沖堤防でのサビキ&投げ釣りで小アジとピンギスが連発【大阪・泉佐野一文字】
2024年8月17日、泉佐野一文字でシロギスの釣果情報を見て私(筆者)も旬の魚を狙って釣行。朝マヅメのサビキ釣りの釣果と合わせて、小アジとピンギスの二桁釣果に恵まれた。
泉佐野一文字でシロギスが好調
2024年夏、泉佐野一文字に渡す葵渡船の釣果情報にシロギスの数釣り情報が掲載された。例年にない酷暑で訪れる釣り人の数は少ないものの、常連は旬の釣り物を知っていて釣果を上げている。
船長に様子を聞くと「船着き場6番か1番で数は釣れているけど、ピンギス(※10cm級の小さいサイズのシロギスの俗称)ばかりやね」と、サイズは物足りないものの釣況はまずまずの様子。そこで8月17日に釣行を決めた。
深夜2:30に現地入りしたが、先客が一人一個の荷物を乗船場の並び列に整然と置く暗黙の「荷物置きルール」は、青物の多客シーズンと違って発動しておらず、私が1番乗りとなった。
4:10に船長の指示による乗船が並び順に始まったが、始発便に乗船したのはわずか10人ほど。北端の1級ポイント赤灯台周りは、私が独占して釣り座を構える夢のようなスタートとなった。
泉佐野一文字の形状と船着き場などは略図のとおりだが、詳しい解説は、以前の投稿をご覧いただきたい。
竿下サビキ釣りと投げ釣り2本の並行で挑む
釣り座を構え、準備にかかる。釣り座は私の独占状態なので、朝一番から竿下サビキ釣りと投げ釣り2本の並行で挑むことにした。
竿下サビキ釣りのタックルは磯竿5号5.4mにミチイト5号を巻いた両軸リールをセットする。撒き餌カゴはサビキの上下それぞれに付けるダブルカゴ方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介する。
サビキは実績のあるケイムラ仕様のスキンの針7号、ハリス2号を選択。波止際は水深が5m足らずの浅い波止なので、タナは底ギリギリからを切るイメージで、投入地点は竿下よりも少し遠目の2本分ぐらい先に竿先が軽く投げ落とし、小アジのいる層を線ではなく面で捉えるように試みた。
一方、投げ釣り仕掛けは4mの太めの投げ釣り用の竿にスパイクオモリ30号、仕掛けは市販のキス釣り用8号針のものをチョイスした。一部の常連は軽めの竿を用いて近投で釣っているようだが、私はスパイクオモリ30号の重厚なタックルに意味を持たせている。理由は後の記述を参照いただきたい。
キス釣りのエサはイシゴカイがベスト。酷暑の中、釣りエサ店のパックのままで放置するのはエサが死んで腐敗してしまうのでNG。海水バケツに入れて活かしておくのが私のスタイルだ。
朝の時間帯だけで小アジ二桁確保
赤灯台北端の竿下サビキは釣り始め早々に小アジがヒット、置き竿スタイルながらもアタリは頻発。釣れた小アジはスカリの中に入れていく。
海底スレスレのタナに直行で下ろせれば、20cm級の良型も掛かってくるが、中層では豆アジと小サバが群がっていて、ここで捕まってしまうとサビキはぐちゃぐちゃに絡まってしまう。そうなると解く手間がタイムロスとなり、魚の群れを逃してしまう。
キープサイズを選びながら釣り続けた結果、朝7:30頃までのモーニングサービスで小アジは良型4匹を含む二桁を確保した。
スパイクオモリ30号は「底取り」に有効
7:30頃を最後に小アジの群れは遠のき、ここからは投げ釣りが主役となる。しかし、漫然と仕掛けを投じてもキスは釣れない。船長のおすすめも船着き場6番と1番と限定していて、広い海原、何処にでもキスは散らばっているわけではない。
その理由は、砂底の海底の状況が違うからだ。キスは普段は砂底に身を潜めているが、海底の起伏の大きい場所に固まっていることが多い。そのため、海底の起伏の大きいところを探り、そこに少し留め置いて、しばらくして再び海底を引きずって手前に寄せていく釣り方が有効だ。
私がスパイクオモリ30号の重厚なタックルに意味を持たせているのは、この「底取り」の動作に有効だからだ。当日はちょい投げスタイルは捨て、50m~70m沖に仕掛けを投げて、海底の起伏の大きい場所を探して3回引きずり寄せていくスタイルをとった。
キス釣り用8号針はピンギスにマッチ
もう一つのこだわりは、自作仕掛けではなく、市販のキス釣り用8号針仕掛けを使用した点にある。釣具店でキス釣り用8号針を見ると、かなり小さくて細い針だと驚かれるかもしれない。
しかし、釣れるサイズは10cm級からのピンギスなので、小さい口にマッチするのはキス釣り用8号針なのだ。
この小さい針は自力でハリスを結ぶのは結構な手間がかかるので、市販仕掛けを使用するのが得策。針の付け替え用には、ハリスを結んだ状態の8号針または7号針を1パック備えておくとよいだろう。
ピンギスの数釣りにも成功
小さな針に小さなイシゴカイを刺して、2本の投げ竿を投げ分け底取りしながら釣るのはそこそこ手間ではあるが、当日はピンギスの活性が良く、かけた手間に見合う釣果があった。
3投に2回は魚が掛かってきて、ダブル掛かりもあり、スカリの中は賑やかさを増していく。サイズの小ささだけが残念だが、ピンギスの釣果も二桁に乗せ、数釣りには成功した。
ベテラン釣り師はチヌ、波止グレを手中
当日、泉佐野一文字を訪れた釣り人は全体でも20人に及ばなかったが、酷暑の中でも訪れる釣り人の多くはベテラン師。それぞれ自分の得意の釣り座と釣り方を知っていて、フカセ釣りが主流。
私の近くで内向きで釣っていた釣り人も、朝マヅメに集中的に竿を大きく曲げていた。釣れるのはチヌとグレ。私から見たらどちらも羨ましい魚だが、ベテラン師たちは釣り味と食味の面で波止グレの方を好む人のほうが多いようだ。
小アジ&ピンギスともに二桁の最終釣果
ピンギスは時間をかければさらに釣果を伸ばせる可能性はあったが、酷暑に負けたのと午後の予定も考えて、朝9時に納竿。小アジもピンギスの二桁の満足のいく最終釣果となった。
迎えの便に同船した釣り人たちは、それぞれ船長に釣果報告。大漁や大物の釣果はなかったものの、船長も納得の表情で釣り人たちを労っていた。私の釣果にも「キスはやっぱりこのサイズやね」と笑顔で応えてくれた。
帰宅して夕食の食卓を飾った唐揚げは絶品。ピンギスも唐揚げにすると柔らかく旨味も備えていて、最高レベルの食材となった。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>