入場料・駐車場も無料!「日明・海峡釣り公園」。多彩な魚種が釣れ、売店・トイレなども完備【九州リポート福岡発!】
「九州リポート福岡発!」は、全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。
第29回の今回は、福岡県北九州市小倉北区西港町にある「日明・海峡釣り公園(ひあがり・かいきょうつりこうえん)」をご紹介します。
九州の玄関口である北九州市は港湾都市・工業都市として発展して栄えた歴史を持ち、水際線の総延長は約220㎞超と全国有数の長さです。
しかし、その海岸線の約7割を港湾物流、民間企業の工業用地等として活用しているため立ち入り禁止場所が多く、どこでも気軽に釣りができるという環境ではありません。
北九州市は1994年(平成6年)、「市民に親しまれる水際線づくりマスタープラン」を策定。海岸線の約20㎞を整備、あるいは企業の協力で開放する「市民利用のための水際線」の整備計画に関する目標と基本方針を定めました。
同時に「調査委員会」が発足し、かねてより北九州市に海釣り公園の設置を要望する活動を続けていた「北九州市海釣り公園設置推進協議会」(髙宮俊諦会長。日本釣振興会福岡県支部、九州磯釣連盟北九州支部、福岡県釣り団体協議会、全日本サーフ北九州協会、北九州釣具小売商組合、全九州釣ライター協会の6団体で構成)がメンバーとして加わりました。
当時の末吉興一北九州市長の下、同市港湾局を中心とした懇談会等で北九州市海釣り公園設置推進協議会は活発な提案を行い、調整や協議、検討を重ねて釣り公園実現化へと邁進しました。
そして1998年(平成10年)4月、北九州市初の海釣り公園として「日明・海峡釣り公園」がオープン。設置場所は、対岸の山口県下関市を望む関門海峡の西側に位置する小倉北区西港町日明埠頭地先。風光明媚で船舶の往来も多く、散策にも適した景観を備えています。
既存の切れ波止を利用した300mの防潮堤(釣り台)が陸地から海にまっすぐに伸び、駐車場から休憩棟までの250mの遊歩道にはところどころにベンチを設置。
売店、トイレ、釣り道具等が洗える手洗い場を整備して、全国的にも珍しい「釣り、駐車場ともに無料の釣り施設」が誕生しました。
様々な魚が釣れる釣り公園。遊ぶ時は「釣り人宣言」を守ろう!
特筆すべきは、釣り公園の入り口に安全とマナーを守るための七カ条の「釣り人宣言」(北九州市海釣り公園設置推進協議会作成)が掲示されていることです。入場者はこれを承認して釣りをします。
① 釣り公園内では、安全第一とします。
② 同、他人に迷惑を掛けず、譲り合って釣りをします。
③ 同、ゴミのポイ捨てはしません。持ち帰ります。
④ 同、漁船の航行を妨げません。
⑤ 同、環境に配慮し、マキエに赤土は使用しません。
⑥ 同、係員の指示にしたがいます。
⑦ 釣り公園内の事故等は、自分の責任による「自己責任」とします。
防潮堤の開場は4月~10月は6時~21時、11月~翌年3月は7時~17時。夜間は施錠。また、12歳以下の入場には16歳以上の同伴が必要です。
防潮堤の下はスリットになっているので潮通しが良く、季節ごとに様々な魚が釣れて楽しめます。防潮堤では安全のため投げ釣りはできませんが、遊歩道では投げ釣りができるようになっていますのでサーフファンにも好評です。
また、北九州市は2001年(平成13年)9月、若松区の響灘に有料の釣り公園「脇田海釣り桟橋」を開設しました。いずれご紹介する予定です。
当協会は安全に留意して釣りマナーを守り、地域の皆さんや漁業者と海を共有しながら健全に釣りを楽しむための啓蒙活動を、今後も継続してまいります。
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