今川茶舗 〜 カフェを併設してリニューアル!老舗茶舗ならではの本格的な抹茶ラテやほうじ茶ラテが楽しめる
抹茶を使ったドリンクやスイーツってよく見かけますよね。
日本だけでなく、海外でも抹茶は大人気です。
実は福山駅前の注目エリア・伏見町に、茶舗が運営する本格的な抹茶などのお茶を使ったカフェがあります。
それが「今川茶舗(いまがわ ちゃほ)」です。
茶葉や茶器などを販売する老舗の茶舗ですが、2021年(令和3年)に店舗をリニューアル。
販売だけでなく、カフェ(通称今茶カフェ(今茶かふぇ))を併設しました。
抹茶ラテやほうじ茶ラテ、抹茶やほうじ茶のアフォガードなどが楽しめます。
もちろん茶舗だから、一般的なカフェのものよりも抹茶やほうじ茶の濃厚な風味を味わえるのが魅力です。
さらに、普段は飲む機会の少ない抹茶や緑茶なども楽しめます。
リニューアルして新たな魅力が加わった今川茶舗。
注目のカフェコーナーを中心に紹介していきます。
福山駅前伏見町の老舗・今川茶舗がリニューアル
今川茶舗はJR福山駅前・伏見町にある茶・茶道具の小売店です。
伏見町は2018年(平成30年)ごろより新しい店が次々とオープンしているエリアとして、注目されています。
そんな伏見町にある今川茶舗は、昭和6年(1931年)に創業した老舗です。
そして2021年(令和3年)10月4日、今川茶舗はリニューアルをしました。
外観は、黒い壁と木を組み合わせた和風の雰囲気です。
リニューアルによって、小売部門に加えカフェ部門が新たに設置されました。
小売コーナーでは今まで同様に、茶葉や茶菓子、茶道具などを販売しています。
なお今川茶舗の茶・茶菓子・茶道具などの販売についてや、リニューアル前の今川茶舗のようすについては、以下の記事を見てください。
併設のカフェ・通称「今茶カフェ」
リニューアルで新たに併設された今川茶舗のカフェコーナー。
早くも人気で、お客からは「今茶カフェ」の通称で親しまれているそうです。
カフェコーナーは、広々としたスペースでゆとりがあります。
カフェだけの利用でもOK。
販売コーナーで買い物に来たついでに、カフェでくつろげるのも魅力です。
カフェのメニュー
価格は消費税込。2024年(令和6年)1月時点の情報
カフェのメニューは、ドリンク中心にラインナップしています。
抹茶ラテやほうじ茶ラテ、アフォガード(抹茶、ほうじ茶)など、お茶屋さんならではのドリンクやスイーツが魅力です。
また抹茶や緑茶の飲み比べなどもあります。
さらにお茶を使ったもの以外に、クリームソーダもありました。
昭和時代の喫茶店にあったような、懐かしいイメージのメニューです。
単品ドリンクやソフトクリームは、店内だけでなくテイクアウトもできます。
今川茶舗のカフェのおすすめ
今川茶舗のおすすめのメニューを紹介しましょう。
「抹茶ラテ」は茶舗ならではの濃厚で風味豊かな抹茶がポイント
看板メニューの「抹茶ラテ」(500円)は、一番人気の商品です。
アイスとホットがあります。
アイスの抹茶ラテは、濃く鮮やかな抹茶の緑色と牛乳の白色のコントラストが非常に美しく、見た目でも楽しめます。
ホットの抹茶ラテは、フワフワに泡だったミルクがポイント。
今川茶舗の抹茶ラテはこだわりの牛乳と、店が厳選した本格的な抹茶を合わせたラテです。
注文を受けてから抹茶をたてて、抹茶ラテを作り上げていきます。
そのため今川茶舗の抹茶ラテは、抹茶の風味がとても濃厚に感じられます。
抹茶特有の苦味と香りが広がり、そこに牛乳の風味と、まろやかな甘味が加わってとても味わい深いです。
「ほうじ茶ラテ」はほうじ茶の独特の風味を生かしたラテ
「ほうじ茶ラテ」(500円)もアイスとホットがあります。
