「チャップリンの所作を研究した」連続殺人ミステリーの”リアル”とは?『ガール・ウィズ・ニードル』本編映像
恐ろしくも美しい北欧ゴシックミステリー『ガール・ウィズ・ニードル』
デンマーク史上、最も悪名高き連続殺人事件にインスピレーションを受け、現代にも通じる社会の闇に堕ちていく人々を描く『ガール・ウィズ・ニードル』が、5月16日(金)より全国公開。
このたび、望まない赤ん坊を生んだ主人公が初めて“もぐり”の養子縁組斡旋所を訪れる姿を捉えた印象的な本編シーン映像が解禁された。
第一次世界大戦後のデンマーク、コペンハーゲンで生き延びるために奮闘する若い工場労働者、カロリーネ(ヴィクトーリア・カーメン・ソネ)は、恋仲になった工場長との結婚が破綻。妊娠したまま失業し、見捨てられるが、そんな時に砂糖菓子屋を営む、ダウマ(トリーネ・ディアホルム)と出会う。
しかし、彼女は裏でもぐりの養子斡旋所を経営しており、行くあてのないカロリーネは彼女の事業を手伝うことを提案。二人の女性たちはやがて共依存していくが、その先に待ち受けていた世界は誰も予期せぬものだった――。
思わず眼が釘付けになる、陰鬱だが透き通るようなモノクロ映像
このたび解禁となった本編映像は、人影まばらな街中を、泣き声をあげる赤ん坊を抱えて走るカロリーネが映し出される。看板こそ可愛らしい菓子屋だが、その裏では養子縁組斡旋所を営んでいるダウマを訪ねるシーンだ。
予期せぬカロリーネの訪問に、髪も整えず、寝間着のままでそっけなく対応するダウマ。「前に会ったでしょ」と言われ、やっと「思い出した。編み針の人(ガール・ウィズ・ニードル)ね」と、カロリーネを迎え入れる。
そんなダウマにぴったりと寄り添い、微かな笑みを浮かべながら無邪気にカロリーネに話しかける金髪の少女の正体は……。
「チャップリンの所作を研究し、モノクロ世界でもリアルな主人公に」
マグヌス・フォン・ホーン監督が主人公カロリーネを演じるヴィクトーリア・カーメン・ソネに求めたのは、100年前の工場で働いていると納得できる信憑性を持っていることだった。監督が会った俳優たちはみな健康的すぎたが、ヴィクトーリアは衣装やメイクなしでもその役柄にあった外見と存在感があり、また、複雑さや予測不能な感情を併せ持った演技ができる、とても興味深い役者だと、彼女を起用した理由を明かしている。
監督から厚い信頼を得ていたヴィクトーリアは、自信の演技にはジェスチャーや動きなど視覚で伝わる要素を意識したという。独特のスタイルで当時のエッセンスを見事に体現していたチャーリー・チャップリンの所作を研究し、「カロリーネがモノクロの世界の人物として描かれるのではなく、リアルであり続けるよう心がけました。そうすることで、彼女が共感できる存在になるよう努めました」と語っている。
『ガール・ウィズ・ニードル』は5月16日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイト シネクイントほか全国公開