【理不尽なウワサ】息子イジメられ「学校行きたくない!」でも相手ママはイイ人で……?<まんが>
私はアイ。息子のカナデは小学3年生、クラスのなかでも小柄な方です。そのせいかよく「ぶつかって転んだ」とあざを作っていたり、「すれ違うときに押された」と泣いて帰ってきたりすることがありました。ただ翌日になればケロリとして仲良く遊んでいるので、私も「子ども同士はそんなものなのかな」と注意深く見守るだけにとどめていました。しかしある朝、なかなか部屋から出てこないカナデ。起こしに行った私はただごとではない様子に気づくのです。
カナデが学校を休みたいと言うなんてはじめてのことです。まさか殴られていたなんて……。エイジくんはクラスでいちばん身長も体重もあるので、小柄なカナデは一方的にやられてしまうのでしょう。私は担任の先生に連絡を入れました。
エイジくんとは保育園が同じです。実はその頃からエイジくんはよく他の子に手をあげて問題になっていたので、私も「要注意な子」という認識でいました。3年生で同じクラスになったカナデは、たびたび被害にあっていたようで……。
カナデは同じクラスのエイジくんのことを怖がっているようです。事情を聞いた私は担任の先生に電話をしてみました。しかし朝の忙しい時間でもあったので、詳細を確認する前に電話を切られてしまいました。 エイジくんのことは保育園の頃から知っています。エイジくんのママはとても真面目な感じで役員などにも積極的。先生や保護者たちからの信頼は厚いです。私もよく親切にしてもらっていました。エイジくんのママは人前でエイジくんを叱って涙を見せたこともあり、その姿を知る他のママたちはみんな同情的です。 はじめて「学校を休みたい」と言いだしたカナデのことが心配ではありましたが、もしかしたらエイジくんにも言い分があるのかもしれないし……。私は私で平穏な保護者関係を維持していきたいので、大ごとにならずに済むといいなと思っています。
学校の対応にモヤるも相手からの謝罪受け入れ……解決したハズが!?
担任の先生がエイジくんと話してくれると言ったので、私は月曜の朝いつもどおりにカナデを学校へ送り出しました。
私は驚いて聞き返しました。こちらはまだ担任の先生から何も聞いていません。金曜の朝にカナデが休みたいと言っていることを伝えると、「では月曜日に」とすぐに電話を切られて終わったのです。現状報告も事実確認も、何もされていません。
私が学校に電話したことを、エイジくんのママはすでに先生から聞いているはず。いったい何を言われるんだろうと緊張してしまいました。ただメッセージを見てみると、幸い今回の件を悪くは思っていないようなのでほっとしたのです。
カナデがきちんと担任の先生に事情を伝えられたかどうかはわかりません。てっきり保護者である私に「カナデくんはどんな様子ですか?」とか「エイジくんに何をされたと話していますか?」とか確認してくるものと思っていたのに……。まさかこちらの意向も聞かずに勝手にエイジくんのママに伝えるなんて思っていませんでした。 そして数日後の懇談会で、私は周囲の異変に気付くのです。私を見てママ同士で苦笑いしながらうなずきあったり、私から目をあからさまにそらしたり……。エイジくんのママからは丁重な連絡をもらい、それですべて解決したと思っていたのに!? 私は困惑しています。
え、息子が悪い!?デタラメなのに……悪意あるウワサを広めた人物は
親しいママ友たちは、噂を立てられた私のことを心配してくれました。まさかエイジくんのママがそんな話を広めているなんて……。とりあえずママ友たちはわかってくれましたが、こんな事実無根の噂を流されて許せるわけがありません。
私は悩んだ末にSNSで相談することにしました。実はまだカナデが小さい頃、私は子育て世代向けの動画配信をしていたことがあるのです。アカウントは本名をもじったもので、周囲のリアルな付き合いがある友人たちは誰も知りません。
エイジくんのママは顔がとても広いです。上の子たちがいるので違う学年の保護者たちとも仲が良いです。とはいえあっという間に噂が広がるなんて、いったいどれだけの人に自分の都合が良いように話したのでしょうか。 いっそのこと直談判する? ひとりひとりに事実を説明する? みんなの前で追及する? でも大勢の前で「話が違いますよね!?」なんて問いつめたら、それこそどんな奇異な目で見られるか……。そもそも最初から学校の先生がきちんと対応してくれていたら、ここまでのことにはなっていないはず。 穏便に済ませようと思っていた相手からわざわざ攻撃されるのであれば、黙って耐えるつもりはありません。どうしたらいいのか解決策を見つけたくて、私はSNSで相談をしました。
相手ママが涙ながら謝罪……和解すべき?しかし……態度が急変し戸惑う
これはもはや子どもの問題ではなく、大人同士の戦いです。そして問題が起きた責任の一端は学校の対応にあるでしょう。私が弁護士を立てるつもりだと話すと、教頭先生は慌てたように「学校で話し合いの場を設けます」と申し出てきました。
エイジくんのママは目に涙を浮かべ、震える声で言いました。「エイジは一度しか殴っていないと言っています。だから、私はエイジを信じます……!」わが子を信じたい気持ちはわかるし、これ以上は追及しない方がいいのかもしれません。
エイジくんのママは涙ながらに「自分の子どもを信じたい」と訴えました。先生方も同情的なまなざしで見ているし、私もエイジくんのママは別に悪くなかったのかなと感じはじめたのです。もしかしたら事実無根の噂だって、自分の意図とは違うふうに広まってしまったのかもしれない、と……。 しかしエイジくんのママは、いきなり思いもよらぬことを言い出したのです。もしかして私がSNSで相談したこと!? え、なんで知ってるの? もしかして調べたの!? 個人情報をのせていないのに、私のアカウントだとどうやって確信に至ったのでしょう。驚いてしまいましたが、エイジくんのママが言っていることをしっかりと冷静に考えたいと思います。
泣き寝入りしない!相手ママの本性暴き……「訂正して!」毅然と対応
私がSNSで書き込んだ相談内容を、エイジくんのママは「すべて事実」だと言いました。心当たりがあったからこそ、あのアカウントが私だとわかったのでしょう。つまりエイジくんのママは「事実無根の噂を流した」ことを自ら認めたのです。
エイジくんのママは気まずそうな顔をしています。私は投稿の削除に応じる代わりに、広めた噂を訂正してほしいと要求しました。学校で先生立ち会いのもと保護者同士が話し合った、自分が把握していた内容には誤解があった、と……。
エイジくんのママには危うくだまされるところでした。自分を責めて反省するそぶりがとても上手だったのです。その涙の謝罪は、学校の先生たちにすら同情的なまなざしを向けられていたほどでした。けれど私のSNSでの投稿に対して攻撃してきたということは……やはり悪意があって噂を広めたんだろうなと思っています。 あれから数か月経ち、周囲の保護者たちの態度はずいぶん柔和になったと感じます。もしかしたらこんなに大げさにしなくても解決したのかもしれませんが、私の選択が子どもの名誉を守ることにつながったはず。今は行動にうつして良かったと思っています。