居場所そら 学校内外で居場所づくり 活動の場広げる
授業が始まっているのに教室に入れない――。
横浜市が目指す「自ら学び社会とつながり、ともに未来を創る人」の実現に向け、各市立学校には「地域学校協働本部」が設置されている。
橘中学校では、学校に行きにくい生徒や教室に入りにくい生徒たちを継続的にサポートすることを目的として地域学校協働本部を2022年4月にNPO法人化。特定非営利活動法人「居場所そら」(本多貴子理事長)として生徒の校内居場所「そらルーム」を運営している。そらルームは平日の日中に生徒が安心して過ごせる居場所として毎日開設。教室に入れない生徒を受け入れており、毎週水曜日の放課後には放課後居場所「そらカフェ」としてそらルームを開放している。
居場所そらの渡部潤理事によると、そらカフェには毎回約100人の生徒が訪れ、ボードゲームや読書などをしながら過ごしているという。
地域にも開放
学校に行きにくい小中高生が過ごせる場として「土曜そらカフェ」も開設している。ここでは地域の小中高生とその保護者を対象としており、保護者同士が同じような経験を持つスタッフと会話ができる「保護者の集い」では参加した保護者から「少し心が楽になった」などの声が寄せられているという。
校外活動も行っている同法人。子ども食堂「そら食堂」は毎月第4日曜日に地区センターや公園などを会場に実施している。また、地域振興として「仏向地域たかの子祭り」や「和田地蔵祭り」へ屋台を出店するなど活動の場を広げている。
渡部理事は「最近はそら食堂や祭りの屋台を手伝ってくれる子もいる。これも一つの居場所づくりなんだと思う」と考えを述べる。