「特別展 This is KABUKI 体験! 『義経千本桜』が誘う歌舞伎の世界」が開催中 尾上右近も登場したオフィシャルレポートが公開
松竹株式会社では、令和7年度日本博2.0事業(委託型)の一環として、2025年10月1日(水)より東銀座の歌舞伎座ギャラリー・歌舞伎座ホールにて「特別展 This is KABUKI 体験! 『義経千本桜』が誘う歌舞伎の世界」が開催されている。
初日に先立って開催された内覧会より、見て・触れて・なりきって「本物」の体験を心ゆくまで楽しむことができる特別展のオフィシャルレポートが届いたので紹介する。
■会場について
今回の会場となるのは東銀座の歌舞伎座ギャラリー・歌舞伎座ホール。歌舞伎座と直結する歌舞伎座タワーの5階にあり、歌舞伎好きの方でも知る人ぞ知る「穴場」。歌舞伎座ギャラリーの目の前には歌舞伎座の屋根を眺めることができる屋上庭園があり、観劇前後のお立ち寄りにぴったりのスポットとなっている。
■本展について
本展では、10月に歌舞伎座で上演される三大名作のひとつ『義経千本桜』を通して、歌舞伎の多彩な魅力を紹介。心を揺さぶる俳優の熱演、職人の手仕事が光る美しい舞台美術、豪華絢爛な衣裳、さまざまな仕掛けや工夫がつまった小道具、そして時代を超えて人々の心を捉え続ける物語の奥深さと、知れば知るほどに好奇心をかき立てられる歌舞伎の世界を、体験型の展示を通して楽しむことができる。
■『義経千本桜』が誘う歌舞伎の世界
歌舞伎座ギャラリーの前に辿り着いた皆様の目の前に現れるのは、『義経千本桜』「鳥居前」でおなじみの京都・伏見稲荷。赤い大鳥居をくぐると、その先はもう『義経千本桜』が誘う歌舞伎の世界。東銀座に突如として現れた京都の風景を写真に収めていると、どこからともなく桜の花びらが…。桜吹雪に導かれ歩いていくと、『義経千本桜』の登場人物たちが川連法眼館にて人々を出迎える。「鳥居前」の佐藤忠信(狐忠信)の隣で、あなたも物語の一員になりすまし、とっておきの一枚を。
■歌舞伎のいろはを学ぼう!
『義経千本桜』の各場面を描いた芝居絵のデジタル展示を堪能したあとは、歌舞伎全般の学びを深めることができるエリアに進む。今年2月より常設で展示していた「歌舞伎の歴史」「歌舞伎の分類」「歌舞伎の美」に加えて、新たに「歌舞伎と推し活」のコーナーが追加。江戸時代から変わることのない「推し」に対するファンの熱量には、現代の我々も共感が止まらない。さらには、松竹や歌舞伎座のはじまりが収められた貴重資料の展示もあり、特別展ならではの取り揃えで、江戸時代より積み重ねられてきた歌舞伎の奥深さを見ることができる。
■いざ「本物」の体験へ!
歌舞伎の知識も深まったところで、メインとなる歌舞伎座ホールの中へ足を踏み入れると、目の前に広がるのは、「本物」の舞台美術や、小道具、衣裳がギュッと詰まった『義経千本桜』の世界。舞台には十月歌舞伎座の第三部で上演される「吉野山」が再現され、その前には「すし屋」のいがみの権太、「吉野山」の忠信と静御前、そして「川連法眼館(四の切)」の源九郎狐の扮装が華やかに並ぶ。
満開の桜が咲き誇る舞台上や、「渡海屋」の番傘・「大物浦」の大碇とともに写真を撮ったり、実際に過去の舞台で使われていた『義経千本桜』の小道具に触れてみたりと、ボリューム満点の体験の数々は、歌舞伎初心者でも歌舞伎ファンでもテンションが上がってしまうこと間違いなしの内容となっている。
なお、本展は11月16日までの開催で、WEB限定の「道具帳」ポストカード付チケットも販売されている。この貴重な機会を見逃さないでおこう。
■内覧会には尾上右近も登場!
内覧会当日は、十月歌舞伎座公演のBプロで佐藤忠信実は源九郎狐を勤める歌舞伎俳優の尾上右近が登場。会場内を見学し、「衣裳や小道具、そして美術セットの要素もあり、僕が子供の時にこんな展示があったら、楽しくて仕方なかったはず。僕は劇場や空間そのものを楽しんでもらうことが歌舞伎の魅力だと思っていまして、この特別展はまさに理想的ですね」と感想を述べた。
右近が出演する錦秋十月大歌舞伎 通し狂言『義経千本桜』は10月21日まで歌舞伎座で上演。歌舞伎座の観劇とともに、特別展にも立ち寄ってみてはいかがだろうか。