ほうじ茶ラテはシェアキッチンでカフェ営業していたとき(詳細はインタビュー参照)、誕生しました。
ほうじ茶の香ばしい風味とスッキリとした味わいと牛乳の風味、まろやかな甘味のハーモニーが心地よくクセになります。
ほうじ茶ラテは予想以上に好評で、今では抹茶ラテに迫る人気があるそうです。
なかには、ほうじ茶ラテしか頼まないファンもいるほどとか。
「アフォガード」はアイスに抹茶・ほうじ茶をかけたスイーツ
「アフォガード」(550円)も人気があります。
ラインナップは、抹茶とほうじ茶の2種類です。
アフォガード(アフォガート)はイタリアのデザートで、アイスクリームに飲み物をかけたもの。
ちなみに、イタリア語(affogato)で「おぼれた」という意味です。
今川茶舗では、バニラ味のアイスクリームに抹茶やほうじ茶をかけ、上から砕いたクッキーをかけています。
バニラアイスの甘い味わいとひんやり感に、抹茶の苦みと風味、またはほうじ茶の香ばしい風味がマッチします。
そこに2種類のクッキーのサクッとした食感と、濃厚な甘い味わいが加わると絶妙のおいしさになりました。
つい、夢中で食べ進めてしまいます。
おいしい抹茶と菓子を楽しむ「抹茶一服」
今川茶舗のカフェでは、抹茶やほうじ茶を使ったおしゃれなドリンク・スイーツのほかにも、茶舗らしいメニューもあります。
そのひとつが「抹茶一服」(550円)。
抹茶とお菓子のセットです。
抹茶はもちろん、今川茶舗が販売している上質な抹茶です。
注文後に抹茶をたて、提供されます。
まさに、茶舗が運営しているカフェだからこそ楽しめるメニューではないでしょうか。
「抹茶一服」というメニュー名のとおり、身も心もゆっくりとくつろげます。
なお、お菓子は地元の菓子店がつくったものです。
3種の緑茶を飲んで当てる「緑茶セット」
抹茶のほかにも茶舗らしいメニューがあります。
それが「緑茶セット」です。
その名のとおり、緑茶3種類を飲み比べできます。
地元菓子店のお菓子付きで、干菓子付きが450円、主菓子付きが650円です。
飲み比べる緑茶は「玉露(ぎょくろ)」「煎茶(せんちゃ)」「雁ヶ音(かりがね)」。
しかも、ただ飲み比べるだけではありません。
ランダムに並べられた3種の緑茶を飲み、それぞれ何茶か当てるのです。
利き酒ならぬ「利き茶」といえるような楽しみ方ができます。
答えは、菓子の置いてある板の下に隠されています。
抹茶同様に、緑茶の飲み比べも若い女性から人気だそうです。
緑茶を飲み比べるとともに、緑茶当てをしてみて、ぜひ緑茶の良さを感じてみてください。
販売コーナーで、飲んで気に入った緑茶を買って、家で楽しんでみてはいかがでしょうか。
新たにカフェコーナーを併設し、抹茶ラテやほうじ茶ラテなどお茶専門店であることを生かしたメニューを提供する今川茶舗。
代表の今川幹康(いまがわ もとやす)さんにインタビューをしました。
今川茶舗の代表・今川 幹康さんにインタビュー
新たにカフェコーナーを併設し、抹茶ラテやほうじ茶ラテなどお茶専門店であることを生かしたメニューを提供する今川茶舗。
代表の今川幹康(いまがわ もとやす)さんに抹茶ラテなどの誕生秘話、リニューアルしてカフェコーナーを設置した経緯、今後の展望などの話を聞きました。
▼リニューアル前の記事
今川茶舗 〜 自分好みに茶葉をブレンドできる!福山駅前で昭和6年に創業した老舗の茶・茶道具専門店
インタビューは2021年11月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
イベント出店がきっかけで抹茶を生かしたドリンクやスイーツが誕生
──長年にわたり茶舗として営業しているが、抹茶ラテなどカフェメニューを始めたキッカケは?
