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【事例】認知症は進行度によって症状がちがう!軽度と中等度における具体的な支援方法を解説

「みんなの介護」ニュース

小林 正美

認知症には進行度が定められています。それぞれ目安となる症状はありますが、個人差があるので家族だけで判断することはできません。

医師に相談して進行度がわかったら、家族による支援方法も変えていく必要があります。

今回は軽度、中等度の事例をもとに、それぞれどのような支援が必要なのかを解説いたします。

認知症の進行度

認知症は、おもにアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などの原因によって発症します。それぞれ症状にちがいはありますが、どのタイプも個人差はあれど、日につれて進行するという特徴があります。

認知症の進行度は、軽度認知障害(MCI)から始まり、軽度、中等度、重度の段階に分けられています。

軽度認知障害(MCI)

普段の生活では自立していますが、同じ買い物を何回もしたり、鍵をかけ忘れたり、会議の時間を忘れたりする回数が増えます。本人や家族も変化に気づくレベルです。

軽度

周囲が見守りを行えば日常生活にはあまり支障がないレベルです。具体的には「財布を何回も置き忘れる」「火をつけっぱなしで鍋を焦がす」「日にちや曜日を忘れやすい」などの症状が現れます。本人もできないことが増えて不安感が強くなります。

中等度

定期的な見守りや介護が必要な状態です。例えば、以下のような症状が顕著に現れます。

家族や友人の顔や名前がわからない
衣類の着替えができない
道に迷ってしまう
話したことをすぐに忘れてしまう
入浴を嫌がる
昼夜逆転してしまう

このような症状が出たら家族だけで介護することが困難になります。デイサービスやショートステイなどの介護サービスを利用して、プロフェッショナルな視点から認知症の進行予防が必要になります。

重度

言葉によるコミュニケーションが難しくなり、食事も介助が必要になります。また、便意や尿意さえもわからなくなるので、常に介護が必要な状態になります。特養や介護付き老人ホームなどへの入居が望ましいでしょう。

【事例】軽度・中等度の方の症状と支援

認知症の方への支援方法は、進行度によって異なります。私は若年性認知症を中心に支援を行っており、軽度や中等度の方と接する機会も少なくありません。

そのなかで典型的な事例を挙げ、どのような支援を行ったかを紹介いたします。

軽度の事例:Aさん(75歳)の場合

Aさんは、45歳の脳梗塞の長男の方を在宅で介護していました。

しかし、あるときから長男と同じ趣味のダンスの練習に出かけたときに練習会場までの道を間違えたり、ダンスの衣装を忘れたりするようになりました。その後、ご家族から私のもとに「軽度のアルツハイマー型認知症と診断された」という連絡がありました。

Aさんのおもな症状や状況は次のようなものでした。

練習会場の道順や時間の感覚がわかりにくく、行き先を忘れてしまう
新しいダンスのステップを忘れてしまう
自分の症状に気づいていたが、周りに隠そうとしていた

そこで、Aさんのご家族には次のような支援を行うようにアドバイスをしました。

家族が認知症を受け入れ、優しく接する
Aさんが話したことを否定しない
道に迷わないように外出するときは一緒に出かける
長男の介護で、Aさんができないことを負担する
認知症の進行予防のため、趣味のダンスを続けさせる
薬の服用や定期的な受診、食事を含んで生活環境に注意する

このような支援をした結果、Aさんはその後良好な在宅生活を楽しんでいるそうです。

中等度の事例:Bさん(70歳)の場合

Bさんは、夫と孫と長男夫婦の5人家族で住んでいました。ある日、認知症のような症状が現れ、医師に相談したところ「脳血管性認知症で中等度の段階」だと診断されました。

当時のBさんの症状は、次のようなものがありました。

家族や友人の名前や顔がわかりにくい
日にちや自分がどこにいるかわからない
話していても内容がうまく伝えられられず、相手の話が理解できない
昼夜逆転や徘徊をしてしまう
以前は穏やかな性格だったが、怒ることや無関心なことが多くなった

このような症状に対し、Bさんの家族に行っていただいたのは次のような支援でした。

Bさんに対して感情的にならないようにした
Bさんに忘れたことを思い出させるため、写真やビデオを用いて話しかけた
昼夜逆転を改善するため、家族全員で起床・就寝時間を合わせ、食事もなるべく家族全員でとるようにした
Bさんが好きなダンスの話や、散歩に連れて行った
家族が介護疲れをしないように、介護サービスを利用した

これらの支援によって、Bさんの症状は次第に和らぎ、家族や介護サービスによる支援によって穏やかな暮らしを過ごしているそうです。

まとめ

認知症は、症状や進行度によって必要な支援が変わります。事例をもとに解説しましたが、症状や支援方法にも個人差があるので、あくまで参考として考えてください。

ただ、認知症の方と接するときに、忘れてはいけない基本があります。それは、本人の状態や気持ちに合わせて、柔軟に対応すること。例えば、好きな趣味などはできる限り続けられるようにサポートをすることが大切です。ゴルフが好きであれば、コースに出られなくても打ちっぱなしに家族が付き添うなどの支援が考えられます。

一方、多くの場合で、認知症介護は長期間続きます。そのうえ進行することで介護の負担も増していきます。最初に軽度だと診断されていたとしても、いつ中等度になるかわかりません。定期的にかかりつけ医に相談し、状況を細かく説明するようにしましょう。

なるべく在宅で介護をしたいと考えている方は、家族の健康やメンタルのことも考えて、進行が顕著に見られたら無理をせずに専門家に頼ることも忘れないでください。

認知症は決して本人だけの問題ではありません。地域全体で支えていくためにも専門家の意見や支援を求めることが、長く支援していく大切なポイントになります。

【参考資料】
認知症安心ガイドブック(新潟市)2023/12/4

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