた人たちの役に立ちたい」と考えていた矢先、当時の町会長からの声かけで運営に携わることに。数年後には、会長として地域住民を率いる立場となった。
「長いようで短かった」11年間で特に印象深いのは、まちづくりの転換期となったコロナ禍。毎年恒例のイベントは軒並み中止になった。そんな中でも前進を、と取り組んだのが町会活動のデジタル化だ。「KST」(金程スマートタウン構想)と銘打ち、会館にWi―Fiを導入。オンラインで役員会を実施し、老人会会員を対象にZoom講座も行った。「地域住民のアイデアから実現した。今後も変化することを面倒に思わず、機微を捉えていきたい」
昨年4月からは後任にバトンタッチし、現在は相談役として町会を見守っている。「会館前の石碑に刻まれているのは『永久の故郷』の文字。住民の方々に、『ふるさと』だと思ってもらえる金程にしていきたい」。次代を担う仲間と共に、地元の未来を導く。