一般販売価格1985万円の秘密と全貌! パリオリンピック自転車トラック競技で日本代表が乗る新型バイクIZU-TCM2
日本代表が使用する新型バイクの全貌に迫る
パリオリンピック自転車トラック競技において、数年前から開発が続けられてきた新型自転車が遂にその姿を現した。その市場価格は驚きの1985万円! おそらく日本一高価な自転車とはどのようなものなのだろうか!? その秘密と全貌に迫る!
TCM-2のコンセプト
TCM-2のコンセプトは、「人車一体となって風を味方にする」。東レ・カーボンマジック社が長年のレーシングカー開発で重視してきた空力開発のノウハウを最大限活用し、解析と実験を繰り返し新たなトラックバイクの技術的境地を開くことに成功。空力コンセプトを成立させるための軽量構造技術やパッケージデザイン力を注ぎ込んだ結果である。
TCM-2の技術的特徴(〇数字が下図に対応)
①外観上、最大の特徴となっているフロントフォーク。ライダー脚部が受ける空気抵抗を軽減するためのフェアリング的役割を担っている。
②フォーク上部のブリッジは、ライダーの胸元に入り込む気流を制御している。
③フォークとは逆にフレームは極力抵抗を受けないスリムな構造を採用、特にフロントタイヤに隠れるほどのダウンチューブは、一般的な太さの半分以下に抑えられている。
④シートポストは太く後方に大きな平面を持つ形状をしている。これは後方に負圧域を作る事でライダー後方の流れを改善し人車一体での空力効率を高める役割を担っている。
⑤チェーンラインは自転車の常識を覆し左側に配置。これは反時計回りのバンク付きオーバルトラックで行われる競技の空力的特質に応じて最適化した結果。
⑥フロントホールは、4スポークバトンデザイン。空力上スポーク本数を減らしたいというのが本音だが、剛性確保のため世界的な主流は5スポークである。しかしリムの形状最適化などで最軽量かつ高剛性なホイールが出来上がった。
⑦空気抵抗低減に効果を発揮するディスクホイールにおいてさまざまなトライを重ね、空力と剛性を両立させるレンズ状の断面形状を得ることに成功。素材の配向に特長があり10%の重量低減が実現。