日本語の演技でエミー賞ノミネートの「SHOGUN 将軍」、プロデューサーが浅野忠信を絶賛「アメリカ映画とは全く違う人格」
日本人キャスト主体、ほぼ日本語の作品ながら、米テレビ界の最高峰プライムタイム・エミー賞で最多25ノミネートを果たした。ドラマ・シリーズ部門作品賞はもちろん、日本語の演技で主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)、助演男優賞(浅野忠信、平岳大)にノミネートされたことは間違いなく大きな快挙だ。
真田広之が主演・プロデュースを務める本作は、ジェームズ・クラベルのベストセラー小説を新たに映像化した壮大な戦国ドラマ。歴史上の人物や出来事にインスパイアされた「関ヶ原の戦い」前夜の日本を舞台に、天下獲りをめぐる陰謀と策略が描かれる。
本作キャストの大半を日本映画界から集めたことについて、「自分のキャリア史上、最大の喜びの1つ」と米に語ったのは、共同クリエイターのジャスティン・マークス。「本作の俳優陣は、彼らの母国語での演技や作品を通じて、我々がとても愛している人たちです。そしてこの番組を日本語で制作する大きな動機の1つは、英語を話さないためにこのような作品に出演できない俳優たちと一緒に仕事ができることでした」。
マークスは日本語での演技がとりわけ奏功した例として、樫木藪重役の浅野忠信のパフォーマンスを挙げる。浅野はシリーズや『47RONIN』などのハリウッド作品でも知られているが、「SHOGUN 将軍」では母国語ならではの魂の演技が見られたと熱く語っている。
「エミー賞ノミネートを受けた浅野忠信が母国語で演技し、アドリブする姿を見られる。そして彼が日本語で演じる際の人格を反映させた上で、藪重を作り上げる。これらは、彼がアメリカ映画で演じる際の人格とは全く異なるものです。日本語を使うことで心からの演技が引き出されるという点が、我々がこのプロジェクトを行う理由の1つです。」
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ちなみに以前にも、浅野は「なぜこの番組を日本語でやる必要があったのかを正確に物語っている」とマークス。作中で藪重がブラックソーン/按針(コズモ・ジャーヴィス)に「おらは犬じゃ」と言わせるシーンは浅野のアドリブだと明かし、「これによって、(日本語からの)翻訳で失われることのない、魔法の瞬間へと変化した」と絶賛していた。
なおマークスは今回のインタビューで、「アメリカの視聴者にはまだ馴染みのない顔が、一般的に知られるようになるのを見ることも、本作に取り組む理由です。彼らがノミネートされたかどうかに関わらず、それを誇りに思っています」とも語っている。
これとを、真田も行っていたばかりだ。シーズン2製作を決めた理由は「次世代の日本人スタッフやキャストのため」であり、「だからこそ、シーズン2と3を作る機会を残すことにした。これは若い俳優やスタッフにとって素晴らしいチャンスです」と語っていた。2024年9月16日(現地時間)に行われるエミー賞の結果に関わらず、「SHOGUN 将軍」は日本人俳優の新たな道を切り開く重要な作品となるに違いない。
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