今川(敬称略)──
当店のお茶を納品している福山の企業があるんですが、その企業は毎年5月に祭を開催しているんです。
納品している関係で、祭に毎年露店を出店していました。
祭では、ずっと宇治のグリーンティーをつくって売っていたんです。
宇治のグリーンティーというのは、抹茶に砂糖を入れた甘いもの。
福山のかたは飲み慣れていないので、最初はめずらしいから売れました。
でもちょっと甘いので、段々と飽きてこられまして。
そこで皿や湯飲みなどの陶器を販売してみたら、けっこう売れたんです。
売れるんですけど、少し年配向けだったかなと思いました。
それにせっかく祭に来たのに、重い陶器を持って歩くのも悪いなと思い、方針転換を考えたんです。
それで抹茶を生かしたスイーツにしようと思いつき、最初に抹茶のアフォガードを販売しました。
アフォガードは大好評でして、翌年は第二弾としてソフトクリームにしてみたんです。
バニラソフトクリームに、抹茶をかけたものでした。
するとその年は天候が悪くちょっと気温が低かったため、ソフトクリームは売れなかったんです。
そこで天候に左右されにくく、抹茶が生かせるスイーツ系のものはなにかと考えたときに思い至ったのが抹茶ラテでした。
ドリンクなら多少気温が低くても、ある程度は売れるんじゃないかと考えたんです。
抹茶ラテは、写真映えもしますしね。
それでいろいろ勉強したり店に飲みに行ったりして、本格的な抹茶ラテを出しました。
初めて抹茶ラテを出したのは、2019年(令和元年)の祭です。
すると抹茶ラテは大好評で、飛ぶように売れました。
それで、抹茶ラテに手応えを感じましたね。
手応えを感じてシェアキッチンでカフェをオープン
──抹茶ラテに活路を見出したと。
今川──
そうですね!
京都の有名な茶舗に行ったんですが、お客がまばら。
でも、抹茶スイーツを出していたカフェは人気があったんです。
ですから今後はお茶を売るだけでなく、抹茶ラテのようなものも提供していく必要があると思うようになりました。
抹茶ラテが好評だった2019年の祭が終わったあと、当店の数軒となりに日替わりで店主が替わるシェアキッチン「ザ・スナック」(現 旧水曜カレー)という店ができたんです。
本当にタイミングも場所もよくて、これは生かせると思い、曜日限定で抹茶ラテをメインにしたカフェをすることにしました。
夏だったんですが、夏は茶舗が落ち着いている時季なので、ちょうどよかったですね。
カフェではお客様の要望を取り入れ、新たなメニューを出すようになりました。
たとえば、現在もメニューにある抹茶ラテに加えてほうじ茶ラテを出したり、クリームソーダを出したりしています。
日替わりの曜日限定カフェでは、大変多くのお客様に来ていただけましたね。
ただ2020年(令和2年)春にザ・スナックは閉店したので、いったんカフェはお休みしました。
リニューアルでカフェコーナーを併設
──カフェを終えたあとは?
今川──
イベントなどに出店し、抹茶ラテやほうじ茶ラテ、アフォガードなどを販売していました。
近くのAREA INN FUSHIMICHO カフェラウンジでも、期間限定コラボレーションメニューとして販売しましたね。
イベント出店や期間限定なんですがとても好評で、心待ちにしているお客様も多かったんです。
それで店舗を改修し、カフェを併設しようと決めました。
店舗もだいぶ古くなっていたので、一気にリニューアルをしようと。
ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行していたので、この期間にやってしまおうということで。
──改装工事は大変だった?
今川──
やっぱり、かなり古い建物だったので大変でした。
計画を決めていても、工事の途中で予定とは違う箇所が見つかって、再度打ち合わせして新たな計画を決めます。
それが何度かありました。
そのため、予定が大幅に遅れてしまったんです。
なんとかリニューアルできたのが、2021年(令和3年)の10月4日です。
──リニューアル前に比べ、客層は変わった?
今川──
そうですね。
客層はガラッと変わりました。
もちろん、前からのお客様もいます。
それに加え、カフェ目的のお客様がかなり増えました。
年齢層の平均は、若くなったと思います。
さらに抹茶ラテやほうじ茶ラテ、アフォガード目的に来たお客様が、抹茶や緑茶に興味を示したりします。
お茶を買って帰ることもありますね。
逆にお茶を買いに来た年配のお客様が、カフェメニューを注文して帰ることも多いです。
小売とカフェ、それぞれ相乗効果があると感じています。
リニューアルして、カフェコーナーを併設したのは正しかったなと思いました。
お茶の専門店だから使っているお茶が違う!
──今川茶舗の抹茶ラテなどのカフェ商品のこだわり・特徴は。
今川──
やはり当店はお茶の専門店ですから、抹茶やほうじ茶が一般的なカフェと違いますね!
抹茶は管理が難しい商品です。
色や風味が変わりやすいから。
ですので一般的には、色や風味が変わりにくい製菓用の抹茶が使われます。
いっぽう当店では抹茶の管理は当然しっかりと行なっていますので、通常の抹茶を使って抹茶ラテや抹茶アフォガードなどをつくっているんです。
抹茶の風味が濃厚で、抹茶本来の味わいを楽しめます。
ほうじ茶もお茶専門店ならではの品質の高いほうじ茶が入手できるので、ほうじ茶の風味が濃厚です。
あと運営面でのこだわりは、お客様からいただいた意見や要望は、一度試してみるようにしていること。
私どもは茶舗としての経験は長いですが、カフェの経験は短いです。
むしろお客様のほうが、カフェによく行っていて知っていたりするんですね。
だから貴重な意見なんです。
抹茶や緑茶の良さを知ってもらうために抹茶・緑茶もメニューに
──ドリンク・スイーツ系以外にも、抹茶・緑茶飲み比べがあるのが気になる。
今川──
原点回帰したメニューです。
やっぱり当店は長年茶舗として営業しているので、老舗らしいものも出していきたいと思います。
私がお茶の業界に入って最初に経験したのは、緑茶の飲み比べでした。
飲み比べて勉強していったんです。
現代社会では、なかなか抹茶を飲む機会はないですよね。
緑茶もペットボトル入りが増えて、食卓でも緑茶を入れて飲むことも減りました。
抹茶とか玉露とか、名前を知っていても飲んだことがない人、どんなものかわからない人って多いんじゃないかと思います。
せっかくカフェとしても営業するのですから、抹茶や緑茶を出し、抹茶や緑茶の良さを知ってもらいたいんです。
意外かもしれませんが、若い女性のお客様が抹茶や緑茶飲み比べを注文するんです。
「抹茶や緑茶は想像以上においしかった」「抹茶や緑茶がどんなものかわかった」という感想もいただいております。
メニューに出してよかったですね。
──お茶以外にクリームソーダがあるのは、なぜ?
今川──
クリームソーダは、シェアキッチンでのカフェ営業時に登場しました。
そのとき、子供連れのお客様がけっこう多かったんです。
ただ子供向けのメニューがなかったので、子供でも喜ぶメニューも欲しいなと。
そんなとき妻との会話で、昔の軽食喫茶で出していたクリームソーダがおいしくて忘れられないという話をしました。
クリームの上にちょこんとサクランボが載った、昭和の軽食喫茶のメニューです。
これがキッカケで、カフェで子供向けにクリームソーダを出すことを思いつきました。
実際にクリームソーダを出したところ、意外にも大人のお客様がたくさん注文しまして(笑)。
懐かしさを感じられるかたが多かったようです。
それでリニューアル後のカフェコーナーでも出すようにしてみました。
ほかにお茶の先生など、普段からお茶をよく飲むかたがクリームソーダを頼むというパターンもありますね。
今後の展望
──今後やってみたいことや展望などがあれば、教えてほしい。
今川──
今後は食べ物系、軽食を出してみたいですね。
実際にお客様から、何か軽く食べるものがあればいいなという声があります。
もちろん、お茶専門店ならではのものを考えたいです。
ひとつは、抹茶を使ったティラミスとかスイーツ系。
それともうひとつ考えている案が、お茶漬けです。
お茶専門店のお茶漬もいいんじゃないかなと。
いろいろな角度から、お茶専門店であることを生かしていきたいです。
また、カフェを通じてお茶の良さが伝えられるようにしていきたいと思っています。
今川茶舗の「今茶カフェ」で抹茶や緑茶の良さを体感
おしゃれな和の雰囲気の店舗に生まれ変わった、今川茶舗。
リニューアルによって、店内でこだわりのお茶やお茶を使ったドリンク・スイーツが楽しめるようになりました。
茶舗ならではの厳選されたお茶を楽しむとともに、気に入ったお茶をぜひ買って帰り、自宅でもお茶を楽しんでみてください。
抹茶や緑茶を飲む機会は減少しています。
今川茶舗のカフェコーナーをキッカケに、抹茶や緑茶の良さを感じてみてはいかがでしょうか。